Dufftown 街角ミュージック

穏健主義の波とマイナーパワーがこの世を救う

タグ:Gin

ジン、それは自由で緩い酒である。
てなわけで、その部分を突く様にしてそれこそ雨後の筍の如く色々な国でクラフトジンが産声を上げているのである。
ジン=イギリスという固定観念は端っから通用しない。そもそもジンという酒の発祥はイギリスではない。クラフトジンの誕生はイギリス・フランス・ドイツ・オランダ・イタリア・スペイン等々、西欧諸国に広がりを見せており、アメリカ・カナダ・日本も然る事ながら、ハードリカーで殆ど名前が出て来なかった NZ ・オーストラリアでも生産されるようになった。
ハードリカーの世界はグローバル化した大資本に集約され寡占化が進んでいる、同時に世界的に市場は拡大し、先進国を中心に市場の成熟も進んでいる。その反作用的な形で少量生産でも拘りを貫いたマニアックな商品展開でマーケットの間隙を縫って成功を狙うというムーヴメントが起きて、それがクラフト何某の類だと考えられる。


ワイン評論家として世界一有名な Robert Parker Jr. (ロバート・パーカー・ジュニア)が猿のラベルで有名なドイツMONKEY 47 Schwarzwald Dry Gin に対して100点に相当すると評価するという事態が発生、これがクラフトジンの勢いに加油する事になった模様である。(註1

~何しかインディーズのプロレスみたいやねぇ~

冒頭で自由で緩いと述べたが、EU による規定を見ると、その成立要件は…
農作物由来のエタノールにジュニパー=西洋杜松の風味を与えたもので、最低度数は37.5%。天然及び人工の香料を使用しジュニパーの香味が主体になる事。
ただ GIN を名乗るだけなら、スピリッツにジュニパーを漬け込む等して風味を付けただけでもおK なのである。
これが Distilled Gin=蒸留ジンなら、
96%以上に蒸留した農作物由来のアルコールを使用し、ジュニパーその他の香味植物を加えて再蒸留したもの。
ただし、同量のアルコールや、天然および人工の香料を加えても良い。ボトリング時のアルコール度数は37.5%以上
つまり実質ニュートラルスピリッツしかベースに使えず、スピリッツと西洋杜松等のボタニカルを共に蒸留を掛ける必要がある。
これが London Gin (ロンドン・ジン)になると、基本は蒸留ジンと一緒だが以下の規制が加わる。
ベースのスピリッツのメタノール含有率が 5g / 100L 以下、甘味料を添加する場合でも 0.1g / 1L 以下、水以外の添加は色素も含めて不可。


そして、上記以外の規定は無いという事は即ち、ベースとなるスピリッツと最低限ジュニパーさえあれば製造出来てしまうという事である。たったこれだけの規定しか存在せず、産地の厳格な規定がある訳でもなく、ジュニパー以外のボタニカルの種類や数も自由で、少ないもので6種程度、多いもので20数種類と幅がある。それこそ MONKEY 47 なんてその名の通り47種類使用なんていう極端な例もある。必須の西洋杜松以外ではアンジェリカ・オリスルート・コリアンダー・ジンジャー・カルダモン・リコリス・柑橘類のピールという所が定番ではある。

ベースのスピリッツは色々選べる。穀物由来・果実由来、他にはサトウキビ由来、芋類由来の様なでも全くお Kである。スピリッツ一つで味の特徴も変わるので、あえてニュートラルでないスピリッツをベースに選択している生産者も多い。
しかも、度数調整の際に水以外の物を使用する事さえ可能で、実際にワインや日本酒を使用して度数調整をしているケースもある。ウィスキーやブランデー等にはない自由さである。


