Dufftown 街角ミュージック

穏健リベラルの波とマイナーパワーがこの世を救う

2016年9月、FC2 から移転。
Blairfindy1号2号から大文字左京(だいもんじ・さきょう)に改名しリスタート
旧名義の画像が混在しているのは御了承願いたい

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whisky

最初からそのつもりだったのか… Part 1

Ben Riach(ベンリアック)Glendronach(グレンドロナック)と言えば、今やスコットランドでも超メジャー蒸留所の仲間入りしたと言って良い。
10年以上前はあまり話題に上らなかったこれらの蒸留所を一躍スターダムに押し上げた男と云えば、あの、Billy Walker(ビリー・ウォーカー)氏である。


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左=Ben Riach 1983 29yo 44.5% 信濃屋向け限定ボトル
右=Glendronach Cask Strengh Batch 1 54.8%
 

この2つの特徴として、プライベートボトリングも含めたシングルカスク(勿論カスクストレンクス=樽出しそのまんま)でのリリースが非常に多い。これがこの2つの蒸留所の人気を押し上げていた大きな要素だったのは間違いない。Ben Riach の70年代蒸溜のボトル達は関西で爆発的人気を誇っていたはつい数年前の事だった。
Ben Riach 然り、特にGlendronach については、人気上昇が留まる所を知らず、ここ数年は原酒の需給が逼迫気味になったのか、その価格も非常に高騰していた。 そんな中で、ウィスキーファンには衝撃を以て受け止められたニュースがあった。
Ben RiachGlendronach、のみならずGlenglassaugh(グレングラッソ)も所有する Benriach Distillery Company(ベンリアック・ディスティラリー・カンパニー)が、去る4月にアメリカの酒造超大手Brown-Forman(ブラウン・フォーマン)に身売りしたのはウィスキーファンや酒業界の方々なら既に御存知であろう。(金額は2億8500万ポンド)
 

jd90s43aBrown-Forman と言えば、何と言っても Jack Daniel (ジャック・ダニエル)の名が浮かぶ!更にはWoodford Reserve、Early Times 等々の有名どころを傘下に収める世界的企業。又スコットランドでも嘗てはGlenmorangie(グレンモーレンジ)蒸留所の大株主だったからスコッチとも縁が無い訳ではない。

2004年、Burn Stewart(バーン・スチュワート)の幹部だったビリーが南アフリカの投資家2人と組んで Ben RiachPernod-Ricard(ペルノリカール)から買収。Benriach Distillery Company を立ち上げ、そこから近年のウィスキー人気にも乗って飛ぶ鳥落とす勢いで大躍進
2008年にGlendronach も同じ様に買収。
2013年にはGlenglassaugh を今度はオランダの投資家から買収。


かくして、更に勢いを加速させるかに見えたが…、実はその裏で身売り話は2~3年前から結構な数あったらしい

因みに、この画像は90年代初頭に僅かな期間だけ流通した43度のジャック

 ビリー自身はこの身売りに関する声明で金の為ではないと言っているが、端っから適当なタイミングで売り抜けるつもりだったとしか思えない。

Billy Walker 氏はスコッチウィスキーに関わって約50年
、年齢もかなりの所に達している筈ではあるからリタイアという事を考えていても不思議ではない。


だた、年齢云々より彼がその声明の中でブランドという言葉を数回使っている事が小生としては引っ掛る。その上、ファンを魅了し続けた魅惑的な原酒が底を突き始めていたのも事実と思われる。

この話、引っ張れそうなのでPart 2 へと持ち越す!

 

※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jun. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。


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あの有名スコッチに異変か?

