Dufftown 街角ミュージック

穏健リベラルの波とマイナーパワーがこの世を救う

カテゴリ: wine

このCoursodon (クルソドン)という蔵はSaint-Joseph (サン・ジョセフ)に特化したドメーヌらしく、Jean-Auguste (ジャン・オーギュスト)及び Antonin (アントナン)の Coursodon 親子が19世紀末に設立したのが始まり。アントナンはこの蔵のプロモーションに務めて、1930年代にはTain-Hermitage Tournon (タン・エルミタージュ・トゥルノン)でのワインフェアにも参加する様になった。(この近くにはヴァローナ=Valrhona の本社もある
1950年代に入ると3代目の Gustave (ギュスターヴ)が後を引き継いでいたが、蔵のワインをパリで売るようになり更には元詰めでの販売も開始した。そして丁度その頃、Saint-Joseph がAOC になっている=1956年。
1970年代初頭からは、代替わりで引き継いだ Pierre =4代目はワインのクオリティの更なる向上と畑の改良に努力した。1998年からは5代目となるJérôme(ジェローム)が運営に参加、彼のモットーは “It is the sum of small details that makes the difference” =細かい事でもそれが積み重なって大きな違いを生む、という事だそうだ。
この蔵が作り出すワインは全てサンジョセフで、Silice (シリス)=赤白、Paradis Saint Pierre (パラディ・サン・ピエール)=赤白、La Sensonne (ラ・センソンヌ)=赤、l’Olivaie (ロリヴェ)=赤という6種類である。この蔵は16haの畑を所有して、13.5haが赤ワイン用で、残る2.5haが白ワイン様に充てられている。


sjoliv2k1coursd01

日本国内では殆ど見かける事すらないと思われるこのワインを入手出来たのは今から考えると奇跡に近いかも知れない。おそらく少数がスポット輸入された際に運良く見付けられたと思われる。運が良いというより寧ろ奇跡的だったとすら言える。

ここからはワインのインプレッションに移るとする。(テイスティングは2019年5月)

先ず色の方だが、そこは少し紫がかってくすんだガーネットを呈していた。
カンファー、ミント、楠、昔のFernet 系が先行して、やがてブラックチェリー、シャンボールリキュール、ブルーベリーといったニュアンスが軸を成す形となる。
そこから加わってくるのはアッサムティー、キャラウェイシード、リコリススミレ、ラヴェンダーcrème de cacao、コーヒー
更にはJägermeister、Angostura、湿式葉巻、鞣革、フェヌグリークといった辺りが続いた。



このアペラシオンの物にしてはトーンがかなり暗く見える、そして18年近くを経ていてもまだまだ若々しい。ボディも非常に押して来る感はあって、口内からもだが、喉元やその奥から押してくる。
それでも酸やタンニンは明確で、トータルバランスは非常に良い。非常に濃密ではあるが肌理は細かく諄さは感じない。総体的に透明感とピュアネスも非常によく出ていて、サンジョセフに対する一般的なイメージとはかけ離れた所がある。アフターも時間と共にドンドン向上してかなりのものになった。
これをブラインドで Saint-Joseph と言える奴は極めて少ないだろう、Hermitage と答えてしまう人が大多数だろう。
全体のタッチとしては、不思議に思うかも知れないが、クラシックなボルドーを想起させる様な所もある。しかしながらそこにもやはり独特なものが強く滲み出る。何つったって Syrah のワインだという事であろう。後5年位は待っても良かったと思う、まだまだ全然力もある。


何せ日本でこのワインを手に入れるのはほぼ不可能と思って良い。ググっても日本のサイトはほぼ出て来ず、出て来ても昔のブログ記事が僅かに出て来る程度である。フランスを始めとしたEU 域内での人気が高くて日本にまで割り当てるのも難しいのかも知れないが、同時にこういうワインを積極的に扱おうというインポーターも殆ど無いという日本側の現実もあるのは明白。この国のワイン界の超お寒~い所である

最後にスコアリングの結果だが、18.5 / 20 これ位は進呈して宜しいだろう。サン・ジョセフを舐めてんじゃねーぞコノヤロー!という声まで聞こえてきそうだった。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

