Dufftown 街角ミュージック

マイナーパワーがこの世を救う。今こそ日本を大和民族の手に取り戻せ!連綿と受け継がれる日本と大和民族を護ろう。 害人天国を~、ブッ壊す!

タグ:Sherry

Alexander Gordon(アレクサンダー・ゴードン)というシェリーでも優良な生産者がいた
日本では名古屋市にある会社がエージェントになっていて、必ずしも入手困難な銘柄ではなかった。(決して容易でもなかったが)
小生も、6年程前のアンダルシア製品展示会で出会ってからここのシェリーは結構好きだった。何と言っても品質と価格のバランスが優れていたと思う。
しかし、そのエージェントの会社の人間から、この蔵が事実上抹殺されてしまったという情報を手に入れたのである。
つまり、この優良なシェリーを二度と手にする事は出来ないという事なのである。

alxgdnpc01

このAlexander Gordon という名に対しある大手ブランドからクレームがついて、差止請求が認められてしまったのである。その大手とは、Gordon Tanqueray(ゴードン・タンカレー)、言うまでも無くジンのトップブランドであり、酒造業界世界最大手である彼のDiageo(ディアジオ)のコングロマリットの中核をなす会社の一つである。
差止を認めた判決の詳しい内容は判らないが、これによりアレクサンダー・ゴードンは販売不可能となった。操業も差し止められ、巨額の賠償金も課された可能性もある。

このボデガとしての名称はMarqués de Irún(マルケス・デ・イルン 註1)、現在の経営者はLuis G. Gordon(ルイス・G・
ゴードン)氏なのだが、近年ではEmilio Rustau(エミリオ・ルスタウ)の手に渡り、現在はLuis Caballero(ルイス・カバジェロ 註2)の傘下。
更にシェリーのみならず、Rueda(ルエダ 註3)で白ワインの生産も手がけている。

シェリーでも最古のボデガであり(1770年頃スタート)、生産量は多くないものの超名門の一つであった。
そして、この創業者であるゴードン一家が現在の様なシェリーの生産販売のシステムを最初に構築したとされている。
しかも、Gordon=ゴードンという名は英語圏でもポピュラーな姓である。


一方、ジンで有名な Gordon's の創業者もAlexander Gordon という人物で創業は1769年である
(昔のボトルにはAlexander Gordon and company としっかり書いてある)。
要は創業者の名前と創業年代がモロ被りしてしまった事の不幸といえる。


ただどうしても大手資本の極めてヤクザ的な横暴が透けて見えてしまう、その司法の判断が又圧力にいとも簡単に屈した酷いものの様にも見えてしまう。

この蔵及びそのストックの原酒については、親会社であるCaballero が引き取るなりするのかも知れないが、この佳酒が絶滅するのは忍びない。同グループのウェブサイト上で、シェリーの項目からこのA. ゴードンの名は既に削除されている。
このボデガを抹殺しようとしているのがDiageo の一員。Diageo は無論スコッチウィスキーの最大手である。これが余計にクソな話に聞えるのである。
何せスコッチの業界はシェリー樽の確保に常々奔走しているのであるから。


25年以上前だが、当時カリフォルニアに存在したKenwood(ケンウッド)というワイナリー(当時それなりに高評価を得ていた)に対し、オーディオ機器のケンウッドがカリフォルニアの裁判所に差止請求を起したが、結局返り討ちにあった事を思い出した。
因みにそのワイナリーの場所の名がKenwood だったのであるが、L.O.L. の大草原としか言いようのない話である。


参照記事=そうだ、Sherry を飲むべし Part 1  Part 2  Part 3



註1)Marqués de Irún(マルケス・デ・イルン)はゴードン家の爵位
註2)シェリーでは最大手のグループで、スペインを代表する酒造大手でもある。E. ルスタウもここの傘下
註3)スペインを代表する白ワイン産地はマドリードの北西にあるこのRueda と、ガリシア地方のRias Baixas(リアス・バイシャス)




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

シェリーなんて酒のどこが美味いのか、あんなヒネた酒なんて飲めないという御仁も多かろう。これ自体は個人の好みという所が大きいから責める気は無い。
しかしながら、シェリーという酒に対する評価が低過ぎるのではないかというのが小生の率直な思いである。


