Dufftown 街角ミュージック

穏健主義の波とマイナーパワーがこの世を救う

タグ:ブランデー

このサイトでも時折登場する ザ・ソサエティ(SMWS)だが、日本支部が作られたのは1993年。スコットランドで活動し始めてから10年遅れての事だった。以来、最初は天満商店(大阪)が、近年ではウイスク・イー(東京)が代理店となって日本支部もその中にあるという形だった。それが去年夏にザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ株式会社を設立して間借りから独立するような形になった。

さて、去る10月の末の事になるが、この会社が展示即売会みたいな事をやるというので足を運んでみた。都内にある会議室みたいな場所で平日の夜に行われたこのイベント、ソサエティのサイトから事前に申し込んだ会員が入れるというもの。
この即売会と同時に同じビルの中ではセミナーも行われていた模様である。この会議室、本来展示即売会の類なんてやる事なんて想定していない様な場所で、兎に角狭いし何しか暑い。落ち着いてテイスティングなんて出来やしない。


ザ・ソサエティが去年の組織形態変更までこんな催しをやったという記憶がない。ウイスキーフェスティバル等のイベントにブースを出す事はそれなりにあるが、それらはテスティングのみで、この様なボトルの即売(厳密に言うと注文取り)までやったというのは記憶にない。
以前ならリリースするボトルは入手困難で、殆ど速攻で完売するケースが目立ちこんな展示販売会なんてやる必要も無かったし、売る物が残っておらずやろうにもやれなかった筈である。一体如何いう風の吹き回しなのか?
間借りでなくなった分、一回の入荷量が大きく増えたとでも言うのだろうか? それは一寸考え難い。
思った様に売れないのだろうか? それも仕方ない部分がある、何せ価格が高騰してこれではなかなか買い手が付かんやろという状況になっているのが明らかである。


エディンバラ(Edimburgh)にある 本体 の方でも、高騰著しいスコッチモルトやアイリッシュに集中しすぎず、ブランデー(コニャック・アルマニャック)やラム、更にはジンといったウィスキー以外のアイテムに力を入れる傾向が顕著である。
これも数年前から比較的容易に想像出来た事態であり、小生としてはウィスキー以外の色々な酒も SMWS のブランドで出て来るのは興味深いと考えて歓迎してはいるが、何が何でもモルト一筋という一部の奇特な御仁達は納得していない様である。


展示されたアイテムは10~40%引きで購入出来ると言うのが唯一の魅力。但し、このイベントに参加する時点で4000円取られているから、高額商品の大幅割引を狙えれば良いが、そうで無いと元を取るのは一寸難しい感がある。

a53smws9765a  9136smws01

左= A5.3  1997 - 2018 21年熟成で度数は 65%  Fully loaded sweet trolley なるタイトルが付いている。
アルマニャックのリリースは始まったばかりだが、今後増えて行くのだろうか? 因みに A はArmagnac を示す
右= 9.136  exclusive for Japan =日本専用 code 9 =Glen Grant 1992蒸留の24年熟成・度数は53.0%
最近はイラストの入った一寸派手なラベルになってきた。Bestows Pleasure and Wisdom~喜びと知恵を授ける~というタイトルが付いている


ソサエティのボトルには全てタイトルが付けられる様になって久しいが、これを読んだ所で味の想像が付く事なんぞ期待出来ない。(正直言えばただ煩せぇだけ、即刻無くせ)

その場にならないと展示されるアイテムとセール価格は判らない。テイスティングしながらプライスリストと睨めっこして、最終的に購入の候補として考えたのはこの 2アイテムだった。両方とも大幅値引きのボトルだった

29203smws01  3779smws01

左= 29.203  1999-2017 17yo 59.4% タイトルはSmoked Mackerel Fish Cakes
code 29、つまりLaphroaig (ラフロイグ)の17年でカスク、本来23000円のところを 6掛けの13800円で出ていた。この条件だけならこれが絶対の本命と言いたい所だが、テイスティングしてみると本来のラフロイグらしさが足りない。こんなバーゲンプライスになってしまった背景が何となく判るボトルだった。
これは小生としても当てが少々外れて残念な結果だったが、ターゲットを切り替えることとした


