久方ぶりとなるウィスキーのネタ。今回は去年4月に神戸の言わずと知れた名店 Bar Main Malt で頂いた一杯をご紹介したい。

Glenturret (グレンタレット)と言えば、以前はタウザーという名の猫がいたので有名だったが、蒸留所自体はマイナーである。
正式には1775年に創業だが、実際は1717年から密造していたとされる。当初は Hosh という名前だったが19世紀末に Glenturret に改名。その後オーナー交代を数回経て20世紀に入ると、アメリカで禁酒法が施行された影響で1920年代に閉鎖され、それから約30年の沈黙を経て James Fairly という愛好家の下で1957年に再開。(今でいう小規模クラフト蒸留所みたいな感じだったか)
1981年にCointreau (コアントロ)に買収され、1990年からはHighland Distillers(ハイランド・ディスティラーズ)、1999年からはEdrington Group (エドリントン・グループ)傘下になっている。(Macallan やHighland Park と同じ仲間になったという事)
有名ブレンディドウィスキーの Famous Grouse (フェイマス・グラウス)の主要原酒の供給源であるが、この蒸留所の生産量自体が少なく、更には2002年に F. グラウスのヴィジターセンター " The Famous Grouse Experience " が作られると、こちらの方がメインになってしまって益々蔭が薄くなっている。
このボトルは新宿のBar Caruso(カルーソ)と自由が丘Speysideway (スペイサイドウェイ)というウィスキーファン御馴染の有名店 2件によるプライヴェイトボトリングである。


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色は若干浅めのゴールド
グレープフルーツオレンジ焼き林檎洋梨カラメル
financier、tarte d’amandecrème patisiere
framboise、groseille、苺黄桃白桃ミラベル、焼きバナナ

更に続いては吟醸酒、熟成純米酒、vin jaune註1)、ChampagneMeursault註2)、Bonnezeaux 註3)、グラッシーなタッチ


最初は多少の収斂性と硬さを見せるが、やがてモルトの膨らみが出てきて円やかになる。
日本酒的なフィーリングが結構あるのと同時に、Chardonnay (シャルドネ)系のものを始めとして色々な所の白ワインを想起させるという大変ユニークな展開が楽しめた。

48度という割にはコシもしっかりしているが、これでアフターにかけての盛り上がりとノビという点はショボい訳ではないが、今一つ足りない様に思われた。
何やらかんやら言うても、これが70年代蒸留の底力だと納得出来る出来栄えで、80年代以降蒸留のものでは長熟させてもここまで行かないかも知れない。

仮に Les Meilleurs Vin de France 的な感じでスコアリングするのであれば・・・ 17.5 or 18 / 20




註1)ジュラ地方の銘醸ワインの一つで、Savagnin(サヴァニャン)種100%でつくられる特殊なワインで、非常に長熟なワインとしても有名。
註2)ブルゴーニュを代表する白ワインの一つで、基本的にはChardonnay 種で作られる。ナッツ類とミネラルのニュアンスが強めで、全体的にグラマラスな躯体を持つ傾向があるとされる。
註3)Chenin Blanc (シュナン・ブラン)種で作られ、Loire (ロワール)3大貴腐ワインの一角を占める。Anjou-Saumur (アンジュ・ソミュール)地区の甘口ワイン産地である Coteaux du Layon(コトー・デュ・レヨン) の上位のAOC に認定されている



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