この酒についてこの国の大多数の人は、パーティー等のウェルカムドリンク若しくはオードブルの前に少しだけ飲む様なイメージで、本格的に飲むという事は考えないであろう。
イギリスを中心に隆盛を誇ったシェリーだが、消費量も生産量もここ数十年で落ち込む一方である。この事態がシェリーカスクの確保を困難にしている。生産する蔵の数も全盛期と比して1/10程度になっている。

この背景として、世界的な嗜好の変遷の中で、結果としてこの酒自体が「時代遅れ」になってしまった。更には、ワインの輸送や保管に関する技術が大幅に向上し、スティルワインをほぼ世界中に良い状態で輸出入出来る様になったことは大きい。酒精強化という事自体、輸送中の劣化を防止する意味合いで始まった技法といえるからである。

この状況は歴史の必然といえなくもないが、そういう中でも、復権の兆しも見える様な事もちらほらとある。少し前にイギリスでManzanilla がブームになったらしいが、日本でもシェリーを大々的に取り扱うバーが増えつつある。ただ、バーというよりスペイン型バルという形態が殆どだが。

しぇりークラブ(東京・京都)は有名になったが、東京ならエチェガライ(Echegaray)、ベネンシア(Venencia)、バル・デ・オジャリア(Bar de Ollaria)
関西で挙げれば、キンタ(Quinta =大阪)、シェリーバーKAO、Venga(京都)、うさぎ(神戸)、Sherry Bar A&G (西宮)こういった辺りであろうか…
 

bbramon01
ここで、小生にとってのタイプ別萌え度を著すと…
Fino (Manzanilla 含む)      ☆☆☆☆
Amontillado             ★★★☆☆
Oroloso               ★★★★
Palo Cortado            ★★★★★


 
左画像を見るとラベルこそウィスキーファンには御馴染みで英国の有名な酒商であるBBR=Berry Bros. & Rudd だが、
中身はエミリオ・ルスタウ=Emilio Lustau のアモンティヤード
この蔵、先ず間違いは無い!飲む前から期待大! 非常に高いレベルで安定している上に、Almacenista シリーズというレアなアイテムでも名を馳せる
勿論、アルマセニスタシリーズでない通常のシェリーも素晴らしい! カッチリしていてブレも隙も無いというのが第一印象


アルマセニスタとは、シェリーの醸造と熟成までを手掛ける個人醸造家。この個人醸造家も資金繰り等の問題から激減し今は50人を割っている。
実はこのルスタウ、1950年まではこのアルマセニスタの一人だったが、そこからシェリー界ののスーパースターの一角に食い込んだのである。


フィノ系はそれこそ白ワインの代わりになる。¥5000程度の下手な白ワインより美味しい奴はいくらでもある。
アモンティヤードはそれこそ万能選手になり得る存在である。
オロロソ(ドライタイプ)やP. コルタドなら赤ワインの代わりに肉料理とコーディネイト出来る。
又、長熟品でアルコールが20度辺りに達している物であればウィスキーやブランデーの代わりに飲んでも良く、シガーと共に楽しむ事も可能である。
フィノでもアルコールは16度位あるので開栓後の寿命も長い、アモンティヤード等の酸化熟成系は18~20度の奴が多く、元々酸化しているので更に丈夫で重宝する。


tesoroalmr01  bertola01

左画像=Real Tesoro(レアル・テソロ)の上級品でオロロソはAlmirante(アルミランテ)
価格はリーズナブルだが、評価は結構高い。オロロソは本来辛口だが、このオロロソは完全な辛口ではない気がする、僅かにP.X. が混合されている様に思える。
右画像=Bertola (ベルトラ)のオロロソ・12年熟成 
この蔵は1911年創業このBertola は目〇田〇屋お勧めとして上のBBR と共に購入


pc20wh01  alxgdnpc01

左画像=William & Humbert(ウィリアム&ハンバート) Palo Cortado 20年
創業は1877年、シェリーでも最大手の一つとして、" Don Zoilo "、" Dry Sack " 等のシリーズで有名。その中でもプレミアムレンジに入る逸品がコレ!
右画像=Alexander Gordon (アレクサンダー・ゴードン) Palo Cortado
この作り手は際立つ部分は無いものの、綺麗に纏まっている優良な所で、価格も比較的リーズナブル。ただ、名古屋の大栄産業が取扱いを止めたため日本ではもう終売となり幻の銘柄に。