右= 37.79  1987-2016 28yo 57.5% The Tasting Panel's Choice Japan Edition タイトルは Sublime Complexity

code 37 は Cragganmore (クラガンモア)、Diageo 系列のなかでも結構重要なスペイサイドの蒸留所で、 SMWS を含めてボトラーズからのリリースが必ずしも多いとは言えない。
これの元々の価格は何と 34000円なのだが、これではさすがに売れ残るのも無理は無かろう。このイベントでは40%オフの約20000円でのご提供
テイスティングすると、日本支部がかなり力を入れてリリースしたのは良く判る渾身の逸品
何にも買わずにただ飲んだだけで帰ってしまうと、何の為にわざわざ行ったのかという事になるので、大盤振る舞いしてこのボトルをお買い上げさせて頂いたのであった。20000円でも正直納得しきれてはいないが、ここまでのバーゲンプライスに感謝という事で・・・。(しかも 3回払いに後日変更


次回が開催されても、参加するかも購入するかも判らない。




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

ブランデーの方がウィスキーよりひょっとしたらポテンシャル高くねぇ?
これは勿論、実に雑な言い方であり、語弊があるのを承知である。


小生がこういう考えをある程度強く持つきっかけがあったのである。
横浜市のある酒屋を訪れた時にこういう言葉を投げかけられた。「ウィスキーを13度位に薄めた場合、ワインに敵う訳がないでしょう。」
ワインもウィスキーも勿論ピンからキリまであるから一概には言えないが、 色々な酒を飲んでいる経験からこれは尤もだと思った。


その考えをワインからブランデーに援用して行くと、
ウィスキー等のスピリッツは穀物を糖化してシロップにしたものから造られるが、ブランデーは葡萄(果実)のジュースである。この差というものが意外と大きいのでないかと思う様にもなった。

世界に色々ある酒には気候風土や歴史といった独自の裏付けがあって存在している物が多いのであるから、各々の良さがある事は十分承知している。それらを無理矢理同じ物差しの上に乗せて貴賎を付ける気は毛頭、無い。
この国では穀物の酒ばかり飲んでいる人間が多い為か、ブランデーの能力というものが過小評価されていた事は否めない。それでもここ2年程でカルヴァドスの人気が上がって来たのである。


ilderesmws01  matq73barmgc48a
左画像= SMWS C1 2 48.2%   SMWS にとってコニャックの第2弾に当たるボトル。
第1弾同様レ島(Ile de Ré)産の物、ということでその出所はCAMUS(カミュ)なのは間違いない
右画像=Domaine de Martique 1973 48% Bas-Armagnac ボトリングは2010年頃?
極小生産者のヴィンテージ・アルマニャックも最近は殆ど入手出来なくなって来た


去年4月に SMWS(ザ・ソサエティ)がコニャックをリリースした時は驚いた人もいたかも知れない。ただ、ソサエティは過去にラムをリリースしている事もあるから小生は驚かなかった。それどころか、「漸くかい!」「何でもっと早く出さへんかったんかい」という印象だった。
これ以外でも有名ボトラーであるW. Cadenhead(W. ケイデンヘッド)はこれまでにもコニャックを数回リリースしている。

コニャック、アルマニャックを始めとして、ワイン産地で作られるマール(marc)、フィーヌ(fine)更にはオー・ドゥ・ヴィー・ドゥ・ヴァン(eau de vie de vin)
葡萄以外からの物としてはノルマンディの林檎から作られるカルヴァドス(Calvados)()、アルザス等で作られる
オー・ドゥ・ヴィー・ドゥ・フリュイ(eau de vie de fruits)という具合に、これからのスター候補はまだ控えているといって良い。