嘗て、プロレスの中の格闘技的要素を取り出して「打・投・極」というコンセプトの下で純粋に追求しようとしたのがあの U.W.F. だというなら、その逆に何でもありというコンセプトで猥雑にして自由な世界を広げようとしたのが F.M.W. であったといえる。因みに、この両者何れもあの新間寿氏が絡んでいたのは草生えるが、1990年代を中心に一世を風靡した何でもあり的なインディーズプロレスを語るには F.M.W. は外せない。
ワイン・ウィスキー・ブランデー等では厳格な産地統制や規定・規制があってそれらを悉くクリアする事が必須条件になってしまうが、その逆を行く様に何でもありに近いというのがジンという酒なのである。




ここで、非常に自由なジン達を取り上げて行く。

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Thompson Brothers Experimental Highland Gin
Batch 8 =左・Batch 9 =右 共に45.7度
スコットランドはハイランド地方でも北部にあるDornoch Castle(ドーノッホ城)の隣で Thompson Brothers が経営する Dornoch Distillery (ドーノッホ蒸留所)でモルト・ウィスキーと並行して生産されたジンであり、レシピの異なるバッチが#1~#10まで存在した。
Experimental=体験的の名が示す様に、色々実地に試す為の生産であったと思われる。モルトウィスキーのニューメイクスピリッツが一部使用されていて、その感じもしっかり主張している。この#8・#9は力強さと香りの高さがなかなかのものだった。
この体験を踏まえて作られた同社の Organic Highland Gin だが…、それが実際は少々期待外れだった様に思われる。トンプソン兄弟はドーノッホ蒸留所の傍ら、ボトラーもやっていて樽で買い付けたスコッチウイスキーを独自にボトリングしリリースしている。


スコットランドという事でいえば、Glenfiddich(グレンフィディック)等で有名なWilliam Grant and sons が所有するグレインウィスキー蒸留所がGirvan (ガーヴァン)であるが、その同一敷地内にモルトの Ailsa Bay (アイルサ・ベイ)とクラフトジンの Hendrick's(ヘンドリックス)が存在する。
超巨大なカラムスティルを使いスピリッツの大量生産を行うガーヴァンであり、アイルサベイの規模もモルト蒸留所としては大きいが(註2)、そんな片隅でヘンドリックスはちまちまと手作り的に小規模生産を行うという何しか珍妙ともいえる光景がそこには広がっているのである。


フランスとイタリアから特徴的なクラフトジンを紹介すると…

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左画像=Christian Drouin (クリスチャン・ドゥルーアン)の Le Gin (ル・ジン)
Calvados (カルヴァドス)の名門という事もあり、部分的にでも林檎由来のスピリッツが使われていると見て間違いない。度数は 41度とカルヴァドスに合わせた様に見えるが、味は上品で優しいタイプ。


右画像= Poli (ポリ)の製造する MARCONI 46 (マルコニ46)
名前の通り46度。Veneto (ヴェネト州)にあるこの蒸留所は Grappa (グラッパ=イタリア風粕取りブランデー)で有名。葡萄由来のスピリッツが使われているのは間違いなく、何処かグラッパを想起させる味わいで、パンチがあって主張が強いタイプ。(そこら辺のウィスキーより全然旨かったりする)




クラフトジンの勢いは日本でも同様で、それこそバブルの様に次々と出現して来ている。今やジャパニーズクラフトジンは一大ムーヴメントになった感がある。まぁ、何処まで続くか分らんが

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日本では焼酎や日本酒の歴史があり、九州エリアの生産者を中心に芋焼酎・米焼酎からベースのスピリッツを作る所が多い。他でも日本らしさを売りにするべくライススピリッツを使用する生産者は結構いる。

上段左= ジャパニーズジン和美人武蔵  50%
これは酒類卸販売で有名な武蔵屋(東京)のオリジナル商品でジュニパーを強く効かせているが、バランスは良い。ベースはライススピリッツ(米焼酎)とされ、実際の製造者は本坊酒造(津貫蒸留所)。中身だが、50%という度数もあまり気にならない位の結構な充実度で、販売も当初の計画より延長されている。


上段右=KOMASA GIN KOMIKAN 45%
鹿児島の小正酒造が米焼酎から作り上げるクラフトジンで、これは桜島小ミカンをフィーチャーした物。他には鹿児島産ほうじ茶をフィーチャーしたエディション「ほうじ茶」もある