シェリーからはブランデーやヴィネガー等の副産物も出来る。この中にも逸品が存在する。


シェリーから派生するブランデーはシェリーブランデー又はへレスブランデーと呼ばれる。
本来シェリーの酒精強化に用いるワインスピリッツをブランデーとして樽熟させた物が多い。


vlpnfh01  osbrandy01

左画像=ヴァルテスピノ(Valdespino)のFamily Heritage 40%
右画像=オスボーン(Osborne)のConde de Osborne 40.5%
両者ともメジャーな生産者の品で、シェリーブランデー最上級規格のSolera Gran Reserva 。

因みにヴァルテスピノの方は100年を超える原酒も混じっているが、19世紀から組まれているソレラを使っているからこその芸当といえる。価格は¥17,000位。


jerezbrandy01

左側=ガーヴェイ(Garvey)が世に送り出す超高額ブランデー、Conde de Garvey
外販される事なくプライベートで200年以上脈々と受け継がれたブランデー、勿論ソレラでの熟成。ボヘミアガラスのボトルでキャップは銀製! その価格、現在約16万円


右側=Barbadillo の超高級シェリー、Reliquia Barbadillo(レリキア・バルバディージョ)
此処に写っているのはP.X. =極甘口のヤツだが、他にAmontillado、Oroloso、P. Cortado もある
これを育むソレラも150年以上というからビックリ! 因みに価格は最低でも¥45,000以上!


シェリーという酒、勿論ピンからキリまである。下は¥2000を切るものから上は数万円に達する物まである。
ただ、¥3000程度の奴でも優秀な生産者の物なら然して不満を覚える事はあるまい。¥4000~6000位のクラスになればかなりのハイレベルが期待出来る。


小生は学生時代から少しは嗜んでいたが、そこから約25年時折は楽しんでいたが、今シェリーカスクのウィスキーという所から廻り込んで新たな発見を重ねながら今迄以上に嗜もうとしている訳である。

最後にもう一度  そうだ! Sherry を飲むべし! 
このアクションでシェリーのみならずウィスキーをも救えるかも知れない!
そう願ってSherry を飲むべし!


シェリーの御供にはやはりコイツが最高か、スペイン産高級生ハムの代名詞ハモン・イベリコ(Jamón Ibérico)

jamon01

 

某サ〇トリーがValdespino (ヴァルテスピノ)を買収したのは記憶に新しい。
大々的にシェリーを売り出す事よりも、自社のウィスキーの為のシェリー樽を確保する事が主目的なのは明らかだった。
しかし、見事にその目論見は外れた!(抑々シェリーを馬鹿にした話だがww) 
まぁ、" It serves you right " とまでは云わないがwww



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jan. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

ここの所忙しく、バタバタとして当サイトの更新も儘ならなかった小生であるが…
シェリー(Sherry)と云っても、どういう酒かを良く御存じない御仁も多かろう。

シェリーとはスペインの地名、Jerez(へレス)の英語読みである。この地名を聞いて昔のF-1 スペインGP を思い出す方は結構なオッサン(オバハン)www(註1
この地は元々、ヘラ(Xera)という名であったが、アラブ人の支配を受けた時代からSherish=シェリッシュとも呼ばれる様になった。それからスペイン語でXerez、Jerez と呼ばれ、英語ではSherry、フランス語ではXérèz となり、この酒のD.O.(denominación de origen=産地統制名称)はJerez-Xérèz-Sherry と3ヶ国語併記の珍しい形になる。


スペイン南西部はアンダルシア地方にある以下の3区域で産出されるフォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)で法に定められる一定の要件を満たす物がシェリーを名乗れる。
その3地域とは、Jerez de la Frontera (へレス・デ・ラ・フロンテラ)、El Puerto de Santa Maria (エル・プエルト・デ・
サンタマリア)、Sanlùcar de Barrameda (サンルカル・デ・バラメダ)