98aprv44a  kirsvedr80s45a
左画像=Calvados Pays d'Auge 1998 44% あの信濃屋が推すApreval(アプルヴァル)からの品。
これは京都寺町二条にあるBar Calvador とのコラボボトリングでシングルヴィンテージ
右画像=Vedrenne vieux Kirsch 45% 1990年代初頭? Kirsch なので原料はチェリー
ブルゴーニュのリキュールで有名な会社だが、嘗てはKirsch(キルシュ)等のブランデー類でも名を馳せていた。


フランスだけでも色々なブランデーがあるがそれだけでは終らない。
イタリアも粕取りのグラッパが有名だが、勿論かなりのブランデー大国である。
スペインも負けじとヘレス・ブランデー(Jerez Brandy)を擁するなど、旋風を巻き起こす能力はある。
ヨーロッパ各地のブランデーも加われば、まだまだ御宝の様な樽が彼方此方に眠っている可能性は期待出来る筈である。


vlpnsgr01  merito35a

左画像=Valdespino Family Heritage Solera gran reserva 40%
シェリーの名門、ヴァルデスピノの名品。シェリーの序に造っているなどと言って侮ってはならない。
世界でもトップクラスのブランデーであるのは言うまでもない
右画像=MERITO 35 Solera gran reserva 40%
シェリーとしてはBERTOLA(ベルトラ)の名で知られるDiez Merito(ディエス・メリート)からの最上品のブランデー。このクラスにもなると流石という味わいである。
35というその名の通り、35年以上ソレラで熟成した物で、下のランクに当たるMERITO 25=25年以上の物と共に間もなく日本市場でもデビューの見込み。ただし、価格が相当なものとなる模様

noyac25a  chrbros01
左画像=NOYAC Armenian brandy 25年 40% 1980年代のロット? 埼玉県内某所で購入。
旧ソ連のアルメニアではブランデーの生産が盛んだった。1910年創業のARARAT(アルアラト)は有名で、今でも日本にも輸入されている。
裏のラベルを見ると、樽で英国に運ばれロンドンにあるNoyac Intl. で瓶詰されたと書かれている。ARARAT の最上級品がNOYAC(ノヤク)の名を冠して売られていた。アルアラトはノアの箱舟が漂着した場所とされていて、ノヤクはノアの泉という意味である。

右画像=Christian Brothers California Brandy 40% 多分1970年代
19世紀からカリフォルニアに根付いてワイン作りを開始し、ブランデーは1940年生産開始。ポットスティルでの2回蒸留で作られる。現在はバーボンで有名なヘヴン・ヒル(Heaven Hill)の系列に属している。


そしてブランデーの可能性は欧州に限った事ではない。
アメリカでもウィスキーやジンを作り出す所謂クラフト蒸留所が雨後の筍の様に登場しているその中でも、ケンタッキー州でブランデーに注目し取り組んでいるカッパー&キングズ(Copper and Kings)蒸留所の評価が高い様である。日本国内デビューはまだなのが惜しまれるが、数年内に導入される可能性はあると小生は見る。(信〇屋あたりが放っておかないか?)
ペルーでは17世紀からピスコというブランデーが存在しているのである。ブランデーは日本でも細々とは作られていて、こういう所からでも脚光を浴びる物が出て来るかも知れないと思うと、楽しみな話だとも言える。




)カルヴァドスでもドンフロンテ(Donfrontais)区域 では洋梨を30%以上使用する事が義務付けられているので注意されたい。逆にペイ・ドージュ(Pay d'Auge)では洋梨は30%以下に制限されている。林檎・洋梨共々使用可能な品種は法律で指定されている。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

ウィスキーの人気が世界的に凄くなって、原酒不足と価格高騰が止まらないというのは既にご存知であろうが、「ウィスキー命」「モルト一筋」等と仰る位の御仁達と雖も、この状況も此処まで来てしまうとウィスキーにばかりしがみ付いてはいられないというのも事実ではないだろうか。

