Dufftown 街角ミュージック

マイナーパワーがこの世を救う。今こそ日本を大和民族の手に取り戻せ!連綿と受け継がれる日本と大和民族を護ろう。 害人天国を~、ブッ壊す!

タグ:Provence

オールドボトルというと普通はウィスキーやブランデーを思い浮かべるであろう。ブレンディッドウィスキーやコニャックなら数年前まではそれなりの価格と頻度で手に入れられた。真面な状態のタマもそれなりにあったのである。それがここ2年位で相場は上昇して真面な状態のボトルも非常に少なくなってきてしまった。
そういう中、古い時代のヴェルモットも、好きな人なら見かけた際に入手しておきたいものである。オールドボトルならヴェルモットでも十分萌えというのは最早変態変節漢の域であろうが、そこは勿論価格と応相談でもある。
この酒の場合、大体が15~18度という度数にして基本が醸造酒なので、ウィスキー等のハードリカーに比べるとオールドボトルのリスクは更に大きい。この点については仕方が無いから、本当に「当たるも八卦当たらぬも八卦」という感じで買う様にしたい。


Vermouth(ヴェルモット)という酒は、主にイタリアフランスで作られていたが、スペインその他の国でも作られる物が増えている。そんな中には小規模生産で値も結構張る様な銘柄も登場して、今や1本5,000円を超える「高級品」まである。
イタリアだと、Cinzano(チンザノ)Martini(マルティニ)Carpano(カルパノ)Gancia(ガンチア)辺りがメジャー、フランスだとNoilly Prat(ノワイ・プラ)Dolin Chambéry(ドラン・シャンベリ)が有名で、Eyguebelle(エグベル=旧名Aiguebelle)なんてリキュールで有名な生産者の物もあった。

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左画像=CinzanoのDRY・750ml。かなり年季の入ったボトルなのは明らか。
ラベル下部にCaldbeck(コールドベック)なんて表記があって、輸入元も麹町にあったコールドベック(株)だった。しかも昭和の物である事を示すYマークと数字。Yマークは通関を通した場所が横浜である事を示す。(O=大阪、T=東京、K=神戸、N=名古屋)
正確な年代は判らないが、70年代若しくは80年代でも前半中盤と推認され、昭和の時代の亡霊であるのは確定。


右画像=Cinzanoのrosso・1000ml。一見して然程古い様に見えないが、調べると80年代若しくは90年代の代物と思われる。どの道この道20世紀の物である可能性は非常に高い。20世紀も遠くになりにけりと思ってしまうが、21世紀生れのタレントやスポーツ選手が登場してきているのが現実である。
Cinzanoも今世紀に入って妙な形のボトルに変ったり、ラベルを使わずプリントボトルになる等非常に安っぽい外観で、中身もグレードダウン。このシンプルなストレートシェイプ円筒形のボトルが非常に懐かしい、そして何つったってこの存在感もGoodだぜぃ!


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Noilly Pratのsweet・750mlボトル。90年代の物と思われる。ノイリープラットは英語読みでここでは野暮、フランスの品なのだからノワイ・プラと呼びたい。Noilly Pratがドライのイメージが非常に強いから、sweetを見かけるケースも少ない。
フランスのヴェルモットはイタリアのそれとは傾向が違う。ベースになるワインを押し出す傾向が強い様で、カクテルの材料というより、そのまま飲むのが最適解という物が多い様に見える。


この記事のボトルについては幸運にも1本が1000円もしなかったから博打としても安いものである。ブログのネタに出来た時点で元はかなり取れたのだろうか。

Vermouthという酒は抑々どういう物かというと、簡単に述べれば、ベースは基本的に白ワイン。そこに数種類~数十種類の香草・薬草類・スパイス等、更には糖分も加え、多少の酒精添加も行って造られるflavored wine(フレーバードワイン)になる。vermouthという名前はドイツ語でニガヨモギを著すwermut(ヴェルムート)に由来している。

味のタイプとしては、第1にdry(ドライ)・secco(セッコ)とか呼ばれる辛口で白ワインみたいな色合いのもので、フレンチの異名もある。第2に、rosso(ロッソ)・sweet(スウィート)と呼ばれるレンガ色で甘味と苦味が乗っているタイプ、別名イタリアン。
それからbianco(ビアンコ)・blanc(ブラン)と呼ばれる色はほぼ白ワインだが甘口のタイプ。更にはorangeとかroseなんていう甘口のタイプもある。ロッソ等の「色付き」の物の場合、その色はカラメル他の着色料で作られる。
ドライは元々南仏辺りで生まれた模様なのでフレンチの別名があり、ロッソはPiemonte(ピエモンテ)等の北イタリアで生まれたらしいのでイタリアンとも呼ばれる、(Cinzanoの発祥はTorino=トリノ)