先月、東京プリンスホテルのバー・ウィンザー(Bar Windsor)に足を運んだ事は前記事で述べたが、その際、一寸気になる情報を受け取った。

これはあくまでも、ウィンザーのバーテンダー様からの話としてだが、ペルノリカール(Pernod Ricard)が主催した業者向けのセミナーで、かの有名なシーバスリーガル(Chivas Regal)の最新ヴァージョンのテイスティングも行われたそうなのだが、何と、今迄の物と味の傾向が大きく変ったらしいのである。(
何でも、最新ヴァージョンはスモーキーフレーヴァーが結構目立つというのである。これがもし事実なら、シーバスは最早シーバスではないという事にもなる。これは結構大変な事かも知れない。 

Chivas、Johnny Walker、Ballantine's、 White Horse…等々、スコッチウィスキーの有名どころでも、時代と共に味を変えざるを得ないのは事実。市場の嗜好の変化云々というのは勿論大きい。スコッチ業界もこれまで数回の大規模再編を経ていて業界内の事情も変化している事も無論看過出来ない。そして何と言っても原酒の質が変わってしまっているのだから仕方が無い。


そんな中で、シーバスのライバル(?)ジョニ黒だって随分とキャラが変ってしまった。ブレンディド・ウィスキーだってここ20年位のレベルダウンは凄まじい

chivas80s01シーバスに於いても、35年前と今では雲泥の差で、近年のボトルは飲む気がしない。 シーバスとは抑々如何いう酒かと言うと…、「軽やかで繊細、華やかでソフト、ナッティでリンゴやナシの様な風味もある。」という事になっている。旧い時代(80年代迄)のボトルを飲むとその事が判る

シーバスは決してスモーキーな酒ではない、スモーキーにしたらシーバスではなくなる。前出のバーテンダー氏によると、明らかにスモーキーさが目立っているのだという。もしそうなら、ブレンドのレシピを変えたのは明らか、にも拘らず…、

ペルノリカールサイドではブレンドは一切変えていないの一点張りだったそうである。ペルノリカールなら如何にも言いそうな一言ではあるが…、この会社は秘密主義が過ぎる様な傾向が見受けられるから、この話を聞いた小生も驚きはしなかった。
 
市場の傾向としてスモーキーなスコッチは受け易いという事は想像に難くない。同時に、基本的な味が足らないからスモーキーフレーヴァーで誤魔化というのもあると思う。
でも、全員右へ倣えでスモーキーな物を作ったら個性やブランド力もへったくれもなくなる。 ウィスキーは近年流行のシングルカスクでもない限り、ブレンダーの手を介して味が決まる。その味を決めるブレンダーの持つ味覚嗅覚は超人レベルで、天性のものである。


そんな人達の力を以てしても最早如何にもならない位に原酒の味が落ちているという事なのであろうか。もしそうなら、ウィスキー業界は未だ嘗て無い程の盛況を呈していると言われるが、同時にとんでもない危機があるという事になるのではないか。 機会があれば検証したいとは思うが、シーバスに限らす現在出回る大部分のブレンディドスコッチは金を出すに値しないから、何処かのイベント等でのただ酒でという事になるであろう。



)Chivas Regal、100 Pipers、Long John、Ballantine's、Passport 等のスコッチは現在、 Pernod Ricard 傘下になっている。これは今世紀に入ってSeagram (シーグラム=カナダ)のワイン・スピリッツ部門及び、Allied Domecq(アライド・ドメック=イギリス)を次々に買収した事による。



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ザ・ソサエティ(SMWS)と戯れた?件

小生、最近は SMWS(ザ・ソサエティ) のボトルと絡む事は殆ど無かったが、今月は幾つか続け様に飲む事が出来た。その訳として、ソサエティの春のテイスティングウィークが開催された事は勿論大きい。でも実はそれだけではない もう一つとして、増上寺の隣にある東京プリンスホテルが大規模改装を行うのに合せて、その1階にあるメインバー=Windsor がクローズになる。

そこで、同バーに在庫していた SMWS のボトルが40%オフで飲めるという「Final Shot」と題された嬉しい企画があった。
会員でありながら、ソサエティの酒を飲まないのでは何のための会員か判らんし、恰好が付かないと言わんばかりに飲みに行ったのである。


先ず、汐留(パークホテル東京内、バー ザ・ソサエティ)の方でテイスティングしたのは前記事の 33.133 だけでなく、他にもあった。
3月リリースの新作と4月下旬リリース予定の物も混じっている。