近年、沢山のウィスキーファンを開拓して来たその原動力となったのは1970年代迄に蒸留された原酒であったとも言える。そんな「古き良き時代」の原酒達は殆ど消費しつくされて、最早お目に掛かる事も殆どなくなってしまった。それどころか90年代の原酒でさえかなりの価格になってしまっている。
此処10年位は増産に次ぐ増産だが、大手コングロマリットに属する蒸留所は特に、効率よくアルコールを採る事が主眼に作っているのは否めない。そう考えると、原酒の品質なんて高が知れた程度に留まってしまう可能性が高い。


そんな状況下で、ブランデーに対する市場の注目度が大きくアップしているのは最早隠し様がない。
日本でブランデーというと、Cognac(コニャック)がすぐに連想される事が圧倒的に多いと考えられる。バブル時代のあの名物ピンドンコン()とかに代表される如く、成金のオッサン達が銀座辺りで豪遊しているイメージも未だに抜けないかも知れない。


ブランデーとはそもそも、果実を発酵させてワインを作りそれを蒸留したものを指す。フランス語ではEau de Vie 生命の水、つまりウィスキーと同じ起源と言う事になる。
オランダ語のBrandewijin(ブラントヴィン)=ワインを燃やした物がBrandy という言葉の起源とされる。
フランスでブランデー産地として最初に確立されたのはArmagnac(アルマニャック)だといわれ、Alsace がこれに続く感じで、彼のCognac は寧ろ後発組だった。


コニャックが何故そんなにメジャーになったのか?
コニャックはヌーヴェル・アキテーヌ地域圏(Nouvelle Aquitaine)に属し、ボルドーの直ぐ北に位置し、近隣には貿易港としても栄えたラ・ロシェル(La Rochelle)がある。
古くはワインの産地として有名だった時代もあり、欧州北部に輸出されることが多かった。ただ、ワインは酸がやたら強く品質も安定しないという事で近隣のボルドーに押されてしまう。
オランダから来た商人達はそこに眼を付けて、蒸留して売る事を思い付いたらしい。酒に強いとされる北欧人達を中心に評判を呼び、やがてイギリスの上流階級の間で人気爆発となり、その名声は一気に広まった。輸出相手に恵まれたコニャックは大成功を収めた。

一方、Armagnac はピレネーに近いガスコーニュ地域(あの「三銃士」所縁の地として有名)に属し、小規模生産者が多数を占めて生産量も低かった事もあり、コニャック程メジャーにはなれなかった。
それでもアメリカ独立戦争の際には、イギリスで人気のあったコニャックやウィスキーがボイコットされてアルマニャックの需要が高まった時代もあった。
因みにコニャックの蒸留はポットスティルでの2回蒸留で、スピリッツの度数も70度前後あるのに対し、アルマニャックの場合は独特の半連続蒸留器(アルマニャック・スティル)を使用。低速での1回蒸留で、スピリッツの度数は55~60度程度に留まる。



camusnpgm80s01  montsq80s01
左画像=コニャックの代表選手、CAMUS Napoléon 1980年代 リッター瓶
右画像=アルマニャックの代表選手 Marquis de Montesquiou Napoléon 1980年代


小生はそれこそ20代から、色々な種類や産地ののブランデーが存在することは知っていた。それなりの種類も飲んでいた。コニャック・アルマニャックという2大メジャーを含むフランス産は勿論、フランス以外の国の物も彼是試した。
ブランデーは葡萄以外の果実からも作られるから、アルザスを始めとして欧州の彼方此方で特産にもなっているフルーツブランデー(Eau de Vie de Fruits)も嗜んだ。
そういう経験の中で小生は、ブランデーの持つその能力はウィスキーのそれを上回るのではないかとも密かに思ってはいたのであった。


これ以上続けると冗長になってしまうので、Part 2 へと持ち越す!