下段左画像=北海道自由ウイスキー紅櫻蒸留所の 9148・レシピ#101 45%
この9148ではレシピを変えて複数のヴァージョンを作っているが、この#101では干し椎茸・日高昆布・切干大根を含む14種のボタニカルを使用し、ジュニパーも強めにしたとの事。
この 9148 の名の由来はディストピア小説「1984」(書かれたのは1948年)である。この小説は自由の無い管理社会を描いたものだが、作品中ではヴィクトリーという名の不味いジンが度々登場すると共に、自由な時代の美味しいジンを懐かしむシーンが描かれる。
自由な発想、自由な価値観、多くの人が幸せに酒を酌み交わせる自由な世界をというコンセプトの許、1984 の 19 と 84 をひっくり返して 9148 という名をこのジンに付けたという事らしい。


下段右画像=京都蒸留所・季の美 45%
2014年に設立され、2016年秋に販売開始となった日本初のクラフトジンとして有名。
各フレーヴァーの押出しは強くなく繊細系。非常に上質なライススピリッツを使用していて、それが世界的な評判に一役買っている。最近ではいちびって色々な限定エディションまでリリースして来る。
基本的に使用されるボタニカルは11種類で、6つのカテゴリーに別けて蒸留する製法。
2月に行われた Icons of Gin 2019では Craft Producer of the Year を日本勢として初受賞したこの蒸留所だが、運営会社は (株) Number One Drinks なので実質は(株)ウイスク・イーの関連会社。
(当サイトのPC 版にはウイスク・イーへのリンクがある)


ワインの場合、使用品種・畑の位置・熟成期間の他にも様々な規制が掛けられている所が多く、それらをクリアしても官能検査で落とされて産地名称を外されるなんて事もざらである。そんなワインばかり追い掛けてる御仁達には、ジンという酒の持つほぼほぼ何でもあり的な自由さは理解不能かも知れない。




註1)第2次大戦後のベルリン復興計画に携ったイギリス軍人の 1人だった Montgomery Collins という人物が退役後にドイツに移住し、民宿経営の傍ら独自のレシピでジンを製造していた。彼の死後、21世紀に入りそのレシピとボトルが発見されて話題になると、それにインスパイアされた Alex Stein と Christophe Keller の 2人がジンを開発製造した。
MONKEY の名の由来は件の復興計画当時ベルリン動物園にいた Max という名のオナガザル
註2)2007年に創業したモルトウィスキーの蒸留所で、エタノールベース計算で1200万リットルの年間生産量を誇り、スティルは 8対の 16基。モルトとしてリリースされるのは生産量の 4%程度とされる。



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クラフトジンという言葉も最近は耳慣れた言葉になって来ただろうか?
ほんの10年前位はジンというと、Beefeater、Gordon's、Tanqueray、Boodle's、Bombay、Plymouth といったロンドンドライ系のメジャー銘柄に加えて、Kingsbury's や Cadenhead 等の「ちょっと変わったヤツ」がそこそこあって、更には Bols、Noords、Van Wees といった オランダのジュネヴァ(genever)タイプも一応あるという状況だった。
それが今や世界中でそれこそ雨後の筍の如く(バブルの如くか?)色々なクラフトジンが登場している。東京のメジャーな酒販店に足を運べばジンの売り場は拡大され、小生でさえそれこそ「訳わかめ」になる位沢山の銘柄が並んでいる。


先ずは老舗メジャー処の古いボトルから 2点…

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左画像=PLYMOUTH (プリマス)Dry Gin 46% 1960年代(多分)
ラベルの下側にイタリア語表記があるのでイタリア市場用のボトルで間違いない。今時の物に比べてスピリッツの質と香味の深さが違う気がする。2015年5月頃大阪市内で撮影。
右画像=BEEFEATER London Dry Gin 40% 1970年代(多分)
小生にとってBeefeaterといえば、幼少期に見たこの形のボトル。角が丸くて撫で肩というこのボトルを見ると胸キュンになってしまう。この年代の奴はストレートで飲んで充分過ぎる位美味しかったのだ。画像は47%でなく40%のボトルだが、度数の違う複数のヴァージョンがある。
続いて、今を時めくクラフトジンから画像 2点を…


