名鉄モ510形といえば、 "丸窓電車" として有名だったあの車である。
私はこの車の現役の時の姿を一度も見る事が出来なかったが、今は岐阜市の中心部にある金公園(こがねこうえん)で静態保存されている513号車を手軽に拝める。

 
mt513e

このショットは2008年7月上旬に岐阜を訪れた際に撮ったもので、この時は見ての通り、パンタを上げた状態だった。K20D で撮影、パンタも一応抜けている。

mt513@gif01n

ここからは2012年9月中旬にこの地を再訪した時のショットになる。機材は勿論 K-5。
前回は曇りで光線状態ははっきりしなかったが、基本的に午前順光と判った。ただ、パンタは下げられてしまっていた。


この車が産声を挙げたのは1926年で、「大正生まれの丸窓電車」とも呼ばれる所以である。1923年に木造ボギー車DB505形=後の520形が登場した後を追う様に、美濃電気軌道セミボ510形として日本車輛製造にて5両が製造された。
セミボはセミスティール・ボギーの略で、半鋼製であったという事である。設計は20世紀初頭にアメリカで流行ったInterurban(インターアーバン)のスタイルを踏襲したとされる。 美濃電気軌道は企業合併により、1930年に名岐鉄道に編入される。鉄道線で使用されていたが、それを機に美濃町線に転属。


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1935年に名岐鉄道は名古屋鉄道に。モ510形になったのは1941年。1967年からは520形と共に揖斐・谷汲線・岐阜市内線直通急行運用に就く。
1960・70年代にかけて各種改造改良が繰り返される。 1980年代に入ると老朽化・陳腐化が激しくなった事もあって、1988年までに520形は全車が、510形も2両が廃車になる。
その中でも、残った3両は鉄道友の会エバーグリーン賞を獲得する。「古希」に達した1997年に定期運用から離脱するも、その後イベント列車などで走る。


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2001年に谷汲線が、2005年3月31日に美濃町線・田神線・岐阜市内線・揖斐線が廃止されると(600V 区間消滅)、最後まで残った2両も運命を共にして、79年の歩みに終止符を打った。
尚、製造された5両のうち、512~515の計4両は静態保存されている。512=旧美濃駅(美濃市)、513=金公園
514=旧谷汲駅(揖斐川町)、515=オールドスパゲッティファクトリー名古屋店内(名古屋市南区)


※2019年11月に一部画像差し替え

※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Feb. 2013)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



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