ピンドン=ピンクのドンペリ、つまりDon Perignon rosé(=Moët Chandon のフラッグシップ)とコニャックを混ぜて、氷を入れた大きなブランデーグラスに満たしたもの。バブル時代の象徴みたいな飲み物。ピンドンコニャックもその当時と味が大きく変ってしまっているため(特にピンドンの方が)、今それを完全に再現するのは殆ど不可能。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

前記事のボトラーズウイスキーフェスティバルの記事の続きになる。
このイベント、通常のウイスキーフェスティバル(以下、W.F.)より範囲が限定されている分、スケールの小ささが否めなかった。
そんな中、このイベントの#1 は酒育の会なる所が出していたテイスターズ・ブース。勿論、断トツ!
そこには愛好家垂涎のレジェンドなボトルも数々
その中から幾つかテイスティングさせて頂いた。(一杯10mlで¥1000以上と結構お高く、時間もあまり残っていなかったので色々は飲めなかったorz)


gliv72mlr531a  rosb81prv623a

左画像=John Milroy(ジョン・ミルロイ)のGlenlivet 1972-2002 30yo・53.1%
早々と空になった模様 John Milroy も有名ボトラーだが、そんなに評価されているかは疑問ww。それはさておき、70円台のGlenlivet なんて頂ける機会はこれから殆ど無いと思われるので、空瓶だけ撮影しても虚しい。
右画像=Douglas MacGibbon(ダグラス・マッギボン)のProvenance シリーズからのRosebank 1981-2001 20yo・62.3%
コレは確か賛否が分かれるボトルだった様に記憶しているが、閉鎖から20年以上経過してRosebank も完全に幻の酒となった。


fbois66fmrg01  mstw28y601jma01

左画像=François Marange(フランソワ・マランジュ) のコニャック
今や貴重な60年代蒸溜、しかもコニャックの中のマイナーエリアであるFins Bois(ファン・ボア)の原酒
一般的なコニャックのイメージとはキャラが異なる。華やかさには欠けるが、非常にピュアで透明感があって美しい酒ではある。
もっとじっくりテイスティングすればその良さはもっとよく判るであろうが。コニャックについて一般的に連想されるあの華やかで甘美なイメージはGrande/Petite Champagne 地域の酒から齎されているのかと思ったのである。
因みに、このF. MarangeDaniel Bouju(ダニエル・ブージュ)の2nd ブランド。 良い経験値が一つ積めたかも知れない。コニャックに於いて大手メーカーの品質低下が著しいのは間違いないが、その裏でまだ見ぬ逸品達が埋もれているのかも知れない。それを何とか手に出来る幸運を祈りたい。

右画像=Mosstowie 28yo・60.1% James MacArthur Fine Malt Collection
J. MacArthur は1983年創業の今でも有名なボトラーで定期的にリリースもある。以前は非常に不親切なボトラーで、蒸留・瓶詰年を記載していなかった。
多分初期に近い(つまり80年代)ボトリングかとも推察される。ある御仁の話だと、コイツは度数だけでなく内容もかなり凄いとの事だったが、時間切れで飲めなかった。


bwst63wcd682a  smws582a

allachie69gm568a上段左= Bow Street 1963-1991 27yo・68.2%
W. Cadenhead's Authentic collection
愛好家には御馴染み過ぎるあのCadenhead の150周年記念で瓶詰された物らしいが、此のボトラーは御存知の通りSpringbank と同資本
これはアイリッシュ・ウィスキーで、更には思いっきりシェリーカスク!多少ゴム臭い感じも出てしまっているが、直ぐに忘れる位濃密!
シェリー樽好きには堪らない! 
68.3%なんて事感じない程濃厚!

