Dufftown 街角ミュージック

穏健主義の波とマイナーパワーがこの世を救う

カテゴリ: wine

今回フィーチャーする René Engel (ルネ・アンジェル)を覚えている方々はどれだけおいでだろうか?
ワイン好きを自称されている様な御仁から、その道のプロという御仁まで含めて、ブルゴーニュワインに対する知識をある程度以上持っておられないとこの名前は中々直ぐに思い出されないであろう。何せ、この生産者は15年前に消えてしまったのだから。
1910年に創設されたこの蔵は Vosne Romanée(ヴォーヌ・ロマネ)に本拠を置いていた。創設者は勿論 René Engel 氏だが、この生産者をスターにしたのはその孫に当る Philippe Engel (フィリップ・アンジェル)氏である。フィリップが蔵を継承した1980年代以降は特に目覚しい活躍で高い人気と知名度を博していた。
所有する畑は総計で6ha程と規模としては非常に小さいものだったが、Clos-Vougeot(クロ・ヴージョ=1.37ha)、Grands-Echézeaux (グラン・ゼシェゾ=0.5ha)、Echézeaux (エシェゾー=0.5ha)という特級畑 3箇所、しかもそれぞれ最上級の区画を持っていた


2005年、この生産者を突然の悲劇が襲いその歩みが絶たれてしまった。この年の5月に休暇でタヒチを訪れていたフィリップが心臓麻痺に襲われて急死したのであった
ドメーヌは廃業となりその 6haの畑はFrançois Pinault (フランソワ・ピノ)率いる Groupe Artémis (グループ・アルテミス)に13億ユーロ=当時のレートで約19億円で売却された。これを受けて Château Latour やあの Gucci や Yves Saint Laurent を抱えるこのグループによってDomaine d'Eugenie (ドメーヌ・ドゥジュニ)が造られて今に至っている。



cvou99rnengl01
ここからはワインのインプレッションとなる。
最初に色だが、中間的な深さだが澄んだ感じのガーネットでエッジに少しレンガ色が入る。これだけなら非常に期待出来る感じに見える。


拾い出したエレメンツを挙げて行くと…、
先ずはリコリス黒文字鞣革、トリュフ、腐葉土、夏の土、乾燥したモリーユ、丁子、煎ったカカオ高級肉まんの中身シナモン
その後出て来たものとしてはプラムブラックチェリーハスカップ古い時代のFernet 系アマーロ系Bénédictine、薫茶
ローレル(生)ラズベリー焼きたてバゲットセミスウィートチョコ、Kirsch、ラヴェンダー野苺


香味のトーンが総体的に暗い。20年の熟成を経ている事もあって熟成によって顕在化したエレメンツが表に立って来ている印象。
ボディの厚味は結構なもの。酸に不足感はないがキレ上がってくる感じは今一つで、バックラインでの主張も思った程強くはない。1999という年の感じが強く出ている気がする。



妙な断層はなくシームレスな躯体を見せてくれるものの、タニックな所が目立つのも事実。若さと固さもまだ見出される。
そうはいってもしっかりした美しい溶け込みでパワーは完全にグランクリュという事なのだろうか。ただ、後半終盤フィニッシュにかけての盛り上がりと吹け上がりが少々弱く見えてしまう。酸のパワーが少し不足気味だからであろう。
そうは言っても時間経過と共にトーンは少し明るくなってしかもアフターはかなり長い物に変わるが、何しか本当の美麗さに少し欠ける様な印象。極めて誠実に作られた濃密なワイン、これこそがアンジェルの武器だったのだが、小生の期待が大き過ぎたのだろうか。

Clos-Vougeot はその畑面積が50ヘクタールを超えるから、偉大なものからへなちょこまで格差がデカいのだが、ここのワインは勿論偉大な方に入るどころかトップクラスだったのは間違いない。