54.35=Aberlour 1997 17yo 55.1%
カスクタイプはrefill hogshead で、色はやや明るいストロー
シナモン洋梨白桃青林檎ミラベル八つ橋、ホワイトチョコ、白葡萄ジュースミント浅煎りのコーヒー豆アーモンド
当初はアルコールが立っているのが目立つ。基本的に淡い、終り方もドライところが時間経過と共にこのドライで硬い部分が解れて丸くなると、甘さが水平方向にも出始め、同時にアフターの本来の長さも引き出されて来た。
時間の掛る酒ではあると見えるが、結局の所、かなりの健闘作なのは間違いないと思われる。
テイスティングによってで購入候補に名乗りを上げた。
Les Meilleurs Vins de France 的な形で点を付けるなら…、17.5~18 / 20


82.20=Glencadam 1998 17yo 54.9%
カスクタイプは2nd fill Sherry butt、てなわけで色はやや明るめのブラウン
シェリーの掛り方は、2nd fill にしてはかなりしっかり綺麗に乗っている。
ここは期待以上で、Amontillado を容易に想起させる質感。但し、時折ゴム臭も出て来るが、塩気とオイリーさも出してくるその背後から白桃黄桃スウィートチョコマーマレード
その後、何故かピザソース
この蒸留所らしいクリーミーさは感じるが、何せ展開が少ない。購入候補だったが、この時点で脱落
コイツに点を付けるとすれば…、16.5/20


53.232=Caol Ila 2000 15yo 62.7%
2nd fill Sherry butt 熟成で僅かに赤みのある明るいゴールドカラーそれなりに期待したが、結論を言うと…、兎にも角にもガッカリ!
ピートと塩気の塩梅はCaol Ila らしいが、如何せん迫力不足で薄い。アフターは微かに鰹出汁 これに付けられる点数なんてこんなもの…、15/20


93.68=Glen Scotia 2002 13yo 58.3%
refill Bourbon barrel 熟成で色はゴールドとストローの間位か。
干し草海藻潮風、ミネラル、ヴァニラアーモンドタルトシリアル類、杜松、オレンジピールグレープフルーツ落雁という辺りのエレメントが見える。
口内舌上ではしっかりとシロップ形のモルト感が主張して後を引く若干のスモークを伴って、柔らかい膨らみと伸びやかさは予想を超える
もっと時間をおいてじっくりやれば、かなりの佳酒となるであろう という事で…、17.5 / 20 位の点数は付けておきたいか

最近は増産と共に、オフィシャルの限定品をリリースする等、攻勢をかけ始めているこの蒸留所だが、その本来のポテンシャルが高いという事が窺える。


53.232 93.68 は4月リリースだが、何れも結局は瞬時に売り切れるのかと思うと頭が痛い。

smws5435a  smws9368a

SMWS のボトルはどれをとっても見た目が基本的に同じww、違うのは書かれている数字と理解に苦しむ能書きだけ)

ここからは、プリンスホテルのバー、Windsor でテイスティングした物について触れる。

26.106=Clynelish 1984 29yo 58%
2nd fill Sherry butt で熟成、2014年のボトリング。色は微かに赤みのあるブラウン
最初グラスに鼻を当てる…、如何にもClynelish という薫りから始まってくれて期待膨らむ
シェリー香は仄かにという所だが、スモーク感とオイリーさ、よっ、待ってましたという感じになる。
そこからマーマレードArmagnac、杜松、コーヒー薫茶焼いたアーモンドクリームオレンジピールグレープフルーツの皮、ミラベル洋梨
追加でカモミールミント干し草が微かに感じられる

舌触りはやや硬めでタニックな部分もある。ただ、時間が経つとそこから転じてモルティな甘さが上品に広がる。
刺激的な硬さも少し残しながらも一方でホワイトチョコの様な感触も加わり、分厚いボディが長く続く。
残り香にはココナッツパパイアのニュアンスもあった。総体的にブレが無く崩れない。
フルーツタルトみたいなだけのClynelish はもう見たくない、お前の生きる道を思い出せと叫びたくなった。このボトルは人気があった様で、小生が頂いたのが実はラストショットだった。