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左画像=SIPSMITH (シップスミス)VJOP #2 52%
2009年にロンドンはMichael Jackson (ウィスキー評論家の方)のオフィスがあった所で創業。皮肉にも創業した2009年はあの " King of Pop " の方のMichael Jackson 死去の年であったが、これでロンドン市内で200年振りにジンの製造復活と相成った。
ワンショット蒸留・小型ポットスティル・こだわりの厳選材料・1バッチ当り300本という少量生産といったファクターによってクラフト・ジンの魁にして代表選手となっていたが、2016年末にBeam-Suntory (ビーム・サントリー)傘下に組み込まれてしまった。
VJOP とはVery Junipery Over Proof の略で、ジュニパー効かせまくりで度数も高いという意味。


右画像=PANAREA Island Gin(パナレア・アイランドジン) 44%
シチリアの北にあるエオリア諸島の中でも最小で、セレブに大人気のリゾート地である島が Panarea (パナレア)島。その島内で育ったボタニカル類を使用して作られたクラフトジンがコレ。
小生のテイスティングした印象としては、非常に大人しい。ジュニパーの主張はあまり感じられないが、小綺麗でシルキーな味わいで、軽く冷やしてストレートで飲むか、ハイボールが良いと個人的には考える。


世界的ウィスキー人気を契機にハードリカーの市場が拡大した事に絡んで、こだわり・個性・少量生産といった所を売りにする所謂クラフトウィスキーの蒸留所が次々と登場している。
ただ、蒸留所を設けてウィスキーを製造販売しようとしても、設備投資もさる事ながらそこで麦芽等の原料から原酒を作るのも大変。作った原酒も最低数年は熟成を掛けないと商品化出来ない上に、製造段階から法的要件を幾つもクリアしなければならない事もあるからハードルがどうしても高くなる。

これがジンだとどうなるか?
原酒となるスピリッツを自分達で作らなくても、最悪の場合ニュートラルスピリッツを購入し、ジュニパーベリーを含むボタニカルを用意出来ればジンは作れてしまう。それこそ唯、GIN を名乗らせるだけなら蒸留器すら必要ない事になってしまうのである、あくまでも EU による規定の上での話だが。

簡単に言えば、ジンはウィスキーに比べてそのハードルが全然低いのである。

一回で最後までやると長くなりそうなので、其の弐へと続く!




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ジンを重連させたマティーニの件(当該記事はこちら)、漸くその続編が出来た

ジン(Gin)といえばその語源はオランダ語の jenever、英語なら Juniper、即ち杜松の実である。
この原型となる酒はイタリアで11世紀に作られていたとされる。
17世紀にオランダの医師 F. シルヴィウス(Franciscus Sylvius)が杜松の実を使った薬用酒を開発したのが広まり、オランダ生れのオレンジ公ウィリアム=ウィリアム3世がイングランド国王となると(1689年)イギリスで一気にポピュラーな物となった。

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ここで主役に抜擢したMARCONI 46 についてその特徴をもう一度確認すべく、ソーダでトワイスアップにして飲んでみた。又後日にはストレートでも試してみた。
コクも感じる、ジュニパーは強い。その後、苦味系薬草リキュールの様なハーブ感、更には微妙にスパイシー&フローラルな部分も追い掛けて来る。そんな所が北イタリアなのだと思った。ストレートで数回テイスティングする内に、それこそ今出来の下手なモルトウィスキーより全然美味いと確信してしまう様になった。そしてこの実験検証に際しては MARCONI 46 と合せる相手のジンは6銘柄に絞った。