最後にスコアリング結果の発表…、少々迷ったが結局 18 / 20



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

Henri Perrot-Minot (アンリ・ペロ・ミノ)、要は Domaine Perrot Minot (ドメーヌ・ペロ・ミノ)
その本拠は Morey-St.-Denis (モレ・サン・ドゥニ)で、現当主の Christophe(クリストフ)で4代目になる。3代目の Henri によって Domaine Perrot-Minot として興されたのは1973年、クリストフに継承されたのが1993年だった。継承した畑からのワインにはアンリの名が付き、93年以降に購入した畑からの物はクリストフの名で売っていたが、2005年からは Domaine Perrot-Minot に統一した。今回登場するのは先代から所有していた1級畑からのワインで、畑自体は村の中心に接する細長い所である。因みに他の生産者でこの MSD La Riotte が有名なのは Hubert Lignier (ユベール・リニエ)、Taupenot-Merme (トプノ・メルム)という辺り。



msdrio99permi01
この作り手は、90年代は凝縮感を売りにするスタイルだった。(当時の圧倒的な流行りでもあった)この1999VT のワインもそういう作り。2000年代以降は作りの方向性が変わったとされる。


色はBourgogne としてはかなりダークでくすんでいる。
丁子、セミスウィートチョコ、リコリスがお出迎え
ブラックチェリー、ブラックベリー、ハスカップ、シャンボールリキュール、そして鞣革、堆肥
酸よりタンニンの甘苦さが目立つというブルゴーニュワインとしてはやや異例な展開。それも時間と共に変化するかと思ったが、なかなか変化しない。兎に角甘ったるいフィーリングが延々と続いてしまうのには参った。
遅ればせながら苺ジャム、ラズベリー、クランベリー、野薔薇Bénédictine
返りの中からプラリネ、生キャラメル
時間が経っても基本的なバランスは変化せず、やや鈍重なフィーリングに徹してしまった。結構な値段出して買ったのにこれかよ(怒)というより他はない。アフターに向かっての盛り上がり・伸びやかさが然程感じられない。



酸のプレゼンス自体は時間経過と温度上昇によって少し回復したが、ブルゴーニュとして欲しいレベルに達していない。構造の維持を凝縮感に頼ってしまう感が強かった。以前、この蔵について「濃いけど余韻が短くてどこか雑な造り」という批評は彼方此方であったが、それが見事に当った様なボトルであった。
21世紀に入ったからのペロミノと比較するには良いのかも知れないが、今世紀に入ってからのこの蔵のワインは異常な値段であるから現実的ではない。


スコアリングは仕方なくしたという感じにはなったが、16.5 / 20
まぁ、こんな程度だろう。




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

当サイトで2年前にもフィーチャーしたMontevertine (モンテヴェルティネ)、その時は1995年のモノだったが今回はヴィンテージ違いの1997年。
Chianti classico(キャンティ・クラシコ )の中でも Radda in Chianti (ラッダ・イン・キャンティ)という標高の高い場所に畑を構えているこの生産者、その歩みは1967年に当時鉄鋼業を営んでいた Sergio Manetti (セルジオ・マネッティ)氏が5エーカーの畑を購入してスタート。最初のリリースは1971年VT で当時はChianti Classico を作っていたが、1977年にその枠を超える Le Pergole Torte (ペルゴール・トルテ)の生産を開始。
所謂スーパータスカンという括りにしてしまうと、Sassicaia (サシカイア)や Tignanello(ティニャネロ)よりは後輩だが、Ornellaia (オルネライア)よりは古いという事になるのだが、それでも古参の部類に入る。
その後1980年代になるとChianti Classico の生産は止めて、IGT 規格のワインに完全にフォーカスした。


