香港情勢の話の続きになる。
これに関して諸外国も先進国を中心に中国に対して警告を発する若しくは制裁を行う準備に入っている。
1997年の返還当時から香港が中国化させられるという懸念は強く、返還の頃は香港を去って他所に移った人も多かった。それから20有余年、その懸念は当たったという事なのだろうか?


kawgcherry01
「桜の何とかが~ぁ」とか言っている日本政界は御花畑!


イギリス及び大英連邦加盟国は既に共同で中国に対して警告を発している。
オーストラリアは中獄と結んでいた人権協約を破棄した。


香港は勿論近世からイギリスが植民地にしていた場所。アヘン戦争の結果、1842年8月に香港島が清朝から割譲され、1860年にはアロー戦争の結果を受けた天津条約の追加で結ばれた北京条約で九龍半島の南半分をイギリスが獲得。1898年に所謂新界地域を99年間租借する事に成功した。1941年12月に太平洋戦争が勃発すると、日本軍がイギリス軍を追い出して日本の支配下となった。終戦後は再びイギリスの植民地に戻された。租借期限が近付き始めた1970~80年代、強硬な態度で租借と領有の延長を狙ったイギリス側だが、中国の抵抗にあって断念。結局は1984年の中英共同声明によって1997年7月1日に香港の一括返還が決まった。

その中の最重要ポイントが「一国二制度」である。返還から50年は資本主義体制を敷き、社会主義政策を採らない事、香港の最高責任者は選挙若しくは協議で決める事等が盛り込まれた。
今の中国はこの約束を反故にしようとしているのは明らか、今がチャンスと言わんばかりに香港を中獄凶産党の完全支配下に置くべく仕掛けている。その先は当然、これを台湾の武力解放への布石にする事である。
これに対して、中国は一国二制度を受け入れた以上、香港の司法権は独立性を保って民主主義が保証されなければならない。これがアメリカの主張。



ここで、一国二制度を約束させたイギリス側はこれをどう考えているのだろうか?
それなりに英国は責任をもって臨むべきとも思われるが、現実にそんな能力が今のイギリスにあるとは思えない。何せ、ブレグジットと総選挙で手一杯、香港どころではない。


アメリカでは国務長官のM.ポンペオ(Michael Pompeo)が緊急声明を発して、「この事態には香港政府が対処せよ、暴力では解決しない。」それが出来なければアメリカがこの先断固たる処置を取るという趣旨のものだった。中国香港共々世界の金融市場から締め出す様な奥の手があり得る。
そこで香港人権民主主義法案が一昨日上院で可決されたが、10月に下院で可決されたものと上院可決のものが細部で違うので、両院協議にかけて最終版を両院で可決するというプロセスが残っている。


ここで中国と進めていた貿易交渉の第一段階が合意直前で来月上旬にも両国が署名する手筈だった。その香港法案だが、来年の大統領選挙との兼ね合いもあって大統領署名は不透明。その一方で貿易交渉合意もこの法案可決によって不透明になってきた。トランプ側もこれにはディレンマを抱えているのである。

香港の政治自体にも問題があって、人口700万人に対して選挙権を持っているのは極めて裕福な上位1000人程度とされ、市民の参政権は厳しく制限されているというのも事実である。そこが又今回加油しているものと思われる。記憶している方も多いかも知れないが、2005年にも大規模な民主化デモが起きている。
香港の独自のプレゼンスは本来、自由主義、資本主義、司法の独立性プラス民主主義によって裏付けられて発揮出来る筈なのである。


この記事を書いている間にも事態が大きく動く可能性は否定出来ないが、仮に人民解放軍による武力解放なんて事態になったら最悪過ぎで、第三次世界大戦の事実上のゴングになるかも知れない。
そこまで行かないとしても事態の推移によっては、香港がその存在価値を失ってしまって終了状態になる可能性は高い。中国諸共制裁の対象にされたら、香港は即刻「沈没する」可能性もある。
香港金融市場からも資金の引き上げが続いている模様で、金融や商業に携わる人達を中心に人口流出が止まらなくなる危険性もある。
完全に中国になった香港には何の価値があるのだろうか?、とはいっても自由な香港として独自の存在感を示し続けたその姿を取り戻せる可能性は残念ながら低いと言わざるを得ない。


中国が世界に歩み寄るなんて期待してた奴等はバカw、世界が中国に染められてきているのが現実。
今こそ人類世界の中国化にガチで抵抗しなければならない
香港の事態を本気で取り上げない日本の大手メディア、更には何もアクションを起こさないどころか習近平を国賓として呼ぶなんて事をぬかしているこの国の政・財・官界は腐っていると言われても反論出来まい。世界が寄って集って中獄を甘やかし肥大させ続けた重大な結果の一つがコレ。




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