dullan100n1Glendullan(グレンデュラン)といってもピンと来ない御仁も多かろうが、有名なOld Parr のメインモルトといえばお分かり頂けるであろうか。又、現在のSingleton 北米向けの正体はこの蒸留所。 (
1980年代まではシングルモルトとしての流通もそれなりにあったが、旧United Distillers の戦略見直しがあって以降、専らブレンデッド・ウィスキーの原酒に回る様になり、モルトウィスキーとして見かける機会少なくなった。
そのGlendullan 創業100周年記念ボトルが1998年に2種類出ていたが、これはそのうちの一つ。(もう一つは65.9%というもの)


色はストローとゴールドの中間という感じか さすが62.6%、暴力的ハイプルーフでアルコール爆裂、…ではない!。
最初はビターオレンジグレープフルーツ。次にCognacエスプレッソ、粕取りブランデー(MarcやGrappaみたいな奴)。その後、微かに赤系果実類(ラズベリー、苺、レッドチェリー等)。更に舌の上ではトロピカルフルーツタルトを時折発する。


基本的にオイリーさがやや目立つ、アルコール感の出方は思いの外綺麗であるが、僅かにセメダイン的なニュアンスも出してくる。モルト感、麦感は強めで、これが強いアルコールと融合する様にフィニッシュにかけて厚みを増す。
一寸野暮ったくも感じられる場面もあったが、そこはGlendullan らしさでもある。


総体的には、かなり力強くかつwell balanced、かなり良く出来ていて飽きが来ない酒でもあると言えよう。ただ、余韻の方がmedium long というレベルなのが玉に傷か。

Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点と付けるとすれば…、17.5/20

Glendullan Distillery
1897年にWilliam Williams & sons の手によって創業。1902年イギリス国王Edward 7世のお気に入りとなる。 1926年にD.C.L. の傘下となり、1939年にはS.M.D. の一員になる。無論現在はDiageo の一員。
1960年代から設備の近代化を進め、1972年には設備の新設追加も行ったが、1985年に旧蒸留施設を閉鎖し売店等に転用。現在は72年に建てられた設備内の3対=6基のスティルから約370万リットルの年間生産量を誇る。 所謂「7 stills of Dufftown=Dufftown の7つの蒸留所」の一角を占める。 (残りの6つ=Dufftown、Glenfiddich、Balvenie、Mortlach、Pittyvaich、Convalmore これらに加えてParkmore、Kininvieを含める事もある。)


(註)EU 向けにはDufftown、日本向けではAuchroiskが使われている




※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Apr. 2014)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

画面右側の各種ランキングに参加しております。御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。