Le Pergole Torte がSangiovese (サンジョヴェーゼ)100%でフレンチオークのバリックを多用する典型的スーパータスカンであるのに対して、その下位に当る Montevertine は Sangiovese 90%にCanaiolo(カナイオロ)と Colorino(コロリノ)を混醸してスラヴォニアンオークの大樽を使う。こちらはChianti Classico DOCG を付けて売る事も可能なのであるが、そういう事はしない。それは生産者の意地、プライドそして、こだわりと云う事だろう。この2銘柄、上位下位という以前にスタイルが大きく異なるのである。
何れにせよかなり忍耐強く熟成させないとその真の姿を現さないという少々厄介なワインだが、「高ければイイ、有名ならイイ」等とほざく俄かどもにはこんな世界は理解出来まい。


montvt97a
ワインのインプレッションに入る。
先ずは色を見る。少しだけレンガ色の入ったガーネット、クリアで輝きもあって深度は中程度。


拾い出したエレメンツを纏めてみるとこうなる。
第1グループとしてはリコリス、黒文字Cognacクローブ、シナモン、カルダモン、カラメル、Bénédictine、Drambuie
昔のキナリキュール煎ったカカオ(アフリカ系)
そこからの第2グループは赤スグリ、苺、ラズベリー干し葡萄、ダークチェリー、プラムクランベリー
更に竹炭、乾燥セップ茸ブルーベリーcrème de moca といった辺りが加わって来る。


早い時点からタンニンより酸が前面でワイン全体を強力に支える構造が明らかになる。強力とはいっても押しの強さではなくあくまでも美しく嫋やかさがある。総体的に非常に良く練れていてシルキーな舌触りも提供している。それでいてまだ若さと力強さも忘れていない。ボディの構成にどこかBourgogneのGC を想起させる部分がある。


出汁と旨味の効いた感じが出るのにやや時間がかかるが、そこからは非常に良くシームレスに溶け込み、流麗さは期待通り。現時点でかなり甘美な液体に仕上がってきてはいるが、まだ伸びしろも見て取れる。2年前の時点で嫋やかになりきってしまっていた感のある1995とは違う。
1995と比べて完成度ではまだまだかも知れないが、密度では勝る。サンジョヴェーゼと言っても非常に幅は広いが、この葡萄の神髄を著すワインの一つと言って差し支えない。

スコアリングの結果としては、18.5~19 / 20


1995の同銘柄のインプレッションはこちらを参照



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

今回フィーチャーするのはLadoix-Serrigny に(ラドワ・セリニ)に所在する Domaine Cachat Ocquidant (ドメーヌ・カシャ・オキダン)のワイン。
この Corton Clos des Vergennes (コルトン・クロ・デ・ヴェルジェンヌ)はこの生産者のフラッグシップである。
所謂コルトンの丘周辺に13haの畑を有しているこのドメーヌは育てた葡萄を元々大手のネゴシアンに販売するだけだったが、1988年から自社で醸造から瓶詰まで行う様になり、以来醸造・熟成・瓶詰まで一貫して家族で行っている。栽培はリュット・レゾネで行っている。赤ワインの醸造は選果と除梗を行い、15日程度掛けて発酵を行い圧搾の後に樽熟成を行っている(新樽使用率は40%程度)。
白の場合は空気圧搾した果汁をデブルバージュ(前清澄)、樽発酵を行いパトナージュ~シュル・リーを経て11ヶ月後に瓶詰される。


cortvegn2k2oqid01
ここからは17歳になったこのワインのインプレッションに行きたいと思う。(今年12月上旬)

色はややレンガ色が混じり始めたガーネット、クリア感はあって深度はそこそこ。年齢の割には進んでしまった様な印象すら受ける。
ラヴェンダー野薔薇のといった所が先ずは御出迎え。
そこから少し遅れて本丸とも呼べるエレメンツが登場。
それはラズベリーリコリスハスカップビターチョコ、トリュフといった辺りで、第2グループ的なものとしては
竜胆の根プルーン昔のFernet 系黒文字ミント、ローズマリー、アッサムティー

時々かなりの甘美さを見せるも、ややタニックさが目立ってタイトで内向的になる場面も多い。総体的に横の広がりより垂直感の目立つボディだが、香味のグリップは強く持続力という面でも安定して高レベル。
これでも完全覚醒の手前という感じだろうか、トータルバランスが安定するまでに4時間以上掛かっている。力強さも主張していて、今でも完成度は高いが、更に未だ熟成してレベルアップする余地もありそうだ。


小生的にスコアリングすると…、18 / 20 は遣れそうである。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

