先月大阪に赴いた際のネタになるが、西天満にあるこの店を久方ぶりに訪れた。そこで日本では殆ど入手不能なボトルを見掛けたのでオーダーした。
このラベルが数年前に別の店で出逢ったボトルと似ていた。Springbank Society Menbership 会員用(50ポンドで会員資格生涯有効!)のボトルではないかと思って確認がてら訊いてみると、違った


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今年5月24・25日に行われた Campbeltown Malts Festival 2018 というフェス記念ボトルだったというのである。キャンベルタウンのフェスなんて小生には初耳だった。
この店のオーナーがスコットランドに行った際に「こんなイベントやってるよ」的なノリで紹介されて足を運んでこの 2 本を手に入れたらしい。


そこで調べてみると、今年で 10回目を迎えていたのだった。Fes. といっても野外ステージで長時間音楽で盛り上がる類のものではない。ウィスキーのフェスなので、セミナーやテイスティングが幾つもあるというものである。
ウィスキーでフェスというと Islay Fes. (アイラ・フェス)が有名で、その記念ボトリングは毎年話題になる。しかもここ数年は来場者が増えすぎて現地では問題になっている程である。
この手のイベントは近年増えている様で、Speyside (スペイサイド)にも " Spirit of Speyside Whisky Festival " が存在する。(2006年から毎年5月上旬開催)
Speyside や Islay なら産地としての知名度や人気もあるし、蒸留所の数からいってもネタは豊富だろう。


キャンベルタウンなんていうと、人口5000人程度の寂れた小さな港町で存在する蒸留所も3箇所だけ。100年以上前なら約30箇所の蒸留所が林立しウィスキーの都ともいう場所の一つだった。しかし英国国内での禁酒運動、アメリカでの禁酒法施行等で大打撃を喰らい、その後は粗悪な製品が横行してこの町のウィスキー産業は廃れてしまった。更にはこの町を支えた炭鉱・漁業・造船等の産業も悉く衰退し、今や陸の孤島と呼ばれる破目に
今でこそSpringbank(スプリングバンク)Glen Scotia(グレン・スコシア)Glengyle (グレンガイル)の3つが操業しているが、1980年代にはスプリングバンク1軒だけが操業していたという時代もあった。


モルトウィスキーを生産している場所なんて、何処も片田舎である。そんな所に世界中から沢山の参加者が集結したら、各種のインフラがパンクする等の問題が起きる可能性は高い。それでも、折からの世界的なウィスキーの需要増大をバックにこの手のイベントが更に増える可能性は高いと考えられる。



~この2本のインプレッション~

左画像=Hazelburn 2007 10yo 59.6% refill Marsala hogshead
Hazelburn(ヘイゼルバーン)なんて、そもそもイメージが湧き難い。Springbank の3回蒸留ヴァージョンではあるが、これといった基準になるイメージが小生には無い。シェリーではなく、マルサラかなぁ~と思わせる樽のニュアンスと、3回蒸留っぽいタッチが彼方此方に感じられる。こんな感じでしか表現し様が無い。
Marsala はイタリアはシチリアのフォーティファイド・ワインとして有名だが、その基本的ニュアンスすら判らないという場合はお手上げかも知れない。


右画像=Longrow 2005 13yo 58.7% refill Port cask
Longrow (ロングロウ)はいうまでも無く、Springbank のピート効かせたヴァージョン。
このボトル、ポート樽熟成といってもこちらもリフィル(2回目の樽)なのでそこから来るニュアンスは多くない。全体的にロングロウのイメージにかなり忠実と考えられる。
酒精強化ワイン系の樽を使った Longrow には結構上手く纏ってそこそこ綺麗な物が多いという小生の印象である。ピートと樽、そして本来のブリニーな部分が上手くバランスしてしまう事が多いのだろうか?

因みに、このイベント記念ボトルとしては Glen Scotia (グレンスコシア)からもリリースがあった模様である。





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