Dufftown 街角ミュージック

穏健主義の波とマイナーパワーがこの世を救う

タグ:Islay

先日、大阪に赴いた際に北新地の この店 で頂いたボトルを紹介しよう。Islay(アイラ)のモルトをじっくりテイスティングするなんて何時以来だろうと思いながらの1杯だった。
この店、この春以降はアイリッシュの品揃えを急速に増やしていて、スコッチは隅に追い遣られつつある様にも見えるが、一体何時開けたんかいなと思う様な一寸懐かしいボトルも結構残っている。

今回登場の Caol Ila(カリラ)といえば、アイラ島北東部に位置して同島では最大規模を誇る。それ故か所謂ボトラーズ物でもリリースされる数はある方である。
Douglas of Drumlaing(ダグラス・オヴ・ドラムレイン)は有名ボトラーの Douglas Laing(ダグラス・レイン )の系列ブランドである。



cail79dldl624a
色は中間的な明度のゴールド

1979はこの蒸留所の黄金期、70年代終盤から80年代初頭は傑作に恵まれているので、このボトルにも当然の如く期待は高まる。

Caol Ila らしくピートの薫煙香とヨード、磯の香りから始まるが、これ自体はあまり強くない。アイラ的な臭さは予想より穏やかで、殆ど感じられない場面すらあって、拍子抜けした感すらあった。
ただ、そんな所もアイラの中では元々比較的中庸なキャラだったこの蒸留所なら許されるのか。

肝心の香味のエレメントを拾って行くと…
黄桃ミラベル焼き林檎胡桃ヘーゼルナッツアーモンドマーマレードグレープフルーツ(赤)梅酒パインパパイア
更にはサンダルウッドパチョリヘリクリサムのアロマ、シナモン、そして微かにリエージュシロップ

特筆すべきは上質の出汁を想起させるようなシームレスで上品な旨味感が盛り上がりを見せて来る事であろうか。非常にインプレッシヴですらある。
しっかりしていて豊か、そしてウォーム、流麗な美しい液体、勿論長さも十分以上


開けてから相当な日数(年月?)が経っているが、その事で色々な要素がしっかり感じられる状態まで開いていたのはラッキーだったかも知れない。その一方でアイラ臭さがその間に飛んでしまった可能性は否定出来ない。この62.4度という超ハイプルーフが故に、開けてから固く閉じこもった状態が結構続いていたらしい。
もっと「アイラ臭かったら」言う事無しだったのに…と少々悔やんでしまう小生である。


そういった事も鑑みつつLes Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら… 18.5 / 20



)1948年に創業した独立瓶詰業者で、その前身は海運業者だった。シングルモルトの " Old Malt Casks "、
" Old and Rare Platinum " 等のシリーズ、ブレンディド・ウィスキーでは King of Scots、McGibbon's 等の製品達で有名
2013年に将来の世代交代を睨んでという事で Stewart Laing(スチュワート・レイン=兄)、Fred Laing(フレッド・レイン=弟)の兄弟で会社を分割。兄は Hunter Laing(ハンター・レイン)を設立し独立。D. Laing は弟のフレッドが経営。




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近年大人気で品薄のIslay 島(アイラ)のウイスキーだが、此の島のウイスキーは一般的に、ピーティーでスモーキー(要するに、主に泥炭由来の強い燻煙香があるという事)というイメージがある。それがやたら受けるのか、価格高騰も激しく入手困難な傾向も強まっている。
アイラなんて淡路島程度の大きさで、蒸留所も現在8ヶ所しかない上に小規模な所が多く、生産量にも限界がある。この島のウイスキーの代表選手として一番人気なのは、 Ardbeg (アードベッグ) という事になるのであろう。

今のこの人気沸騰ぶりは20年前を思うと信じられないものがあるのではないか。 1979年から97年の間は苦境に立たされ、生産停止も経験し、年産数万リットル程度の細々とした活動を強いられた時も長かった。
アードベッグ自体の規模が小さく、蒸留機も一対のみ。今は超頑張って年産110万リットル(アルコール換算)を維持しているが、世界的人気には全く追いつかない。よって、ボトラーズから出る事は少ないし、出ても恐ろしい価格だったりする。
 

smws33133a先日、 SMWS (サ・ソサエティ)からこのアードベッグの鮮烈な一本が出て来たのである。そして小生、SMWS 会員の一人として、テイスティングする機会に恵まれた。

SMWS 33.133 8yo 60.8%
33は勿論Ardbeg を示す
コードソサエティはArdbeg で133回もリリースしているという事になる。


色は赤みのあるブラウン 香りを嗅いだだけで、一発で Ardbeg と判る。この時点で期待大!
言うまでもなく、ピーティーな煙感もガッツリ! ショートエイジながら、シェリーがダークトーンを足して且つ丸く収めて締めている。ショートエイジの荒々しさは見えるが不快な感じはしない。鰹出汁、昆布出汁、ベーコンソーセージフレッシュのローズマリー、黒胡椒、シリアル、煎りカカオ、焚火、煙草炒りたてのナッツといった辺りの風味が見て取れ、微かなグラッシーさも垣間見える。