レシピは MARCONI ・相方のジン共々に25cc、フレンチヴェルモット=10cc、オレンジ系ビターズ=1dsh 。
ヴェルモットはDOLIN (ドラン=フランス産 註1)、ビターズはBitter Bastards (ビター・バスターヅ)のCuracao Bitters(キュラソー・ビターズ)を使用。


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第1は、GIN LANE 1751 royal strength 47.3%=上段左側
GIN LANE(ジン・レイン)はクラフト・ジンと呼ばれる物の一つだが、比較的クラシックなテイストとされるロンドンドライタイプ
検証結果
期待値に少し届かず。口に含むと荒さとバランスの悪さが出る様な気がした。相性としか言い様が無いのだろうか?


第2は、Citadelle dry gin =上段右側
Citadelle (シタデル)はフランス産。Conac Ferrand (コニャック・フェラン 註2)がコニャック蒸留が出来ないシーズンに単式蒸留器を活用する形で、1989年の創業と同時に製造を開始。2008年に国際的コンクールで立て続けに章を取るとプレミアムジンとして大ブレーク。
ただ、コイツとの組合せも簡単に言うと萎え~っ
Citadelle 自体が繊細過ぎる傾向があるためか、膨らみが無くなり、両方の持ち味が出ていない印象。

第3は Tanqueray London Dry Gin・47.3%=中段左側
タンカレーの一般的なアイテムだが、プレミアムジンの元祖ともいえる。
この組合せは間違いの無い味に仕上がった。お互いの特色も出た上で、バランスもそれなりに取れて上手く纏った様に思えた。


第4は Tanqueray number Ten・47.3%=中段右側
タンカレーの中のプレミアムアイテムだが、見ての通り妙なボトルに変わってしまっている。
このNo.10とのコラボでは又違った味になったが、こちらは柑橘系フレーヴァーが目立つ。#10を使う方が小奇麗で透明感のある形には仕上がるが、通常のTanqueray の方がバランスは良い様に見えた。

第5は  季の美(きのび)京都ドライジン・45% =下段左側
日本でもクラフト・ジンが急激に増えて来ているが、京都蒸留所が去年からリリースしているこの銘柄はその代表格。表記上は45度となっているが、実際は45.7度で輸出用ボトルと同一度数( 80 UK proof )
ボタニカルは11種類と多くはないが、和や京都を表現すべく柚子・山椒・宇治緑茶等を使用している。季の美との組合せは普通に考えたらありえない反則的豪華コラボ。
MARCONI は葡萄からのスピリッツと思われるが、季の美のスピリッツは米由来。お互いがジンとしては高級で少量生産だが、それぞれの素性の高さが良く判る。口に含んだ時に感じた迫力はさすがで、スピリッツが良いとこんなに美味しいのかと感じさせてくれて、お互いの良さは消えてはいない。季の美は京都を押し出したキャラクターに仕上がっていて、香味はやや大人しい。MARCONI は押し出しの強いキャラ。この2つがどういう形で結びつくかは作るまで不安があったが、そこは杞憂に終った。迫力がある分諄いと感じられる場合もあるだろう。しかもこの超強力コラボには決定的弱点がある。それは店でサーヴィスするとなると結構な価格になるのは避けられず、特別裏メニューにするのが関の山だろうか。

第6は  GORDON'S London Dry Gin Traveller's Edition
6つの中でこれが一番だったか。香りもボディも一番上手く綺麗に仕上がった様に思われる。MARCONI の持つ押しの強さから来るパンチは明確に感じられるが、滑らか且つ軽快に流れる部分も確保出来ている様に見える。これによって件の記事における名古屋のバーテンダー氏の選択は最適解にかなり近かったという事も判った。
これと同時に、ゴードンが先日のパッケージ変更でその味も少々変わってしまったという事実も判明した。


全て同じ形のグラスを使い検証してみたが、同じレシピでグラスは変えてという形でも実験すべきだったのではという部分はある。カクテルでもグラスの形を変えると香味の出方も変わる可能性があるからである。
この極めてシンプルでスタンダードなカクテルでも色々弄ると可能性が広がってくる。近年はジンの中でもクラフトジンと呼ばれる特色豊かな新興勢力がドンドン出てきているので、本当に弄り甲斐がある様になったのは間違いない。
次はカルヴァドスの名門、Christian Drouin(クリスチャン・ドゥルーアン 註3)が作る Le Gin (ル・ジン)あたりをフィーチャーしてやってみても面白いか?