ここは思い切って、18.5 / 20 を献上したい!
こんなClynelish を久し振りに飲めただけでも嬉しい


この記事を書きながら思い出した事があった、実はこの発売(2014年末)当時、絶対良さそうだと思いながら価格(¥18000程度)を見てチャレンジもせず早々に諦めてしまったのである。
あれから約1年以上経って、相場がここまで高騰する事までは予測し難かったとはいえ、買うという勇気が出せなかった事は大きなしくじりである様に思える、結果論ではあるが。


1.190=Glenfarclas 1993 21yo 56.2%
SWMS の1丁目1番地は言わずもがな、Glenfarclas
シェリー樽のイメージが強いこの蒸留所だが、バーボン系のカスクも当然存在している。
これはrefill hogshead 熟成で去年のボトリング、色は明るいゴールドという感じか。
見付けられたエレメントとしては、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、胡桃油、干し草、アーモンド、八ッ橋、オレンジピール、シナモン、乾燥ローズマリー、白胡椒、フェンネル、クミンそして時折ハーブ入りレバーパテ、ひょっとしたら微かに魚介出汁
モルト感は基本的に落雁形だが、これ自体は非常にしっかりで、シロップ的な甘さも少々加わる構体は前後左右に結構上手に広がり、結構bold and oily な感じも出てて、味のグリップ感は充分この蒸留所の巣の部分は結構明確に出せている様に見える。
I want you just the way you are という感じでアプローチすれば良いか。これで、購入しても損は無いと判断!点数としては…、17.5~18 / 20


4.195=Highland Park 1999 14yo 59.3%
1st fill Bourbon barrel 熟成・2014年末ボトリング色は明るいイエローヴァニラ、オーク、ホワイトチョコ、ジンジャービア、蜂蜜、フェンネル、ビターオレンジベルガモット(ハーブの方)、ミント。こんなあたりの要素は汲取れるが、硬くて荒い感じが目立つ。
この時の状態では、16.5 / 20 程度の点数しか遣れないか


このWindsor について一言言いたいが、この様なハイプルーフのウィスキーをストレートで飲むに当って、加水用の水を提供する素振りも見せないというのは問題だと思う。(こういうバーは多いが)せめて一言聞くなりしては欲しいものである。途中から僅かにでも加水して味を見られれば、コメントや点数ももう少し違った可能性はある。

さて、3月25日=3月リリース品の発売日を迎えて…、この時点で購入候補は絞られた。そして結局どうなったか… ご想像にお任せします

 

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これぞ、火の玉ウイスキー

近年大人気で品薄のIslay 島(アイラ)のウイスキーだが、此の島のウイスキーは一般的に、ピーティーでスモーキー(要するに、主に泥炭由来の強い燻煙香があるという事)というイメージがある。それがやたら受けるのか、価格高騰も激しく入手困難な傾向も強まっている。
アイラなんて淡路島程度の大きさで、蒸留所も現在8ヶ所しかない上に小規模な所が多く、生産量にも限界がある。この島のウイスキーの代表選手として一番人気なのは、 Ardbeg (アードベッグ) という事になるのであろう。

今のこの人気沸騰ぶりは20年前を思うと信じられないものがあるのではないか。 1979年から97年の間は苦境に立たされ、生産停止も経験し、年産数万リットル程度の細々とした活動を強いられた時も長かった。
アードベッグ自体の規模が小さく、蒸留機も一対のみ。今は超頑張って年産110万リットル(アルコール換算)を維持しているが、世界的人気には全く追いつかない。よって、ボトラーズから出る事は少ないし、出ても恐ろしい価格だったりする。
 

smws33133a先日、 SMWS (サ・ソサエティ)からこのアードベッグの鮮烈な一本が出て来たのである。そして小生、SMWS 会員の一人として、テイスティングする機会に恵まれた。