2nd fill Sherry でありながら、ブラックチェリー、ブラックベリーエスプレッソ、Cognac、ダークチョコ、黒文字等のエレメントを以てシェリーはしっかりサポートする。 60度を超える超ハイプルーフという事もあって、兎に角強烈なのは明らかだが、引きそうで引かない、終りそうで終わらない、ボディとフレーヴァーが五感にしっかり刺さる

酒としての完成度は高いと見えた。この部分、シェリー樽の貢献度が大きいのは明らかだが、ベースにはこのウイスキーの素性の良さがある様に思える。

画像とテキストではなかなか伝えられないのがもどかしいが、迫力は大層なもので、同時に剛直さと美しさが同居しているのは感動モノである。ある投手が以前、「火の玉ストレート」なんていう謳い文句を掲げていたが、 これこそ「火の玉ウイスキー」と呼ぶべき一本ではないか。

仮にLes Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら… 18~18.5 / 20

 

アイラから産み出される「強烈火の玉系」ウイスキーは他にもあるといえばあるのだが…    

klch5y599a  pcl2002yama01

左= Kilchoman 2009-15 5yo 59.9% Sherry cask ・信濃屋向け
右= Port Charlotte 2002-10 8yo Yamaoka/Sakamoto Selection 65.3%


Kilchoman はカスクタイプを問わず殆ど同じ味になってしまう。5年程度の超ショートエイジが殆どという事もあってハウススタイルとニューメイクの味が前面に思いっきり出てしまう。良く言えばハウススタイルが決まり過ぎている。又非常に丁寧に手を抜かず真面目に作っているのは良く判る。
このボトルの場合、シェリー樽でここまで上手く纏めてしっかり作ったものだと思う、ただ12000円という価格は一寸頂けないが。


Port Charlotte も8年という割に熟成感があって、意外とバランスも良い。65.3度という度数をそこまで感じさせない酒だったと記憶している。

この両者、かなり佳い酒であるが、前出のアードベッグ= SMWS 33.133 と比べてしまうと、もう一押し二押しが足りない様に思えてしまう。
「火の玉」度がまだ足りないと見えるのである。裏を返せばアードベッグに一日か二日之長があるという事でもある。この一日二日分が将来縮まるのか否かは如何とも言えないが、縮まれば面白い事になるかも知れない。




本題の SMWS 33.133 に話を戻して… 実はこのボトル、25日正午に発売となったが…、案の定、ほんの一瞬で完売!
日本への割り当てが何本だったかは判らないが、今回は買占めを防ぐためにSMWS サイドもルール変更をして、色々制約を付けたので、少しは買いやすくなるかと思ったが、それも殆ど効果なし。
このArdbegの他、Bunnahabhain(10.86)、Clynelish(26.111) も一瞬というより一刹那で、同時発売の他銘柄も殆どが数十分以内に売り切れ。


以前この SMWS のボトルは割高とされてあまり人気が出なかった。日本でメンバーを募っても数が延びなかった時期もあり、数年前には入会金割引でボトルもプレゼントという大盤振舞のキャンペーンまでやったのである。小生も実はそのボトルに釣られて入会したのであったが、そのおまけのボトルが北海道の某老舗蒸留所の18年だったというのは今では信じられない話である。
ところがその後、ボトラーズのモルトは一気に高騰し、結果的にはソサエティのボトルが良心的価格という事になってしまった。てなわけで、一気にメンバーが増えて、ボトルの競争率も跳ね上がったという事も背景の一つらしい。



Islay のウイスキーについて序にもう一言言えば、此の島の中でも以前は蒸留所毎にキャラの違いは鮮明で、ブラインドでも蒸留所を言い当てられる可能性があった。なのに、近年は画一化してその違いは曖昧になっている。
Bruichladdich やBunnahabhain は本来アイラのイメージとは一線を画す穏やかな酒質だったのだが、この2つでさえ近年はピーティな傾向に変った。
あるバーで女性客がLaphroaig (ラフロイグ)をボトルキープして飲んでいる光景を目にして驚いたのが8年位前のことであった。
アイラのモルトでさえ、妙に甘ったるく、且つ判り易い味に無理矢理作っている様な酒が目立つのには呆れるばかりである。


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Mar. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



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ストレージ用のHDD 故障から約10日、一部のデータは消失させてしまったものの、大部分のデータは復旧し当サイトの更新も何とか再開に漕ぎ付けた次第である。
 