 
所謂Sherry Monster という様なキャラも強いが、諄いとは感じない。そしてスコッチではなくアイリッシュと判る様な主張もある!
Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら…
                          18~18.5 / 20

 
Bow Street 蒸留所は1780年創業、あの世界的に有名なJameson の蒸留所として有名だった。 Dublin 市内にあってアイリッシュとしては最大を誇った時期もあった。しかし、アイリッシュウィスキーの衰退による業界再編でJameson はライバルだったJohn Powers、Cork と共にIrish Distillers Group に組み込まれ(1966)、Bow Street は1971年に閉鎖。

以来、Jameson はMidleton 蒸留所で生産される事となった。 Bow Street蒸留所の一部は1997年にOld Jameson
Distillery という観光施設兼直売所に造り替えられている

  
上段右= SMWS・58.2  中身はStrathisla(ストラスアイラ) 1977-93 16yo 53.6%
Chivas Regal のメインモルトとして有名で、Glenlivet、Aberlour、Longmorn 等々と同じくPernod Ricard 社の傘下にある。 Strathisla は抑々、モルトとしての流通がかなり少ない。ボトラーズからのリリースも少ないが、 SMWS(ザ・ソサエティ)からのリリースも非常に少ない。
肝心の内容だが…、期待したより良かった!
オフィシャルの旧瓶を濃縮した様な感じで、正統派のStrathisla という所か。ストラスアイラは本来非常に美味い酒だと素直に思わせてくれる上に、膨らみも広がりもしっかりあって立体感もそこそこある。更にはアフターも消えるかと思ったら盛り返してくる。
こちらに点を付けるとするなら… 18 / 20

 
下段=Glenallachie 1969-87・56.8% Gordon and MacPhail
G&M の非常に懐かしい墓石型ラベルのcask シリーズ。しかも2000年頃までの白いラベル!
たかがGlenallachie などと侮ってはならない!
さすがそこは60年代、フルーティーで結構濃密、熟成したBourgogne のChardonnay をインスパイアさせる部分もあって、なかなかの美酒!
こちらにも点を付けろと言われれば… 17.5~18/20

 

gfc79fc503a
こちらは信濃屋ご自慢のオリジナルボトリング。
Glenfarclas "The Family casks" 1979-2015 50.3% 
plain hogshead 熟成


 「白の笑撃 衝撃 妖艶のスパイス」という謳い文句を引っ提げてとんでもない価格で売り出されたが、あっという間に完売した

シェリーカスクが7割程度を占めるとされるこの蒸留所としてはプレーンカスクの奴はなかなか見られない
212本リリースという事だが、何と言ってもその内の何割が中〇やイ〇ド辺りに「転がされる」のか興味深い所でもあるwww


信濃屋に限らず、ブースを出していた業者や団体はウイスキー文化研究所関係のイベントの常連みたいな所が殆どだった。
 

通常のW.F. は18時終了なので、この日の終了時間も18時と勘違いしてしまっていて、会場入りが遅れてしまったのは大変なしくじりだった。16時半位に「もうすぐ終了…」と言われて17時終了だった事に気が付いた時にはもう遅し。この1時間のズレは大きかった。これで飲めた筈の物が飲めずに悔しい思いをしてしまった。


このイベントの総体的な印象としてはアイテムのレベルを落としていると思われるブースも見受けられ、全体として何処かショボい印象が拭えなかった。会場の規模、ブースの数等を鑑みると、フェスティバルというのは如何なものかとも思ってしまった。

それと同時に、輝かしいレジェンドお寒い現在というコントラストを見せつけられて愕然としたのも事実である。

価格高騰が尋常でなく、現実的な価格で売れない状況が続いている。この様な一種のバブル状態を受けて、スコッチモルトの蒸留所でも贅沢品的なブランド戦略を打ち出す所が増えてきた。
ボトラーズにとっては価格高騰という以前に瓶詰する酒(樽)が手に入れられないという事態が深刻化すると思われ、スコッチ専門でという訳にも行かなくなったら、バーボン、アイリッシュ等スコッチ以外のウィスキー、更にはラム、ブランデー等の酒に手を出さざるを得なくなるかもしれない。