ここ最近は体調不良に悩まされた上に、今月に入って忙しい日が続いたので1週間も放置してしまった小生だが、今回フィーチャーする Domaine de Vallouit (ドメーヌ・ドゥ・ヴァルイ)は嘗てローヌ北部地域の Vaulier (ヴォリエ)なる所に存在した生産者である。規模は畑面積で30ha程とそれなりの規模があった模様だが日本では殆ど出回らず、僅かにスポット輸入された物が見られただけであった。Côte Rôtie (コート・ロティ)の方での評価は非常に高いとされたが、Hermitage (エルミタージュ)も 1.8haと小さいながら素晴らしい区画を所有しこの産地を代表するワインの一つであった様だ。

このドメーヌを経営していたのは Louis de Vallouit (ルイ・ドゥ・ヴァルイ)という御仁。彼は元々スポーツ選手でモンテカルロラリーに出場していた経歴を持つ。そこから上述の通り大変素晴らしいワインの生産者になったのだが、経営状態は決して芳しくなかった様である。最終的には2000年に引退、翌年に畑をあの Etienne Guigal (エティエンヌ・ギガル)に売却してしまった。ギガルはその買収した畑から Hermitage EX Voto (=鬼畜グローバルワインの一つ)を作り出してしまったのである。ギガルは以前からその畑を狙っていて、易々と強奪した様なものだった。

hermgref98vall01
てなわけで、実際のワインのインプレッションに移るが、色は輝きのある深めのガーネットでルビーパープルを少し残している。
拾い出せたエレメンツを集めて整理してみると…
シナモン、クローブ、ローズマリー、昔のFernet 系リキュールという所が先行して、
リコリス、楠、ブラックチェリー、ブラックベリーブルーベリー干しブドウプルーンエキスなんて辺りが中心を作る。
そこからビターチョコ、Cognac、カカオリキュールカプチーノJägermeisterBénédictineカシス、シャンボールリキュール
更に微かだがキームン紅茶、トリュフ、フェヌグリーク、クミン、刻み煙草


構造は総体的にかなりの高密度で、昔のボルドーの理性的に対峙して来るボディと、ブルゴーニュの包み込んで来るような華やかな美しさを併せ持つ様に見える。それのみならず、時間経過と共に各要素の溶け込み方、流麗なボディ、そしてウットリする様な返りを出す様になる。
エレメンツがそうそう易々と因数分解を許さない位に高度にシルキーに重合しているのもポイントが非常に高い。


それでいて同時にSternnessを見出させる酸及びタンニンの堅牢さはかなりのもので、20年以上経った今でもまだまだタイトさを演出する。
最上級の出汁の様な旨味感と梅酒の様な抜け、強く響く様な返り、アフターも時と共に長さを思いっきり出す。
既に妖艶さすら演出する様になっているが、この後5年待つとどうなるかを思うと凄いものすら感じる。完全覚醒という嵐の前の静けさの様にも見える。


スコアリングの方だが...、18.5~19 / 20 、これ位は付けないと失礼というものであろう。

小生がこの Vallouit のワインを買ったのは16年位前だったが価格は8000円程度。同じ畑からギガルが作る EX Voto はデビュー当時で20000円弱で今や30000円クラス。何といってもそこはさすが E. Guigal という訳で、その欲の深さは西洋人らしくウルトラ級の底なし沼で大草原



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、南アフリカのワインをこちらの記事で取り上げた。南アフリカというとワイン産地としては意外に古く、チリやアメリカより先輩である。
この国の気候帯を調べてみると中~北部はステップ気候や砂漠気候の場所が多く、ヨハネスブルク等がある東部は温暖冬季少雨や温暖湿潤、海洋性気候のエリアが広がっている。よってワイン産地は地中海性気候の南西部の一部地域=西ケープ州及びその周辺にどうしても限られる、つまりケープタウン周辺の地域という事になる。因みに南緯は33~35度で、オーストラリアワインの産地と緯度はほぼ一緒。ワイン産地としてはかなり低緯度という事で、北半球の産地であればサンタ・イネス(Santa Ynez, CA)や大阪といった所に相当する。


南アフリカのワイン産地としてはケープタウン(Cape Town)を含むコスタルリージョン(Coastal Region)が一番メジャーである。エリア毎の栽培面積10傑の内6つを占めるのがこの地域でStellenbosch (ステレンボッシュ)、Paarl (パール)、Swartland (スワートランド)Franschoek (フランシュック)等といったワイン産地を擁している。
これの東に隣接するのが Breede River Valley (ブレード・リヴァー・ヴァレー)と Cape South Coast (ケープ・サウス・コースト)という2つのエリアである。前者は Robertson (ロバートソン)・Worcester (ウォースター)といった産地を含み、後者は Elgin (エルギン)・Walker Bay (ウォーカー・ベイ)・Overberg (オヴァーバーグ)といった産地を擁していて冷たい海風の影響で冷涼な気候になっている。