蒸留所に行くと、幾つかの樽の中から自分でボトルに詰められる場合がある。手詰めなので、" Hand Filled " と呼ばれ、自分だけのオリジナルボトルとも言える。
蒸留所に行く機会が無くとも、運が良ければそんなボトルをテイスティングするチャンスはある。


bowmore-hf532  aberlour-hf591

左画像は、BOWMORE
山岡秀雄氏の手詰めで、去年11月のWhisky Festival にてテイスティング出来た物

右はABERLOUR、西天満のあるバーの店主氏がネットオークションで仕入れた物らしく、今年5月のテイスティング この2本に共通するのは、シェリーカスク、しかもかなりガッツリな仕上がりw

シェリーカスクと云っても、様々である。シェリー熟成用に使われるのと同じbutt と呼ばれる500l 位の樽もあれば、250l クラスのhogshead、やや特殊だがoctave と呼ばれる50l 程度の樽等もある。入れられていたシェリーのタイプの違い(註1)、1st fill か2nd fill か、ウィスキーを入れる前段階の樽の処理の仕方…、こういったところで色々変って来るのである。


さて、先ずはBowmore の方だが…、 マホガニーに近いゴツい色合いで、そんな見た目通りに、シェリーの要素が前面に出ていた。でも、そこからこの蒸留所らしいキャラがしっかり反撃して出て来てくれたので、全然許せてしまう。ガッツリなシェリーでありながら、然程諄さも感じず、トータルパッケージはかなり良い。
Bowmore にはシェリーカスクが非常にフィットすると小生も考えているが、貴重な味覚体験が出来たと内心喜んだ訳であった。さすがは山岡氏!感謝を申し上げたい。

右画像のAberlour に話を移すと…、色はこちらもそこそこゴツイ赤茶
先ず一寸したゴム臭さ、これは程なく引っ込んだが、有難さを感じさせる所は殆ど無い。酒としては決して悪くは無い。この蒸留所からはA'BUNADH というシリーズが出ているのは有名だが、まさにその手詰め版という感じだった。この樽もA'BUNADH の原酒になる物だったのであろう。
この手詰めボトルのネットオークションでの入手価格が10000円を楽に超えたという話だが、これに対して、A'BUNADH なら8000円前後で買える、Batch 52まで出ている様であるが、Batch 20 以降は評価も安定して結構高く、人気の方もフランスを中心に結構高い様である。


要するに、これなら、A'BUNADH でも事足りる。 この蒸留所はPernod-Ricard、つまりフランスを本拠にする企業の傘下にあるので(註2)、フランスで人気が出そうな商品を特別に出したというのは穿ち過ぎだろうか?
Aberlour の場合は、シェリー樽とバーボン樽のヴァッティングでカスクストレンクスというのが欲しい所ではあるが…。 ウィスキー愛好家の中にも、シェリー樽熟成の物は苦手という御仁がおられる。
小生の様にワインを飲み慣れた人間なら、シェリーカスクは寧ろ歓迎となる可能性が高い。


シェリーカスクは今や貴重な物となっている。シェリー樽の供給がウィスキーの増産には追い付かない状態である。 スコッチというとシェリー樽というイメージをお持ちの御仁も多かろう。その始まりとしては、シェリーがスペインからイギリスまで樽で運ばれる事が多く、その空き樽の廃物利用が功を奏したという経緯があった。(註3
1970年にEC 域内での樽詰め状態での酒の輸出入が大幅に規制されて、運び用の樽が無くなったので、シェリー樽の供給が大幅に減った。

かくして、70年代以降バーボン樽の比率が一気に高まったが、その一方でシェリーの蔵に新品の樽を送ってシーズニングしてもらうという事が行われる様になった。シーズニングの際、質の劣るシェリーを何度も使いまわす所もあるらしい。更にはシェリーを煮詰めた物を代用品としてシーズニングで使い回すケースも以前はあった(90年代以降は禁止された)。
ワイン業界自体は拡大の一途を辿っていて、需要がうなぎ上りになるに従って、価格も高騰しまくりである。ただその中で、近年、シェリーの人気は伸びず、生産は落ち込んでいるらしい。これに伴い、シェリー樽の確保は非常に難しくなっているのが現状である。
シェリー樽の確保を狙った某サ〇〇リーが、シェリーのボデガ(bodegas)(註4)を買収したものの、その当ては見事に外れたらしい。



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jul. 2015)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



註1)使用品種や熟成の仕方等々で色々なタイプに分かれる。大別すると、Fino、Manzanilla、 Amontillado、Oloroso、Palo Cortado、Cream、Pedro Ximénez といった辺り。
註2)Pernod とRicard は両社ともpastis (パスティス)という種類のリキュールの有名メーカーだったが、1975年に合併してPernod-Ricard が発足。それから40年、今やDiageo と双璧をなす酒類業界の世界的最大手のコングロマリット。
註3)シェリーを樽に入れて運ぶ際、コモンオーク材の樽が使い捨て的に使われた。昔はコモンオークが安価だったためと思われる。
註4)ワイン醸造所をスペイン語ではbodegas という




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