SMWS 33.133 8yo 60.8%
33は勿論Ardbeg を示す
コードソサエティはArdbeg で133回もリリースしているという事になる。


色は赤みのあるブラウン 香りを嗅いだだけで、一発で Ardbeg と判る。この時点で期待大!
言うまでもなく、ピーティーな煙感もガッツリ! ショートエイジながら、シェリーがダークトーンを足して且つ丸く収めて締めている。ショートエイジの荒々しさは見えるが不快な感じはしない。鰹出汁、昆布出汁、ベーコンソーセージフレッシュのローズマリー、黒胡椒、シリアル、煎りカカオ、焚火、煙草炒りたてのナッツといった辺りの風味が見て取れ、微かなグラッシーさも垣間見える。


2nd fill Sherry でありながら、ブラックチェリー、ブラックベリーエスプレッソ、Cognac、ダークチョコ、黒文字等のエレメントを以てシェリーはしっかりサポートする。 60度を超える超ハイプルーフという事もあって、兎に角強烈なのは明らかだが、引きそうで引かない、終りそうで終わらない、ボディとフレーヴァーが五感にしっかり刺さる

酒としての完成度は高いと見えた。この部分、シェリー樽の貢献度が大きいのは明らかだが、ベースにはこのウイスキーの素性の良さがある様に思える。

画像とテキストではなかなか伝えられないのがもどかしいが、迫力は大層なもので、同時に剛直さと美しさが同居しているのは感動モノである。ある投手が以前、「火の玉ストレート」なんていう謳い文句を掲げていたが、 これこそ「火の玉ウイスキー」と呼ぶべき一本ではないか。

仮にLes Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら… 18~18.5 / 20

 

アイラから産み出される「強烈火の玉系」ウイスキーは他にもあるといえばあるのだが…    

klch5y599a  pcl2002yama01

左= Kilchoman 2009-15 5yo 59.9% Sherry cask ・信濃屋向け
右= Port Charlotte 2002-10 8yo Yamaoka/Sakamoto Selection 65.3%


Kilchoman はカスクタイプを問わず殆ど同じ味になってしまう。5年程度の超ショートエイジが殆どという事もあってハウススタイルとニューメイクの味が前面に思いっきり出てしまう。良く言えばハウススタイルが決まり過ぎている。又非常に丁寧に手を抜かず真面目に作っているのは良く判る。
このボトルの場合、シェリー樽でここまで上手く纏めてしっかり作ったものだと思う、ただ12000円という価格は一寸頂けないが。


Port Charlotte も8年という割に熟成感があって、意外とバランスも良い。65.3度という度数をそこまで感じさせない酒だったと記憶している。

この両者、かなり佳い酒であるが、前出のアードベッグ= SMWS 33.133 と比べてしまうと、もう一押し二押しが足りない様に思えてしまう。
「火の玉」度がまだ足りないと見えるのである。裏を返せばアードベッグに一日か二日之長があるという事でもある。この一日二日分が将来縮まるのか否かは如何とも言えないが、縮まれば面白い事になるかも知れない。




本題の SMWS 33.133 に話を戻して… 実はこのボトル、25日正午に発売となったが…、案の定、ほんの一瞬で完売!
日本への割り当てが何本だったかは判らないが、今回は買占めを防ぐためにSMWS サイドもルール変更をして、色々制約を付けたので、少しは買いやすくなるかと思ったが、それも殆ど効果なし。
このArdbegの他、Bunnahabhain(10.86)、Clynelish(26.111) も一瞬というより一刹那で、同時発売の他銘柄も殆どが数十分以内に売り切れ。


以前この SMWS のボトルは割高とされてあまり人気が出なかった。日本でメンバーを募っても数が延びなかった時期もあり、数年前には入会金割引でボトルもプレゼントという大盤振舞のキャンペーンまでやったのである。小生も実はそのボトルに釣られて入会したのであったが、そのおまけのボトルが北海道の某老舗蒸留所の18年だったというのは今では信じられない話である。
ところがその後、ボトラーズのモルトは一気に高騰し、結果的にはソサエティのボトルが良心的価格という事になってしまった。てなわけで、一気にメンバーが増えて、ボトルの競争率も跳ね上がったという事も背景の一つらしい。