このCoursodon (クルソドン)という蔵はSaint-Joseph (サン・ジョセフ)に特化したドメーヌらしく、Jean-Auguste (ジャン・オーギュスト)及び Antonin (アントナン)の Coursodon 親子が19世紀末に設立したのが始まり。アントナンはこの蔵のプロモーションに務めて、1930年代にはTain-Hermitage Tournon (タン・エルミタージュ・トゥルノン)でのワインフェアにも参加する様になった。(この近くにはヴァローナ=Valrhona の本社もある
1950年代に入ると3代目の Gustave (ギュスターヴ)が後を引き継いでいたが、蔵のワインをパリで売るようになり更には元詰めでの販売も開始した。そして丁度その頃、Saint-Joseph がAOC になっている=1956年。
1970年代初頭からは、代替わりで引き継いだ Pierre =4代目はワインのクオリティの更なる向上と畑の改良に努力した。1998年からは5代目となるJérôme(ジェローム)が運営に参加、彼のモットーは “It is the sum of small details that makes the difference” =細かい事でもそれが積み重なって大きな違いを生む、という事だそうだ。
この蔵が作り出すワインは全てサンジョセフで、Silice (シリス)=赤白、Paradis Saint Pierre (パラディ・サン・ピエール)=赤白、La Sensonne (ラ・センソンヌ)=赤、l’Olivaie (ロリヴェ)=赤という6種類である。この蔵は16haの畑を所有して、13.5haが赤ワイン用で、残る2.5haが白ワイン様に充てられている。


sjoliv2k1coursd01

日本国内では殆ど見かける事すらないと思われるこのワインを入手出来たのは今から考えると奇跡に近いかも知れない。おそらく少数がスポット輸入された際に運良く見付けられたと思われる。運が良いというより寧ろ奇跡的だったとすら言える。

ここからはワインのインプレッションに移るとする。(テイスティングは2019年5月)

先ず色の方だが、そこは少し紫がかってくすんだガーネットを呈していた。
カンファー、ミント、楠、昔のFernet 系が先行して、やがてブラックチェリー、シャンボールリキュール、ブルーベリーといったニュアンスが軸を成す形となる。
そこから加わってくるのはアッサムティー、キャラウェイシード、リコリススミレ、ラヴェンダーcrème de cacao、コーヒー
更にはJägermeister、Angostura、湿式葉巻、鞣革、フェヌグリークといった辺りが続いた。



このアペラシオンの物にしてはトーンがかなり暗く見える、そして18年近くを経ていてもまだまだ若々しい。ボディも非常に押して来る感はあって、口内からもだが、喉元やその奥から押してくる。
それでも酸やタンニンは明確で、トータルバランスは非常に良い。非常に濃密ではあるが肌理は細かく諄さは感じない。総体的に透明感とピュアネスも非常によく出ていて、サンジョセフに対する一般的なイメージとはかけ離れた所がある。アフターも時間と共にドンドン向上してかなりのものになった。
これをブラインドで Saint-Joseph と言える奴は極めて少ないだろう、Hermitage と答えてしまう人が大多数だろう。
全体のタッチとしては、不思議に思うかも知れないが、クラシックなボルドーを想起させる様な所もある。しかしながらそこにもやはり独特なものが強く滲み出る。何つったって Syrah のワインだという事であろう。後5年位は待っても良かったと思う、まだまだ全然力もある。


何せ日本でこのワインを手に入れるのはほぼ不可能と思って良い。ググっても日本のサイトはほぼ出て来ず、出て来ても昔のブログ記事が僅かに出て来る程度である。フランスを始めとしたEU 域内での人気が高くて日本にまで割り当てるのも難しいのかも知れないが、同時にこういうワインを積極的に扱おうというインポーターも殆ど無いという日本側の現実もあるのは明白。この国のワイン界の超お寒~い所である

最後にスコアリングの結果だが、18.5 / 20 これ位は進呈して宜しいだろう。サン・ジョセフを舐めてんじゃねーぞコノヤロー!という声まで聞こえてきそうだった。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