註1)Savoie(サヴォア)地方のChambéry(シャンベリ)にあるメーカーで1821年創業。1932年にヴェルモットとして初めてA.O.C. を取得している。
註2)コニャック地方でもGrande Champagne (グランド・シャンパーニュ)区域にある、Alexander Gabriel (アレクサンドル・ガブリエル)によって創業された小規模メゾン。実際のコニャックはPierre Ferrand の名で売られる。

註3)ノルマンディの実業家だったChristian Drouin Sr. が Pays d'Auge(ペイ・ドージュ)の域内に農園を買い1960年に創業、79年になって初めて市場に製品をリリース。現在は3代目のGuillaume Drouin (ギョーム・ドゥルーアン)が当主で、使用する林檎は30品種に上る。COUER de LION (クール・ドゥ・リオン)のブランド名で知られる。



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この銘柄を憶えている御仁はどれだけいるだろうか?
ドライジンの中でも1,2を争う超メジャーブランド、Beefeater (ビフィーター)のプレミアムレンジの商品で、如何にもというその名は Crown Jewel (クラウン・ジュエル)
それこそこの紫色のリッター瓶で憶えている御仁も多いのではないかと…

bftcrjwl@tsu01

約8年前に終売になったこの銘柄だが、今年3月に近鉄を撮影するために三重を訪れた時、津駅近くのバーで再会出来た。
土曜の夕方というのにマスター氏は不在で女性スタッフ2名が接客に当られていた。その日がマスター氏の高校の同窓会に当っていたらしく、終了後撤収し次第店に戻られるとの事だった。小生はカウンター片隅に陣取って仕方なく1杯目はビールを頼み間を繋ぐ。
店自体がかなり古い感じでマスター氏も結構ご年配な方らしいが、バックバーにはかなり豊富な種類のボトルが置いてあり、地方都市にもこんな店があるとありえん良さみ深くしてバイブスアゲアゲである。
そして小生の目前には Nikon F4 が何故か鎮座していて、マスター氏はカメラも趣味にしていた様である。


だが、マスター氏は同窓会が長引いたらしく、中々お戻りにならない。そんな中、小生も2杯目に移行せざるを得なかった。そこで、Beefeater Crown Jewel のドライマティーニをオーダーした。この銘柄、8年位前にしれっと終売になってしまった訳なので、これを使ったドライマティーニなんてそれこそ何時以来だか思い出せない。
開けてから年月が経ってしまったからなのか、香味は少々飛んでしまっていた印象が拭えなかった。それでも現行の製品より美味いというのが凄い。
コイツの度数は47.3ではなく50度、免税店用の商品ながら事実上のフラッグシップとして自信を持って出していた物だった事は今でも容易に想像が付く。腐っても鯛、痩せても枯れてもCrown Jewel という事なのだろう
Beefeater も " 24 " とかへんちくりんな物は作らんでエエから、このクラウン・ジュエルを大々的に復活させて欲しいと願って止まない小生である。(去年僅かな量が復活販売された模様だが…)




マスター氏も戻られるや否や、大挙して乗り込んでこられた同窓生達の注文を捌くのにテンヤワンヤで、じっくりお話しする事も儘ならなかったのは残念。
結局小生が最後にオーダーしたのはこのウィスキーだった。


