李登輝の話も最初は3回位で切り上げるつもりでいたが、只今の時点で其の八。まだ数回は出来そうだ。
さて、2020年1月11日の事になるが、その日は台湾総統選挙だった。現職である蔡英文(さいえいぶん・Ts'ai Ing-wen)=民進党が再選を果たした。得票率も60%に迫る圧勝だった。
当時、日本のマスコミは殆ど注目しなかったが、米中対立が激化している中では現代アジアの「関ヶ原の決戦」ともいうべき大事な選挙だったのだ。


中共としては親中政党である国民党(中国との統一を綱領に書いている)に政権を取らせて台湾を事実上手に入れようと裏では選挙の度に色々な工作を仕掛けて来た。去年11月の地方選挙でもそうだったが、サイバー攻撃、金銭による買収、フェイクニュースを流して世論を中共寄りに捻じ曲げさせ選挙に介入しようと仕掛けている。
台湾が中共に寝返ってしまえと、アメリカのアジア戦略も大打撃を受けるどころか崩壊する。日本もアジア全体も中共に制圧されてしまうのは間違いない。
台湾の選挙はアジアの行く末を左右するだけの意義を持ってしまっている。


しかし、そんな状況下でも蔡英文はきっちり圧勝した。
李登輝にしてみれば、蔡英文は自分が見出した愛弟子。彼女が再選を果たした事はこれ以上ない冥土の土産になったのかも知れない。


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これから烏龍茶といえば台湾という時代が来るかもしれない

2000年の総統選に勝って民進党初めての政権の立役者になった陳水扁(ちんすいへん・Chen Shui-bian)なのだが、国民党と中獄凶産党の工作に嵌る様にしてスキャンダル連発となり、2008年の退任後に逮捕され今も形の上では服役中である。(病気療養の為仮釈放中)
当然、この2008年に民進党は政権を失った。蔡英文・民進党サイドはその時の悔しさを忘れていないだろう。2018年の統一地方選でも民進党は大敗したが、風向きは完全に変わり総統選は圧勝。これはトランプ様様みたいな部分はあるが、勿論、中凶への警戒感もドンドン増して行くであろう。


陳水扁も元々李登輝の弟子の様な存在だった。しかし総統2期目からスキャンダル連発になった陳水扁を李登輝が批判し袂を別つ形になった。2018年1月、陳水扁は療養のため仮釈放中となっていて、息子等を伴い李登輝の許を訪れた。こうして約12年振りの会談が実現し和解を果たした。
その際に李登輝が出した言葉は旧約聖書19章11節にある「悟りは人に怒りを忍ばせる、過ちをゆるすのは人の誉である」というものだった。



8月15日の高雄市市長補欠選挙も大きかった。
リコールと書いたが、リコールされたのは国民党の市長で同党一番の人気を誇る韓国瑜(かんこくゆ・Han Kuo-yu)
2018年の統一地方選挙で民進党が強いとされる高雄で圧勝。高雄で国民党の市長というのはある意味快挙だったが、国民党としては糠喜びみたいな形になってしまった。それどころかこれからの弱体化の兆候が見えてしまった。
ではこの韓国瑜という市長(とても禿げている)、何故リコールされたかというと、これがまた酷い話。当選直後に次期総統選挙への出馬を決め、総統選に国民党候補として出馬したその為か、市長らしい仕事はほとんどせず、夜な夜な飲んだくれた挙句に昼頃二日酔いで登庁するのはザラ。市議会に出て来たのも何と2回だけ、そこでも答弁らしい答弁はせず。


中国大陸の奴の末裔らしいと言えばそれまでだが、総統選敗北後に市長職に復帰したら待っていたのはリコールだった。ただでさえも中凶寄りな発言が目立っていた所に、2019年からの香港の惨劇が重なると高雄市民の支持を失ったのは当然だったと思われる。さすがにそれでは市民の怒りを買いリコールされるのも当然だったのだろう。
結局、補選は民進党の陳其邁(ちんきまい・Chen Chi-mai)がリベンジを果たした。投票率は42%だったが、陳氏の得票率は70%に達した。国民党は韓氏の人気に依存する状態が顕わになり、韓氏シンパとそうでない人々との間に隙間風が吹いて党自体が弱体化するとも考えられる。


其の九へと続く!



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