Islay のウイスキーについて序にもう一言言えば、此の島の中でも以前は蒸留所毎にキャラの違いは鮮明で、ブラインドでも蒸留所を言い当てられる可能性があった。なのに、近年は画一化してその違いは曖昧になっている。
Bruichladdich やBunnahabhain は本来アイラのイメージとは一線を画す穏やかな酒質だったのだが、この2つでさえ近年はピーティな傾向に変った。
あるバーで女性客がLaphroaig (ラフロイグ)をボトルキープして飲んでいる光景を目にして驚いたのが8年位前のことであった。
アイラのモルトでさえ、妙に甘ったるく、且つ判り易い味に無理矢理作っている様な酒が目立つのには呆れるばかりである。




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ボトラーズウイスキーフェスティバルって、何やねん? Part 2

前記事のボトラーズウイスキーフェスティバルの記事の続きになる。
このイベント、通常のウイスキーフェスティバル(以下、W.F.)より範囲が限定されている分、スケールの小ささが否めなかった。
そんな中、このイベントの#1 は酒育の会なる所が出していたテイスターズ・ブース。勿論、断トツ!
そこには愛好家垂涎のレジェンドなボトルも数々
その中から幾つかテイスティングさせて頂いた。(一杯10mlで¥1000以上と結構お高く、時間もあまり残っていなかったので色々は飲めなかったorz)


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左画像=John Milroy(ジョン・ミルロイ)のGlenlivet 1972-2002 30yo・53.1%
早々と空になった模様 John Milroy も有名ボトラーだが、そんなに評価されているかは疑問ww。それはさておき、70円台のGlenlivet なんて頂ける機会はこれから殆ど無いと思われるので、空瓶だけ撮影しても虚しい。
右画像=Douglas MacGibbon(ダグラス・マッギボン)のProvenance シリーズからのRosebank 1981-2001 20yo・62.3%
コレは確か賛否が分かれるボトルだった様に記憶しているが、閉鎖から20年以上経過してRosebank も完全に幻の酒となった。


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左画像=François Marange(フランソワ・マランジュ) のコニャック
今や貴重な60年代蒸溜、しかもコニャックの中のマイナーエリアであるFins Bois(ファン・ボア)の原酒
一般的なコニャックのイメージとはキャラが異なる。華やかさには欠けるが、非常にピュアで透明感があって美しい酒ではある。
もっとじっくりテイスティングすればその良さはもっとよく判るであろうが。コニャックについて一般的に連想されるあの華やかで甘美なイメージはGrande/Petite Champagne 地域の酒から齎されているのかと思ったのである。
因みに、このF. MarangeDaniel Bouju(ダニエル・ブージュ)の2nd ブランド。 良い経験値が一つ積めたかも知れない。コニャックに於いて大手メーカーの品質低下が著しいのは間違いないが、その裏でまだ見ぬ逸品達が埋もれているのかも知れない。それを何とか手に出来る幸運を祈りたい。

右画像=Mosstowie 28yo・60.1% James MacArthur Fine Malt Collection
J. MacArthur は1983年創業の今でも有名なボトラーで定期的にリリースもある。以前は非常に不親切なボトラーで、蒸留・瓶詰年を記載していなかった。
多分初期に近い(つまり80年代)ボトリングかとも推察される。ある御仁の話だと、コイツは度数だけでなく内容もかなり凄いとの事だったが、時間切れで飲めなかった。


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allachie69gm568a上段左= Bow Street 1963-1991 27yo・68.2%
W. Cadenhead's Authentic collection
愛好家には御馴染み過ぎるあのCadenhead の150周年記念で瓶詰された物らしいが、此のボトラーは御存知の通りSpringbank と同資本
これはアイリッシュ・ウィスキーで、更には思いっきりシェリーカスク!多少ゴム臭い感じも出てしまっているが、直ぐに忘れる位濃密!
シェリー樽好きには堪らない! 
68.3%なんて事感じない程濃厚!