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Balvenie 1974-90 15yo 57.1% Singnatory dumpee bottle
超懐かしいボトルにバイブスアゲアゲ! 何つったって、Signatory (シグナトリ)のダンピーボトル
その上、ボトラーズながら Balvenie (バルヴニー)としっかり明記されているのがポイント高い
Balvenie に関してはボトラーズからの場合、蒸留所名が明記された状態でリリースされる事は殆ど無い上に、シングルモルトとして出る事も少なく、ティースプーンモルトとして出されるケースが多いのは御存知の方も多かろう。
70年代前半蒸留のスペイサイドというと、やたらトロピカルフルーティーなキャラを想起される御仁も多かろうが、これはそういう酒ではない。スペイサイド本来の酒質に忠実な面がはっきり出ていて、押し付けがましさは無くクラシックなタイプで落ち着きのあるなかなかの美酒であった


大都市圏では消費し尽された様な酒が、地方だとまだこういう形で残っている事もあるのは、見方によっては皮肉にも大都市と地方の間で愛好家の数とレベルにおいて差があるという事の証しになってしまうのであろうか?

こうして、津での結構 GJ な体験を終えて近鉄特急で宿泊地の四日市に向かい、次の日に備えたのであった。(津ではホテルが取れなかったのが残念




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去る7月に、 GORDON'S London Dry Gin 47.3% 販売終了という話をした。
これにはバーテンダー等の御仁達も右往左往した様で、そこに愛好家達も加わる形で国内に残った在庫に群がり一気に市場から姿を消した。
先月末に神戸の Bar SAVOY に足を運んだ際、ドライマティーニを締めに頼んだが、「これ、まだあります」と GORDON'S 47.3% を見せられて迷い無くそれをベースに指定した。昔に比べれば味は落ちているものの、鉄板銘柄としての安定度とバランスは無視出来ないと改めて思った小生だった。


それから1ヶ月も経たないというのに…、世田谷のある有名酒販店=〇濃〇でこんな物を発見してしまった。
商品紹介の札には「ゴードン・ロンドン・ドライジン 1000ml 47.3% 直輸入」と書いてある。47.3%は廃止された筈で、「古い札を外し忘れたん違うか?」と思ったが、念の為、手に取って見た。


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紛れも無く新パッケージでありながら、47.3%と書いてあり、これには驚きである
何かの悪い冗談の類かと思ったがそんな事もない様である。
でも、良く見ると Traveller's Edition (トラヴェラーズ・エディション)という文字があり=ボトル下部、1000mlという容量である事からも、空港その他の免税店で販売する目的で作られた特殊仕様だと考えれば合点が行く。
47.3%というハイプルーフに対する需要は北米、アジア、オセアニアでまだまだ需要があると考えられる。(ゴードンの場合、元々が豪州仕様から始まった)
件の酒販店でも入荷して直ぐなのだろうが、結構なスピードで売れている様に見えた。小生も早速2本購入した次第。


近年になってハードリカーの業界は空港・フェリー・クルーズ船等々にある免税店のマーケットに注力している。1947年にアイルランド西部の地方空港で世界最初の免税店が生まれて今年で70年()、免税店のマーケットはトラヴェル・リテールと称されて世界中に広がり、新興国を中心に今も広がりを見せている。それこそ「第6の大陸」とすら呼ぶ所もある程である。

これはあくまでもトラヴェル・リテール向けの商品で、所謂並行品として極めて限定的なルートでしか日本に入ってこない事は想像に難くない。現に今回のこれも有名酒販店が直輸入したロットである。
となれば、一回当りの入荷量も限られて来るだろうから入手は容易くない事が予想される。この手の商品は何時仕様変更されたり消滅してもおかしくはない。

これらの事象を頭に入れながら、早速開けてジントニックで試してみたのだが…、旧型と比較して味が少々変わってしまった様な気がした。尤も、まだ1回しか試していないのではっきりした事はまだ言えないが、何れにせよ色々な意味でこの件が一安心とはならないのは確か。




)Shannon Airport (シャノン空港)はDublin (ダブリン)から西南西約190kmの場所にあり、1936年に造成が開始され1940年に開港。以前はヨーロッパ・アメリカ間のフライトの給油地としての役割を果たしていた。アイリッシュコーヒー(カクテル)はこの空港のレストランで生まれている。



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