この様に色々あるヴェルモットの中でも、小生のfavorateな銘柄はCarpanoのプレスティージュである、Antica Formula(アンティカ・フォーミュラ)。1000mlボトル1本で4000円を超えるが、〆に飲みたい酒で今もなかなか素晴らしい。是非ともこのオールドボトル(出来れば80年代若しくはそれ以前)を手に入れてみたいものである。



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フランス南部でもプロヴァンスのワインというと日本のマーケットでもマイナーな存在。現にこのブログでも中々取り上げる機会が無くこれで漸く3回目という状況である、ローヌは結構取り上げる回数も多いのにである。
プロヴァンス随一の銘醸であるBandol (バンドール)、その中でも虎ノ門のCave de Re-Lax や目黒のaVin (アヴァン)が推している作り手の作品を取り上げる。勿論このボトルも虎ノ門で購入したヤツである。
バンドールのワインはプロヴァンスに別荘を持つ様なセレブ上級市民達御用達みたいな部分があるので日本にはあまり回って来ない。更に蔵の方も近年は価格設定がかなり強気なので、結構高価になってしまう。


このAOC Bandol 自体は以下に挙げるエリアから構成される=Bandol、La Cadière d'Azur(ラ・カディエール・ダジュール)、Evenos(エヴノス)、Le Beausset(ル・ボーセ)、Sanary sur Mer(サナリ・シュル・メール)、Saint Cyr sur Mer(サン・シル・シュル・メール)、Le Castellet(ル・カストレ)、Ollioules(オリウール)の8か所である。Bandol の生産者というと、Tempier (タンピエ)・Pibarnon (ピバルノン)・Pradeaux (プラドー)というトリオが非常に有名なのだが、マイナーでもそいつ等に引けを取らない様な作り手も確実に存在するのである。

Bandol でも上述の La Cadière d'Azur に所在するこの Château Vannières(シャトー・ヴァニエール)も日本ではあまり知られていない様である。比較的標高の高い所に30ha程の畑を所有し植密度はha当りで5000本とこの地域の伝統的な数字。栽培から醸造に至るまでクラシックなやり方を採用し続けている様である。5世紀に渡って Boisseaux (ボワソー)家の下でワイン造りを続けているというバンドールを代表する名門で、現在は当主Eric (エリック)と Charles-Eric (シャルル・エリック)という Boisseaux 親子が中心になってワインを作っている。

赤ワインはMourvèdre (ムールヴェドル)95%に Grenache(グルナッシュ)5%という構成で作られている。この事からもかなり頑強な長熟形ワインである事が容易に想像出来る。AOC 規定ではムールヴェドルは50%以上100%未満であれば良く(100%使用は禁止されている)、同種の比率を60~70%程度に抑えている蔵も多いが、敢えて95%までに上げているのは珍しいと思われる。そんな所にもボワソー家の並々ならぬ拘り+プライドが見て取れる。

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ワイン自体のインプレッションに入る。

先ず色についてだが、レンガ色の微かに入ったガーネットで結構暗め。クリアネスも艶もしっかりあって美しい色合いである。
拾い出せた香味のエレメンツを挙げて行くと…
第1グループはリコリス昔のFernet 系、ラプサンスーチョン、Earl Greycrème de moca
そこから遅れて途中から第2グループとしてはプルーン、ハスカップ、ブルーベリー、ブラックチェリー、干し葡萄、胡椒、
腐葉土、乾式葉巻、煎ったカカオ
更に端役的クラスターとしては乾燥セップ茸、トリュフ、
野薔薇、赤スグリ花椒、丁子、タイム

タンニンはまだまだ思いっきり主張してくる。ただ嫌みのある出方ではないからその質は良好に見える。舌の上ではズシっと締まったフィーリングもある。またそんな所がMourvèdreなのであろう。
タンニンに隠れがちだが、酸もかなり綺麗でしっかりして力を感じさせる。各要素はキレイに溶け込み重合感もナイス。肌理も細かく美しく整っている。


フィニッシュは大きく盛り上がるという訳ではなく、一寸スッとしている様に見えるのはどうかと思うものの、全体としてシームレス+ステディで、その長さはしっかり確保されている。

最後にスコアリングの結果だが…、18 / 20 は普通にやってイイ。
21年経ってもまだ硬さが少々目立って内向的な部分もある。相当な頑強さを持つワインなので、20年位では神髄を発揮するには時間が足りないというのだろうか?(テイスティングは2019年末)