だが、こちらの方も供給が逼迫しているのは明らか。ボトラーズにとっては冬の時代になる可能性は高く、ここから一気に淘汰が起きる事も充分考えられる。
ボトラーズ&クラフトウイスキーW.F. というこのイベント、個人的見解としてだが、次はあるのかと云えばそれは非常に疑わしい。


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Mar. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

シェリーなんて酒のどこが美味いのか、あんなヒネた酒なんて飲めないという御仁も多かろう。これ自体は個人の好みという所が大きいから責める気は無い。
しかしながら、シェリーという酒に対する評価が低過ぎるのではないかというのが小生の率直な思いである。


この酒についてこの国の大多数の人は、パーティー等のウェルカムドリンク若しくはオードブルの前に少しだけ飲む様なイメージで、本格的に飲むという事は考えないであろう。
イギリスを中心に隆盛を誇ったシェリーだが、消費量も生産量もここ数十年で落ち込む一方である。この事態がシェリーカスクの確保を困難にしている。生産する蔵の数も全盛期と比して1/10程度になっている。

この背景として、世界的な嗜好の変遷の中で、結果としてこの酒自体が「時代遅れ」になってしまった。更には、ワインの輸送や保管に関する技術が大幅に向上し、スティルワインをほぼ世界中に良い状態で輸出入出来る様になったことは大きい。酒精強化という事自体、輸送中の劣化を防止する意味合いで始まった技法といえるからである。

この状況は歴史の必然といえなくもないが、そういう中でも、復権の兆しも見える様な事もちらほらとある。少し前にイギリスでManzanilla がブームになったらしいが、日本でもシェリーを大々的に取り扱うバーが増えつつある。ただ、バーというよりスペイン型バルという形態が殆どだが。

しぇりークラブ(東京・京都)は有名になったが、東京ならエチェガライ(Echegaray)、ベネンシア(Venencia)、バル・デ・オジャリア(Bar de Ollaria)
関西で挙げれば、キンタ(Quinta =大阪)、シェリーバーKAO、Venga(京都)、うさぎ(神戸)、Sherry Bar A&G (西宮)こういった辺りであろうか…
 

bbramon01
ここで、小生にとってのタイプ別萌え度を著すと…
Fino (Manzanilla 含む)      ☆☆☆☆
Amontillado             ★★★☆☆
Oroloso               ★★★★
Palo Cortado            ★★★★★


 
左画像を見るとラベルこそウィスキーファンには御馴染みで英国の有名な酒商であるBBR=Berry Bros. & Rudd だが、
中身はエミリオ・ルスタウ=Emilio Lustau のアモンティヤード
この蔵、先ず間違いは無い!飲む前から期待大! 非常に高いレベルで安定している上に、Almacenista シリーズというレアなアイテムでも名を馳せる
勿論、アルマセニスタシリーズでない通常のシェリーも素晴らしい! カッチリしていてブレも隙も無いというのが第一印象


アルマセニスタとは、シェリーの醸造と熟成までを手掛ける個人醸造家。この個人醸造家も資金繰り等の問題から激減し今は50人を割っている。
実はこのルスタウ、1950年まではこのアルマセニスタの一人だったが、そこからシェリー界ののスーパースターの一角に食い込んだのである。


フィノ系はそれこそ白ワインの代わりになる。¥5000程度の下手な白ワインより美味しい奴はいくらでもある。
アモンティヤードはそれこそ万能選手になり得る存在である。
オロロソ(ドライタイプ)やP. コルタドなら赤ワインの代わりに肉料理とコーディネイト出来る。
又、長熟品でアルコールが20度辺りに達している物であればウィスキーやブランデーの代わりに飲んでも良く、シガーと共に楽しむ事も可能である。
フィノでもアルコールは16度位あるので開栓後の寿命も長い、アモンティヤード等の酸化熟成系は18~20度の奴が多く、元々酸化しているので更に丈夫で重宝する。