作り方の基本を簡単に言うと、ワインに葡萄由来のアルコールを添加して度数を上げてから熟成させる。
使用される葡萄は、Palomino(パロミノ)Pedro Ximénez(ペトロ・ヒメネス 通称PX)Moscatel(モスカテル) の3品種だが、パロミノが9割を占める。そして何と言っても、ソレラシステムによる熟成方が何と言っても特徴的である。バット(butt)やパンチョン(puncheon)と呼ばれる500リットル程度の樽が、3~5段程度に積み上げられる。その樽は腐敗防止の為黒く塗られていて、他のワインと違い樽の中には容積の75%程度の量しか満たさない。25%程度を空間にしておくのはフロールの生成若しくは酸化熟成を促すためである。(註2


熟成が終り瓶詰される酒は最下段の樽から抜き取られる。一度に抜き取られるのは樽の中の数%程度の量である。抜き取られた分の補酒はその一つ上の段の酒で行う。
補酒の為に抜き取られた分は又更に一つ上の段の樽から行う。最上段ではルーキーともいうべき酒が補われる。酒は熟成を重ねながら上から下に段階的に送られ注ぎ足される事になるので、上の段には若い酒、下に行く程熟成が進んで行くという形になる。
このシステムにより、製品の質的なバラつきを抑え、一定の品質を担保するという効果が得られる。


 

caballero01

シェリーを語る上で避けて通れない名門で大手の一つ、Luis Caballero (ルイス・カバジェロ)のシェリー達この生産者はシェリーに留まらず、ブランデーやリキュール類まで幅広く手掛ける。

barquero01

Perez Barquero (ペレス・バルケロ)、ここも亦優秀!
ここの蔵はパロミノ種を使わず、専らP.X. 種を採用しているのが特徴。この蔵のあるMontilla (モンティージャ)という場所がP.X. の育成に適しているからという事らしい。 P.X. 種は非常に糖度の上がる品種であるので、酒精強化無しでも15%を超えるアルコール度数が確保出来る。

 
diozbaco01

Dioz Baco (ディオス・バコ)は19世紀半ばから続く蔵。ラベルは少々派手めだが、酒は派手さは無いものの、優秀なバランスを持つ。買って損は無い銘柄!

 

シェリーという酒に関して、フロールという言葉を聞いた事があるかも知れないが、本来は花という意味だが、この場合は酸膜酵母と訳される。
モストを発酵させワインにするとその過程でこの膜が張る。通常のワインならこんな膜が出来ると完全な失敗となるが、これがシェリーにとっては決め手になるのである。
澱引きの後酒精強化となるが、フロールがしっかりしているの物はフィノとなり、アルコール度数16度以下に調整される。
フィノにならなかった物は18~20度に調整されオロロソに回る。フロールが存在出来る限界となる度数が16度あたりであり、オロロソの場合、この膜を消し酸化熟成に持って行く。その途中での腐敗を防止するという意味もあって18~20度まで酒精強化を行う。


シェリーは、以下のタイプに大別される。
Fino(フィノ)
シェリーの大多数がこのタイプ。全体の80%程度がこれに入る。フロールの下で酸化を防ぎながら熟成される。辛口でシャープ、軽やかな風味の物が多い。
Manzanilla(マンサニージャ)
フィノの内、Sanlùcar de Barrameda で作られ一定要件を満たす物。

Amontillado(アモンティヤード)