 
所謂Sherry Monster という様なキャラも強いが、諄いとは感じない。そしてスコッチではなくアイリッシュと判る様な主張もある!
Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら…
                          18~18.5 / 20

 
Bow Street 蒸留所は1780年創業、あの世界的に有名なJameson の蒸留所として有名だった。 Dublin 市内にあってアイリッシュとしては最大を誇った時期もあった。しかし、アイリッシュウィスキーの衰退による業界再編でJameson はライバルだったJohn Powers、Cork と共にIrish Distillers Group に組み込まれ(1966)、Bow Street は1971年に閉鎖。

以来、Jameson はMidleton 蒸留所で生産される事となった。 Bow Street蒸留所の一部は1997年にOld Jameson
Distillery という観光施設兼直売所に造り替えられている

  
上段右= SMWS・58.2  中身はStrathisla(ストラスアイラ) 1977-93 16yo 53.6%
Chivas Regal のメインモルトとして有名で、Glenlivet、Aberlour、Longmorn 等々と同じくPernod Ricard 社の傘下にある。 Strathisla は抑々、モルトとしての流通がかなり少ない。ボトラーズからのリリースも少ないが、 SMWS(ザ・ソサエティ)からのリリースも非常に少ない。
肝心の内容だが…、期待したより良かった!
オフィシャルの旧瓶を濃縮した様な感じで、正統派のStrathisla という所か。ストラスアイラは本来非常に美味い酒だと素直に思わせてくれる上に、膨らみも広がりもしっかりあって立体感もそこそこある。更にはアフターも消えるかと思ったら盛り返してくる。
こちらに点を付けるとするなら… 18 / 20

 
下段=Glenallachie 1969-87・56.8% Gordon and MacPhail
G&M の非常に懐かしい墓石型ラベルのcask シリーズ。しかも2000年頃までの白いラベル!
たかがGlenallachie などと侮ってはならない!
さすがそこは60年代、フルーティーで結構濃密、熟成したBourgogne のChardonnay をインスパイアさせる部分もあって、なかなかの美酒!
こちらにも点を付けろと言われれば… 17.5~18/20

 

gfc79fc503a
こちらは信濃屋ご自慢のオリジナルボトリング。
Glenfarclas "The Family casks" 1979-2015 50.3% 
plain hogshead 熟成


 「白の笑撃 衝撃 妖艶のスパイス」という謳い文句を引っ提げてとんでもない価格で売り出されたが、あっという間に完売した

シェリーカスクが7割程度を占めるとされるこの蒸留所としてはプレーンカスクの奴はなかなか見られない
212本リリースという事だが、何と言ってもその内の何割が中〇やイ〇ド辺りに「転がされる」のか興味深い所でもあるwww


信濃屋に限らず、ブースを出していた業者や団体はウイスキー文化研究所関係のイベントの常連みたいな所が殆どだった。
 

通常のW.F. は18時終了なので、この日の終了時間も18時と勘違いしてしまっていて、会場入りが遅れてしまったのは大変なしくじりだった。16時半位に「もうすぐ終了…」と言われて17時終了だった事に気が付いた時にはもう遅し。この1時間のズレは大きかった。これで飲めた筈の物が飲めずに悔しい思いをしてしまった。


このイベントの総体的な印象としてはアイテムのレベルを落としていると思われるブースも見受けられ、全体として何処かショボい印象が拭えなかった。会場の規模、ブースの数等を鑑みると、フェスティバルというのは如何なものかとも思ってしまった。

それと同時に、輝かしいレジェンドお寒い現在というコントラストを見せつけられて愕然としたのも事実である。

価格高騰が尋常でなく、現実的な価格で売れない状況が続いている。この様な一種のバブル状態を受けて、スコッチモルトの蒸留所でも贅沢品的なブランド戦略を打ち出す所が増えてきた。
ボトラーズにとっては価格高騰という以前に瓶詰する酒(樽)が手に入れられないという事態が深刻化すると思われ、スコッチ専門でという訳にも行かなくなったら、バーボン、アイリッシュ等スコッチ以外のウィスキー、更にはラム、ブランデー等の酒に手を出さざるを得なくなるかもしれない。


だが、こちらの方も供給が逼迫しているのは明らか。ボトラーズにとっては冬の時代になる可能性は高く、ここから一気に淘汰が起きる事も充分考えられる。
ボトラーズ&クラフトウイスキーW.F. というこのイベント、個人的見解としてだが、次はあるのかと云えばそれは非常に疑わしい。




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