tesoroalmr01  bertola01

左画像=Real Tesoro(レアル・テソロ)の上級品でオロロソはAlmirante(アルミランテ)
価格はリーズナブルだが、評価は結構高い。オロロソは本来辛口だが、このオロロソは完全な辛口ではない気がする、僅かにP.X. が混合されている様に思える。
右画像=Bertola (ベルトラ)のオロロソ・12年熟成 
この蔵は1911年創業このBertola は目〇田〇屋お勧めとして上のBBR と共に購入


pc20wh01  alxgdnpc01

左画像=William & Humbert(ウィリアム&ハンバート) Palo Cortado 20年
創業は1877年、シェリーでも最大手の一つとして、" Don Zoilo "、" Dry Sack " 等のシリーズで有名。その中でもプレミアムレンジに入る逸品がコレ!
右画像=Alexander Gordon (アレクサンダー・ゴードン) Palo Cortado
この作り手は際立つ部分は無いものの、綺麗に纏まっている優良な所で、価格も比較的リーズナブル。ただ、名古屋の大栄産業が取扱いを止めたため日本ではもう終売となり幻の銘柄に。




シェリーからはブランデーやヴィネガー等の副産物も出来る。この中にも逸品が存在する。


シェリーから派生するブランデーはシェリーブランデー又はへレスブランデーと呼ばれる。
本来シェリーの酒精強化に用いるワインスピリッツをブランデーとして樽熟させた物が多い。


vlpnfh01  osbrandy01

左画像=ヴァルテスピノ(Valdespino)のFamily Heritage 40%
右画像=オスボーン(Osborne)のConde de Osborne 40.5%
両者ともメジャーな生産者の品で、シェリーブランデー最上級規格のSolera Gran Reserva 。

因みにヴァルテスピノの方は100年を超える原酒も混じっているが、19世紀から組まれているソレラを使っているからこその芸当といえる。価格は¥17,000位。


jerezbrandy01

左側=ガーヴェイ(Garvey)が世に送り出す超高額ブランデー、Conde de Garvey
外販される事なくプライベートで200年以上脈々と受け継がれたブランデー、勿論ソレラでの熟成。ボヘミアガラスのボトルでキャップは銀製! その価格、現在約16万円


右側=Barbadillo の超高級シェリー、Reliquia Barbadillo(レリキア・バルバディージョ)
此処に写っているのはP.X. =極甘口のヤツだが、他にAmontillado、Oroloso、P. Cortado もある
これを育むソレラも150年以上というからビックリ! 因みに価格は最低でも¥45,000以上!


シェリーという酒、勿論ピンからキリまである。下は¥2000を切るものから上は数万円に達する物まである。
ただ、¥3000程度の奴でも優秀な生産者の物なら然して不満を覚える事はあるまい。¥4000~6000位のクラスになればかなりのハイレベルが期待出来る。


小生は学生時代から少しは嗜んでいたが、そこから約25年時折は楽しんでいたが、今シェリーカスクのウィスキーという所から廻り込んで新たな発見を重ねながら今迄以上に嗜もうとしている訳である。

最後にもう一度  そうだ! Sherry を飲むべし! 
このアクションでシェリーのみならずウィスキーをも救えるかも知れない!
そう願ってSherry を飲むべし!


シェリーの御供にはやはりコイツが最高か、スペイン産高級生ハムの代名詞ハモン・イベリコ(Jamón Ibérico)

jamon01

 

某サ〇トリーがValdespino (ヴァルテスピノ)を買収したのは記憶に新しい。
大々的にシェリーを売り出す事よりも、自社のウィスキーの為のシェリー樽を確保する事が主目的なのは明らかだった。
しかし、見事にその目論見は外れた!(抑々シェリーを馬鹿にした話だがww) 
まぁ、" It serves you right " とまでは云わないがwww



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jan. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ   にほんブログ村   にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ   にほんブログ村   にほんブログ村 酒ブログ ワインへ   にほんブログ村



写真 ブログランキングへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