途中までフィノだったが、フロールが壊れる等して、酸化熟成に持っていかれた物。悪い言い方をすればフィノ崩れという事にもなるが、フィノの繊細でシャープな部分とオロロソの様なコクと熟成感の中間的なキャラを持つ。
Oloroso(オロロソ)
フロールが出来なかった物や意図的のその生成が阻止された樽で、18%位まで酒精強化され長期熟成されたタイプ。長期に渡る酸化熟成で色は褐色になり、コクと香りの高さが持ち味。基本は辛口だが、甘口も存在する。
Palo Cortado(パロ・コルタド) 直訳すると切られた棒となるが、フィノの樽には一本の斜線が付けられる。それがP. コルタドに変化し始めると、その斜線を切る様にクロスする線を書き足すという所からこの様に呼ばれる。偶然が重ならないと出来ず、意図的に作れないタイプのシェリー、
生産量も当然少ない。フィノ崩れからアモンティヤードも通り越してオロロソの一歩手前まで行った物というのが妥当か。FinoAmontilladoOloroso の3者のキャラを併せ持つ不思議な酒となる。
その不思議さ故、" El Misterio del Palo Cortado " なるドキュメンタリーフィルムが存在し、去年日本でも公開された程である。


ここまでがVinos Generosos と云われる辛口タイプだが、下記の様なDulces Naturales=天然甘口のタイプも存在する
Pedro Ximénez(ペトロ・ヒメネス) 同名の葡萄を陰干しし、糖度を非常に高めて作る。発酵終了時点で相当なレベルの残糖があるため甘口となる。
Moscatel(モスカテル) 製法はP.X. と同じ、これも甘口。


Vinos Generosos de Licor という辛口甘口を混合して作る物も存在する。

 

ここで、シェリーにピッタリな料理も紹介したい。

callos01
 
マドリード風の牛モツ煮込み、callos(カジョス)
2011年秋、三条京阪KYOUEN 内のLa Gallega(ラ・ガジェガ)にて(サイトは
こちら
モツの類が食えないという御仁も結構多いと聞くが、それは人生に於ける大きな損失であると思わずにはいられない小生である。


シェリーの魅力をディスカヴァーして、その生産が今一度盛り上がり、良質な物がもっと生産される様になる様に、我々も気合を入れてシェリーを応援すべく、購入を増やして行きたいのだが…
こんな伝統ある魅力的な酒を当のスペイン政府は推さない、これが不思議である。
シェリーは世界の潮流から取り残されて、推しても商売にならないと踏んでいるのであろうか?
以前はアンダルシア製品展示会なるイベントが東京で毎年4月に行われた時期もあったが、2013年以降行われていない。


てな訳で、Part 3 へと続く!

追記 : アンダルシア製品展示会は2015年に再開


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jan. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。
  

註1)F-1 が開催されたのは1986~90年(スペインGP)、94・97年(ヨーロッパGP)の7回のみ。1990年にM.ドネリー(Martin Donnelly)が重大なクラッシュ事故を起こしたのを契機に、91年からカタロニアでの開催となった。 1986年はA. セナとN. マンセルが0.014秒差でフィニッシュというF-1 史上最大の接戦となる。又、97年にはM. ハッキネン(Mika Häkkinen)が初優勝を記録している。二輪では99年WGP 予選でM. ドゥーハン(Michael Doohan)が重大な事故を起し選手生命を絶たれている。
註2)ワインを樽に入れて熟成する時は、酸化が進まない様に容量ギリギリ近くまで満たす事が常識となっている=空気に触れる面積を減らすため。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

スコッチウィスキーと云えばシェリー樽。旧い世代だと斯様に思われる御仁も多かろう。確かに古い時代の物、特にブレンディドではシェリー樽の要素が大きく感じられる物は多い。
何でこんな枕なのかと云えば、シェリーそのもの並びシェリーカスクのウィスキーを小生は応援している(したい)からである。 ワインには新樽何%使用などという文言はよく目にするし、バーボンでは新樽使用が義務である。
これらに対し、スコッチで新樽使用は稀である。スコッチの樽で過ごす時間は総体的に長い傾向にある。熟成年数という部分だけでいえば3年でウィスキーとして成立するが、実際は通常短いもので5年、それこそ20年以上過ごす物も少なくない。
新樽を使うと樽の影響が出過ぎてしまう危険性が高いから、他の酒の「御下がり」の樽を使うのは理に適っていると言える。


gfc67fc587a  ablr8y50a

左=Glenfarclas Family casks 1967 58.7% 2007年ボトリング 2010年撮影
右=Aberlour 1964 8yo 50% イタリア向け


dronach9471  mtlc70s43n01

左=Glendronach single cask 1994-2011 17yo 60.1% 並びに1971-2011 39yo 48.1%
右=Mortlach 12yo 43% 1970年代ロット・日本コールドベック扱い