ここで、南アフリカのワインを買ってみようと思っても扱っている店は少ない。KWV やNederberg なんて大手は1980年代から東京では売られていたのは事実だが、小生が欲しいのはそんなスタンダードな品ではない。
そこで改めて探してみると、南アフリカワイン専門店と称する所が足立区の一寸マイナーな場所にあった!ので、思い立ったが吉日と増税前の先月末に押し掛けてみた。
その店の名は何とアフリカー(Af-Liqour)、アフリカ(Africa)とリカー(liquor)を足して2で割った何の捻りもないストレートなネーミング
日暮里舎人ライナーの下にある尾久橋通り沿いで、西新井大師西駅・谷在家駅の丁度中間に当る様な場所にあるそんなに大きくもないマンションの1階にひっそりと所在して営業していた。
如何せん非常に小さな店なので、店の2/3はセラーになっていて残りは狭いカウンターという具合で、動線を確保するにも苦労する様な所だった。
ウェブの方で予め幾つか目星を付けておいてはいた。南アフリカワインというと、赤ならCabernet やPinotage(ピノタージュ)白ならChardonnay・Semillon・Chenin Blanc といったイメージが強いが、ひねくれ者の小生は敢えて Syrah 又は所謂ローヌ系ブレンドからセレクトしたいという事で、希望の予算の大枠も伝えてから店主の小泉氏より色々ご紹介を頂いた。
小泉氏と30分以上話をして最終的にセレクトしたのはコイツ!、だが今回の話はあくまでも買ってみたというだけの話なので悪しからず。


kersyr2k14cs01

イギリス出身のRichard Kershaw (リチャード・カーショー)が作り出す
Elgin Syrah Clonal Selection 2014 (エルギン・シラー・クローナル・セレクション)


カーショー氏は料理人成功しつつも世界中を旅して南アフリカに1999年辿り着き、その後Master of Wine (マスター・オヴ・ワイン)の称号を獲得、2012年に自身のワイナリーを立ち上げた。赤は Pinot Noir 並び Syrahから、白はChardonnay から作られる。

ヴィンテージごとの性格なんてあまり語られなくなった昨今、特に新世界系のワインの場合どうせ毎年一緒だろうという先入観が拭えない傾向にあるが、小泉氏とのやり取りを通じて南アフリカワイン、特にエルギンの様に冷涼な産地では年毎にその特徴が大きく変わるという話を聞き、ニューワールドといって一括りにしてバカにしてはいけないと思った小生である。

そこで、Elgin (エルギン又はエルジン)という所について調べてみた
Google Map やネットに転がっている各種資料や画像を見ると、1000m級の山の麓にある標高250~400m辺りの緩斜面に葡萄畑が広がっている模様で、画像を見る限りアフリカとは到底思えない様な光景が広がっている。それこそイタリア北部辺りと勘違いしてしまう様な所である。年月をかけてなだらかに削れた様な地形で地層は結構古い様に見える。
池が各所に点在していて、地中の水分は適度に保たれやすい事も窺い知れる。20世紀初頭からリンゴを始めとした各種のフルーツの生産地として急速に発展していた位の場所で、リンゴ果汁100%の炭酸飲料として世界的に有名な Appletiser (アップルタイザー)もこの場所で産声を上げている(1966年)
南緯34度といいいながら、冷涼な気候で葡萄もピノノワールシャルドネが主力になっているが、そんな気候で育つシラーも実は期待が持てる。
2014年は葡萄の成熟が比較的スローだったらしく、ハングタイムも稼げて過熟にならず酸もしっかり残っているのであれば、ローヌワインのオルタナティブになり得るのではないかと期待する小生である。


因みに、小泉氏が経営するアフリカーのサイトはこちら



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村


にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村


にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

南アフリカのワインは初登場となるがこれが最後になる可能性もある。現時点で他の南アフリカワインをストックしていないからである。
では何でそんな国のワインを買ったのかといえば、欧州のワインのオルタナティブになり得るかと思って買ったのである。それも約10年前の事である。その当時は2010年ワールドカップが近付いていた事もあり、同国が有望な新興国として注目を集めた。ワインの業界でもそこに便乗する様にして、南アフリカワインでも非常に評価の高いとされたこのワインを某インポーターが調子こいて輸入してみたものの、あまり売れず決算その他の事情も絡んで投げ売りしたらしいが、それでかなりお安く入手出来た。
南アフリカのワイン産地としての歴史はかなり古い。1655年にオランダ東インド会社の人間が葡萄栽培を始めたのに始まってその4年後=1659年2月2日に初のワインが誕生したので、今年で360周年となる。小生も30年以上前の時点で既に KWV とか Nederburg なんて銘柄のワインを目にする事はあった。