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今回登場のDomaine Trévallon(ドメーヌ・トレヴァロン)、このドメーヌのロケーションはアヴィニョン(Avignon)から南に約25km行った辺りの Saint-Etienne-du-Grès(サンテティエンヌ・デュ・グレ)という村である。
この蔵の歴史だが、René Durrbach (ルネ・デュルバッハ)が1955年に60ha程の土地を購入、その後1973年に息子の Eloi (エロア=現当主)がその土地を開墾し葡萄を植えはじめたのが始まり。
ここのワイン作りの特徴としては除梗無しの全房発酵で自然酵母使用、収量も25hl / ha以下というかなりの低収量を維持して Cabernet Sauvignon (pre phylloxera)+ Syrah (from Rayas)で作る赤Rousanne + Chardonnay という白を生産している。赤ワインは90%が大樽・10%のみがバリックで約2年間熟成、澱引きと清澄は行うがフィルターは掛けない。白については80%新樽・20%古樽で樽発酵を行いその後1年程樽熟成を行いボトリング。
1977年が初ヴィンテージだが、1990年頃には彼方此方から引き合いが来るようになりそこからの輝かしい歩みはご存知のワインファンも多かろう。
今回フィーチャーするのはこのドメーヌの1999年だが、これは開祖であるルネが享年89で死去した年である。


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ここからはワインのインプレッションに入る事とする。
先ずはカラーの方だが、エッジにレンガ色の入りかけたガーネット

実を言うとこのボトル、残念ながら少々ブショネの痕跡があったので、そこを差し引いてのインプレッションをするのは結構キツかった。それでも開始から60分程度でブショネ感は軽減されていた。


見出したエレメンツだが、まず前面に出て来るものとしてはプルーン、ハスカップ、ブラックベリークミン、楠、墨汁、リコリス
続いてローズマリー、オレガノ(生)ブラックチェリーcrème de cacaoリエージュシロップ

更にサブ的な要素として苺、ラズベリーDrambuie、カラメル、クローブ、セミスウィートチョコローレルラヴェンダーカシスといった所が出て来た。
果実味もフレッシュでストレートなそれではなく、煮込んで熟成させた感じの出方である


そのボディに於ける溶け込み感、伸びやかさ、広がりといったものは十分以上で、そこには引っ掛かりや厭味、不自然さは全くという程無い。力強く突き刺さる部分はないがステディに五感に染み入って行く。そして無論の事、「長さ」もしっかり取られている


20年弱の熟成を経ているこのワインは口に含むと甘美な液体への変貌がかなり進んできているのが判る。それでも酸とタンニンはまだまだ細やかでいながらしっかり主張している。ブルゴーニュのピノ・北ローヌのシラーを足して2で割った様な流れ方で、返りがドンドン伸びる様になって少々クラクラさせてくる場面もあった。
カベソー+シラーというと新大陸系の Cabernet-Shiraz なヤツを思い浮かべてしまう御仁も多かろうが、それとは真逆の存在である。
1977年 Vt の1st リリース以来、全房発酵を貫いていて、印象としてはプレスも殆ど掛けていないものと考えられる。(フリーランほぼほぼ100%)クラシックで自然にして誠実な作りだから、厭味が無いという事を如実に示している。やはりそこはプロヴァンスの名を高めたスターである。小生としてはこの時代に抗いながらブレの無いワイン作りを長く続けて頂きたいと願う所存である。
このボトルを購入した10年以上前は6000円程度で買えたのだが、今や10000円を伺う様なプライスになってしまったのはかな C


いつもの様にスコアリングした結果は… 18.5 / 20 これ位は献上出来るだろうか?




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pradeaux97b1997というとフランスワインについては、一部を除いて難が多く、総体的にあまり評価は良くない。

ただ、そういう中に於いて、Bandol を含むプロヴァンス(Provence)一帯は非常に良い出来だったと聞いて、一昨年に買ってみた。
Bandol といえば、中心品種はMourvèdre であり、この葡萄の特性上、結構な忍耐を強いるワインと言えるであろう。そして、このCh. Pradeaux やDom. Tempier は有名な作り手である。


色はやや赤茶が交りかけたガーネット 薬草系リキュール類、昔のベルモットロッソなめし皮、邪門紅茶、リコリス、シナモン、ビターチョコ、エスプレッソリキュール、クローブ、クミンチェリーブランデーブラックベリー等の黒果実類ラズベリー等の赤果実類。赤系と黒系がポジションチェンジしながら入り混じる。

時間経過と共に、厚みも出て来る。まだ結構タニックな所があり酸もしっかり主張する、和三盆的な甘さを感じさせる果実感が感じられる。出汁の効いた感じが出て来ていて、且つ梅酒の様な喉越しもある。各要素の溶け込みは良くシームレスな躯体になっていてバランスとしてはかなり良い、ワインらしいワイン。少々残念なのは、フィニッシュにややドライな一面があり、アフターがmedium long という点。

Les Meilleurs Vins de France
風に点を付けるとするなら…、17.5/20


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(2015年1月)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。




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