先ずは、シェリー樽熟成のスコッチウィスキーの絵を4点取敢えず貼ってみた。

さて、以前にも述べた通り、昔シェリーはスペインからスコットランドを含めたイギリスに樽で運ばれていた。当時、ヨーロピアン(コモン)オークは安く、これで出来た樽は酒の保存運搬用として2、3回使うと捨てられる状態だった。 スコッチウィスキーをシェリー樽で熟成させる手法は、その運び樽の廃物利用だったのである。
寒冷で痩せた土地も多く、長くイングランドに圧迫を食らってきて豊かとは云えないスコットランド人はケチだったので(?)、捨てられたその樽に目を付けたとも言われている。
そんなケチなやり方が生み出したこの超ファインプレーだが、45年程前に暗転してしまった。転機になったのは1970年、EC(EU の前身)域内で樽詰状態での酒の輸出入が大幅に規制された事にある。(EC のワイン法改正で原産地名称統制を受けるワインは生産地で瓶詰まで行う事が義務付けられた)
かくして1970年代以降、スコッチウィスキーのシェリー樽比率はドンドン下がり、近年はバーボン樽が殆どを占めている。


一方メーカーや蒸留所では、この状況に対応すべく、シェリーの蔵と手を組んでシーズニングという方法を用いて独自にシェリー樽を確保せんとする様になった。シェリーを1、2年程樽に入れその内側に染み込ませて、新樽のえげつない部分も取る。そのシーズニングを専門にやる会社までスペインには存在するのである。
そのシーズニングが結構な曲者で、80年代までは酷い物も多かったという。
出来の悪い酒を使い、更にはそれを煮詰めた紛い物まで使用して、挙句の果てには何度も使い回す。その中には不衛生な樽も多く、二酸化硫黄でたっぷり燻蒸して無理矢理消毒して使えば、オフフレーヴァーの塊になるのは明らかだった。
さすがに1990年頃このシーズニングについて規制が掛ったが、それまでそんな事は茶飯事だったらしい。シェリー樽熟成を切り札にしていた生産者にとって、良質な樽の確保が困難になった事は、品質面での信用低下を始めとして大きな打撃を齎したのは想像に難くない。(特にMacallan、Glenfarclas なんていう辺り)
これ位優良又は秀逸ななシェリーで注意深くシーズニングすれば問題は起きない筈なのだが…


zuleta01

Sherry のトップメーカーの一角を占める Delgado Zuleta のラインナップの一部
2012年4月都内で行われたアンダルシア製品展示会にて


ここまではスコッチウィスキーの樽という切り口から見てきたが、シェリーのファクターは勿論これだけではない!
誰が何と言おうともシェリーという酒は愛づるべき物である
 

この先はPart 2 にて


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jan. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

ストレージ用のHDD 故障から約10日、一部のデータは消失させてしまったものの、大部分のデータは復旧し当サイトの更新も何とか再開に漕ぎ付けた次第である。
 
蒸留所に行くと、幾つかの樽の中から自分でボトルに詰められる場合がある。手詰めなので、" Hand Filled " と呼ばれ、自分だけのオリジナルボトルとも言える。
蒸留所に行く機会が無くとも、運が良ければそんなボトルをテイスティングするチャンスはある。


bowmore-hf532  aberlour-hf591

左画像は、BOWMORE
山岡秀雄氏の手詰めで、去年11月のWhisky Festival にてテイスティング出来た物

右はABERLOUR、西天満のあるバーの店主氏がネットオークションで仕入れた物らしく、今年5月のテイスティング この2本に共通するのは、シェリーカスク、しかもかなりガッツリな仕上がりw

シェリーカスクと云っても、様々である。シェリー熟成用に使われるのと同じbutt と呼ばれる500l 位の樽もあれば、250l クラスのhogshead、やや特殊だがoctave と呼ばれる50l 程度の樽等もある。入れられていたシェリーのタイプの違い(註1)、1st fill か2nd fill か、ウィスキーを入れる前段階の樽の処理の仕方…、こういったところで色々変って来るのである。