ここで取り上げるワインの生産者である The Sadie Family (ザ・サディ・ファミリー)だが、これは元サーファーという肩書を持つ Eben Sadie (イーベン・サディ)氏が1999年にスタートさせたワイナリーで、Swartland (スワートランド)地域(=Cape Town から北に約50㎞)に存在する。
同氏は欧州各地のワイン産地を10年以上旅しながらワインの生産を手伝ってワイン造りのイロハを習得。1998年に南アフリカに帰国して The Spice Route という蔵でワイン造りの総責任者として働く様になる。そしてその翌年に自分自身の蔵としてThe Sadie Family を立ち上げる。それから20年、今や南アフリカ随一の鬼才と称され、南半球で最も偉大なワインメーカーの一人と讃えられる様にまでなった。


ここで取り上げる Columella (コルメラ)というワインは、2000年VT で登場し、サディに於いては赤のコルメラ白の Palladius (パラディウス)という具合にフラッグシップの双璧をなすワインである。Shiraz (シラーズ)主体で(8割程度)そこに Mourvèdre (ムールヴェドル)等をブレンドして作られるワインで、樹齢の高さもウリになっている。南アフリカのような場所でありながら灌漑は一切せず、自然に任せるワイン造りを実践しているそうである。

collumella2k4a
ここからはワインのインプレッションとなる。
色はルビーパープルが結構残っていて且つくすんだガーネットで、深度はかなりあるが、クリアで上品な輝きもある。
テイスティング過程で拾い出したエレメンツを挙げて行くとこうなった。
メインの部分としては、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブルーベリー、カシス。そこからKirsch 漬けのGriottineも乱入。
そこからブラックオリーブ、黒胡椒、生のThyme、オレガノラヴェンダーという所が続いて
更にはシナモン、ナツメグ牛レバー、薫茶、白檀、スターアニス、花椒、ローレル(乾燥)


タンニンの過剰さはなく、酸が意外としっかりしているのはポイント高いが、その酸もキレや美しさという所では今一つだろうか? それでもワインの味の全体のシルエットはコルナスのイメージに近いのかも知れない。
新大陸系の諄さもそれなりに持っているが、グダグダにならない程度にはブレーキが掛かる。バランスは常に一定レベルを行き来して、大崩れはしないが変身解脱する事もない。

今年5月のテイスティングなので、丁度15年という事になるがその割には熟成感が出ていないのは気がかりで、若いのか熟成したのか判らない。この時点では判断に困るワインでもある。まだまだこの先5年以上は楽しめる物であるのは間違いないが、近い将来凄い展開がありそうかと言われるとそこは何とも言えない。
凝縮感もいい線突いているしスターネス(sternness =厳格さ)も感じさせる、新大陸系のノリは出てしまってはいるが、全体的に良く出来たワインなのは明らか。それでも気に入らないのは、その割にアフターが期待したレベルに届かない事である。


御約束のスコアリングだが、その結果は… 18 / 20 なんて遣ってもいいだろうか?
新大陸であり、デビューして5年目という事を思えばなかなか凄い出来だと思う。


買った当時はバーゲン価格という事もあって4000円程度だったが、この蔵の名が世界的に轟いた今では15000円クラスになってしまった。この状況下で手を出す事は無いだろうが…。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村


にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村


にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

ここでフィーチャーする Château de Fonsalette (シャトー・ドゥ・フォンサレット)は言わずと知れた Château Rayas (シャトー・ラヤス)が作り出すワインである。そのワインは21世紀の今も近代化とは無縁と思える様な古びた施設内で作られている。
この蔵の初代は Albert Reynaud (アルベール・レイノー)という人物だが、彼が1880年に聴覚障害を患ってそれまでの仕事が出来なくなったのを機に、ワインメーカーに転身。その際にラヤスの蔵を購入したのがレイノー家によるシャトー・ラヤスの始まり。その後2代目になった Louis Reynaud (ルイ・レイノー)の時代も畑の購入を続け、1935年にDomaine des Tours (ドメーヌ・デ・トゥール)を購入。この頃Châteauneuf-du-Pape のAOC 規定に対応するためPignan (ピニャン)という場所に新たな醸造施設を建設した。そして1945年には今回登場のChâteau de Fonsalette を購入。
ルイの死後、Ch. des Tours は Bernard Reynaud (ベルナール・レイノー)が、Rayas とFonsalette はあの Jacques Reynaud (ジャック・レイノー)が継いだ。これが1978年の事だったのだが、そこからこの蔵の快進撃の幕が切って落とされ、一躍ローヌワイン界のビッグスターの座を手にした。
1997年ジャックが死去すると、Bernard の息子=Jacques の甥である Emanuel Reynaud (エマニュエル・レイノー)が継いで今に至っている。(デ・トゥールの方も彼が引き継いでいる)
ここの蔵、何故ラヤスの名前で統一せず色々な名前を使い分けるという一見ややこしい事をしているのか?、その理由はこういう経緯があっての事と思われる。

この生産者は全房発酵を貫くなど大変クラシックなやり方でも有名で、ワイン自体もローヌ南部について一般的に持たれるイメージとは一線を画す。この蔵の畑はCNDP にありがちな石が沢山転がっている様な畑ではなく、その石も人工的に除去している。砂岩主体で粘土質と石灰が程よく含まれる土壌は痩せてはいるが冷涼で水分も適度に保たれる模様である。


fonslsyr2k01
そしてこの2000というヴィンテージ、エマニュエルの初期で彼もまだ若かった事に加えて所有する葡萄樹の50%近くが1980年代に改植を余儀なくされた影響で樹齢が若い木が多かった事もあってか、特にRayas としてのCNDP は97年以前(叔父の代)に比して総体的に評価は低く、名声を完全に取り戻したのは2005年頃であった。


ここで登場する Fonsalette cuvée Syrah は名前の通りSyrah 100%のワインで抑々生産量が極めて少ない。AOC は勿論Côtes du Rhôneである。しかもRayas CNDP より更に入手困難ともいわれた程のかなりのレアワインである。小生的にはそれでも10年位前までは何とか入手の機会もあったのである。

ここで漸くワインのインプレッションに入るが、先ずは色についてだが、そこそこの深度のクリアなガーネットで、ルビーパープルもまだ少し残っていた。
香味面の話をすると拾い出したエレメンツを並べるとこんな感じになる。


リコリス、トリュフブルーベリー、ハスカップ、ブラックベリー苺、ラズベリーブラックチェリーといった所が綺麗に繋がり交じり合って出てくる。クローブ煎ったカカオ(東南アジア系)昔のFernet 系やキナ・リキュールcrème de mocaプルーンエキス赤ワインで煮た黒ドライフィグ
エスプレッソオールスパイス牛レバー鞣革が追随し、更なる時間経過と共にカシスまで乱入する。そして味も香りもそのトーンが予想したよりは暗い。


酸・タンニン共々厭味無く溶け込みを見せながら強くその存在を主張し、まだまだタイトに引き締まったボディを形成する。その間隙を縫って出て来る返りは旨味感を伴って非常に高いレベルにあり、アフターまでタイトながら長い。
18年の時を経て果実感、熟成感共に既に高レベルに達しているものの、未だ解脱出来ると見える。これが更なる解脱を経てガチで甘美な液体に変身したら結構凄い事になるのではと思ってしまう。そう思うと2~3年待つべきだったと思うが後の祭り((´;ω;`) (テイスティングは今年5月)

これでも不調と評された時代のワインである。この蔵はどうしてもRayas CNDP の出来だけで評価されてしまいがちなのだろう。Fonsalette についてはこの時期の不調はあまり考えなくて良いか。Grenache (グルナッシュ)の魔術師とも称されるレイノー氏はシラーでもその魔術を遺憾なく発揮し最高レベルの逸品を作っている。


このボトルのスコアリングの結果は…、18~18.5 / 20 こんな辺りが妥当だろう。
Château Rayas、Château de Fonsalette、Domaine des Tours の3者とも入手するチャンスすら殆どない上に価格高騰も激しく、幻のワインに近い存在になってしまった。



参考記事= Vin de Pay de Vaucluse 2000 Domaine des Tours
      PIGNAN (Châteauneuf-du-pape) 1998 Rayas




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