古い話になるが、小生の幼少時代=1970年代というと、東京や大阪でも片開き扉の通勤型電車を頻繁に見る事が出来た。又当然の如く、それらの殆どは鋼製車体であった。
その時の小生は正直、片開き扉というとダサい、古臭い、田舎じみているというイメージしか持てなかった。
その時代、国鉄の主要路線を走る通勤・近郊型で片開き扉は存在していなかった。片開き扉は私鉄にまだまだ多かったのであった。ざっと挙げてみると、京王5000系、2000系、3000系(第1、2編成のみ)、京急1000形(先代)400形700形(2代)西武351系、501系、東急5000系、小田急2200形京成3000~3150形(所謂赤電シリーズ)、京阪1900系、阪神7801/7901形(1次車)、3301/3501形…、こんなあたりだろうか。


 「両開きって下品な感じがする、片開きの方が上品に見える」これは小学校時代の同級生が小生に言った一言だが、何故か今も忘れられない。
確かに特急型や急行型は片開き扉又は片折戸を採用していたし、今でもJR・各私鉄の特急用車には片開き扉が圧倒的に多いからこの見方も判らぬではない。 両開きの方が開閉のスピードは稼げるから、乗降時間も短縮出来る。(間口の幅が同じ場合)これが現代の鉄道界の常識(


小生が中学生になった1980年代に入るとさすがに、片開き扉の車両達は数を減らして行き(一部は地方私鉄に譲渡されたが)、90年代になると殆ど見掛けなくなった。
最大で356両という大所帯を誇り、近年までしぶとく残った京急1000形(初代)も、2010年6月に姿を消した。上述の鉄道界の「常識」に最後まで異議を唱えていたのはこの京急であったが、1985年登場の1500形以降は両開き扉に「改宗」した
ここで在りし日の初代1000形の画像を載せる。何れも2008~2009年にかけて撮影したもの。


kq1309@ktsn

京急110周年記念ありがとうギャラリー号となった1309編成(6連)
2008年2月から同年末まで、1950・60年代の塗装に変えられて最期の時を過ごした
戦前の塗装をフィーチャーした歴史ギャラリー号=1321編成4連も存在したが、こちらを押える事は叶わず。


kq1345@sng01

画像の一部が欠けているが、当時使用していたK-20 では時々起きていたトラブル。この機械では他にもSDカード内にお化け領域が出来たり使い易いボディとは言えなかった。
 
kq1363@sng01

普通新逗子行きというのが懐かしい。
品川で見る普通は金沢文庫、浦賀、神奈川新町又は京急蒲田行きが殆どである。


実を言うと、初代1000形を撮った画像はこれ位しかない。今でこそ京急目当てに横横を飛ばして三浦の方にまで繰り出す事もある小生だが、この時期は馬込坂で 500系 を撮った序に品川界隈で京急を撮影したのが何回かあるという程度だったからである。


さて、西日本に目を移すと…
何と言っても、塩害大王の名を欲しい儘にした?南海7000系が終焉を迎えたのが記憶に新しい。


小生もその最後の雄姿を捉えようと5月に大阪まで足を運んだ。その時点で残存は4連4本・2連3本のみで、しかも4連1本が旧塗装に戻るために入場していた事もあり、逢える確率はさらに低くなっていた。遠征2日目の朝、鶴原に向かったが、7000系を撮影出来たのは結局この1本だけだった。8両の内、後4両は7100系というオチまで付いてしまった。(関連記事はこちら
 
nk7049@tshr01

先頭2丁パンタが貫録を醸し出して何とも嬉しい!
南海では先頭2丁パンタは少数派で、この秋の7000系引退で南海線では1000系のみになってしまった。 この後梅雨明け後の夏にリベンジマッチをと思い帰京したが、何やらエルニーニョと中国人に阻まれた格好になってしまい、それは叶わなかった。
先ず、何と言っても宿が取れない!京阪神地域のホテルは夏場は盆休みと高校野球があるから取り難い事が多いのに、今は爆買い中国人に占拠されている状態が続いている。夜行バスまで取り難い。
そこに加えて、8月下旬からは天候不順が続きそのまま9月まで傾れ込んだ形になって其のままタイムアップ…、てなわけでこの画像が小生にとって7000系の唯一のショットになってしまった。


「こんな事言うんなら、前からもっとしっかり撮りに行かんかい! 」
と言われたら反論は出来ひんけど、「こんなネタでも無ければ南海なんかわざわざ撮りに行くかい!」というのも御尤も。
そして今、大手私鉄の鋼製片開き扉通勤車で生き残っているのはこれだけである。

 
kq821@sng01

上述の「常識」に抗い続けた京急の珍作品?現・800形である。何が珍作品かと云えば、達磨とも呼ばれるこのルックスに加えて18m車体に4扉という仕様である。
「片開きでもドア数増やせば上場時間は短縮できるだろ!」という当時の京急の論理に基づいて誕生したのであった。登場した1978年は創業80周年に当たるという理由で800形と命名されたらしい


この800形は少しずつダラダラと製造されたので、最終製造は1986年であるから辛うじて20代の車両もある。
同期デビューに当るVISTA-EX こと近鉄30000系はリニューアルされてまだまだ走り続ける公算が高いが、その一方京急800形は廃車が進行中で、70年代製造の車は殆ど残っていない。18m4ドアという車体も災いしてあと数年内にも消える可能性が高いと思われる。 片開きドアというと、この車を思い出す御仁も多いのではないか?


nk6029@abkm01

鉄道界のブギーマンこと南海6000系! 
片開きドアだが、鋼製ではなくステンレスボディ、残念~っ!
1962年の登場から50年以上経った今も廃車どころか他社譲渡も無し! 
72両が高野線の主力を担っている。同い年に当る松田聖子の様な華やかさも美しさも無いが、乗車するとクラシックな風格と奇跡のオーラすら感じるから不思議である。(先々月も難波から堺東まで乗車出来た 



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Dec. 2015)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



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