さて、先ずはBowmore の方だが…、 マホガニーに近いゴツい色合いで、そんな見た目通りに、シェリーの要素が前面に出ていた。でも、そこからこの蒸留所らしいキャラがしっかり反撃して出て来てくれたので、全然許せてしまう。ガッツリなシェリーでありながら、然程諄さも感じず、トータルパッケージはかなり良い。
Bowmore にはシェリーカスクが非常にフィットすると小生も考えているが、貴重な味覚体験が出来たと内心喜んだ訳であった。さすがは山岡氏!感謝を申し上げたい。

右画像のAberlour に話を移すと…、色はこちらもそこそこゴツイ赤茶
先ず一寸したゴム臭さ、これは程なく引っ込んだが、有難さを感じさせる所は殆ど無い。酒としては決して悪くは無い。この蒸留所からはA'BUNADH というシリーズが出ているのは有名だが、まさにその手詰め版という感じだった。この樽もA'BUNADH の原酒になる物だったのであろう。
この手詰めボトルのネットオークションでの入手価格が10000円を楽に超えたという話だが、これに対して、A'BUNADH なら8000円前後で買える、Batch 52まで出ている様であるが、Batch 20 以降は評価も安定して結構高く、人気の方もフランスを中心に結構高い様である。


要するに、これなら、A'BUNADH でも事足りる。 この蒸留所はPernod-Ricard、つまりフランスを本拠にする企業の傘下にあるので(註2)、フランスで人気が出そうな商品を特別に出したというのは穿ち過ぎだろうか?
Aberlour の場合は、シェリー樽とバーボン樽のヴァッティングでカスクストレンクスというのが欲しい所ではあるが…。 ウィスキー愛好家の中にも、シェリー樽熟成の物は苦手という御仁がおられる。
小生の様にワインを飲み慣れた人間なら、シェリーカスクは寧ろ歓迎となる可能性が高い。


シェリーカスクは今や貴重な物となっている。シェリー樽の供給がウィスキーの増産には追い付かない状態である。 スコッチというとシェリー樽というイメージをお持ちの御仁も多かろう。その始まりとしては、シェリーがスペインからイギリスまで樽で運ばれる事が多く、その空き樽の廃物利用が功を奏したという経緯があった。(註3
1970年にEC 域内での樽詰め状態での酒の輸出入が大幅に規制されて、運び用の樽が無くなったので、シェリー樽の供給が大幅に減った。

かくして、70年代以降バーボン樽の比率が一気に高まったが、その一方でシェリーの蔵に新品の樽を送ってシーズニングしてもらうという事が行われる様になった。シーズニングの際、質の劣るシェリーを何度も使いまわす所もあるらしい。更にはシェリーを煮詰めた物を代用品としてシーズニングで使い回すケースも以前はあった(90年代以降は禁止された)。
ワイン業界自体は拡大の一途を辿っていて、需要がうなぎ上りになるに従って、価格も高騰しまくりである。ただその中で、近年、シェリーの人気は伸びず、生産は落ち込んでいるらしい。これに伴い、シェリー樽の確保は非常に難しくなっているのが現状である。
シェリー樽の確保を狙った某サ〇〇リーが、シェリーのボデガ(bodegas)(註4)を買収したものの、その当ては見事に外れたらしい。



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jul. 2015)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



註1)使用品種や熟成の仕方等々で色々なタイプに分かれる。大別すると、Fino、Manzanilla、 Amontillado、Oloroso、Palo Cortado、Cream、Pedro Ximénez といった辺り。
註2)Pernod とRicard は両社ともpastis (パスティス)という種類のリキュールの有名メーカーだったが、1975年に合併してPernod-Ricard が発足。それから40年、今やDiageo と双璧をなす酒類業界の世界的最大手のコングロマリット。
註3)シェリーを樽に入れて運ぶ際、コモンオーク材の樽が使い捨て的に使われた。昔はコモンオークが安価だったためと思われる。
註4)ワイン醸造所をスペイン語ではbodegas という




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