Dufftown 街角ミュージック

穏健リベラルの波とマイナーパワーがこの世を救う

2016年9月、FC2 から移転。
Blairfindy1号2号から大文字左京(だいもんじ・さきょう)に改名しリスタート
旧名義の画像が混在しているのは御了承願いたい

記事並び画像の無断使用転載はこれを固く禁ず!
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whisky

Craigellachie 1990 26yo 48.4% BBR for Ginza Zenith, Tokyo

Bar Ginza Zenith (ギンザ・ゼニス)という名を耳にした事のある御仁達は多いかも知れない。
銀座の名店である「絵里香」
註1から独立した須田善一氏の下、チーフバーテンダーの三浦龍ノ介氏を擁して、去年春に10周年を迎えたまだ若い店ではあるがその人気と名声はなかなかのもの。
その店の10周年を記念して去年4月にリリースされたのがこのボトルだった訳だが、外部への販売分は予約だけであっという間に Sold Out だったらしい。

BBR (Berry Brothers and Rudd=ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド)の " Berry's Best " シリーズの中の1本としてボトリングされたが、この画像にあるタイプのラベルは「コーヒーミルラベル」と呼ばれて、特別なものにしか使用が許可されない。即ち、樽(原酒)を提供した BBR サイドからも特別というお墨付きがあったという事で、外見からしても期待値が高い。
これをテイスティングしたのは銀座ではなく、何故か北新地。大阪を訪れると殆ど毎回お世話になる Bar Parkmore (パークモア)で先月末にテイスティングした。


gellach90bbr484aCraigellachie (クレイゲラヒ)という蒸留所は、嘗てあの White Horse のメインモルトを担っていたのは有名。1930年以降は D.C.L. 傘下に入りその流れでU.D.V. グループの一員として過ごし続けたが、1998年そのUDV がDiageo (ディアジオ)を結成したのを機に、Bacardi (バカルディ)売却されて、今に至る。
最近ではシングルモルトとしてオフィシャルボトルのリリースもあり、蒸留所のスタイルというものも徐々に知れ渡りつつある。今回のこのボトルの良さは Craigellachie という酒の基本的キャラクターを知っていないと理解できないであろう。


さて、このボトルのインプレッションに入ると・・・
色はやや薄めで、ストロー
香味のエレメントを挙げて行くと・・・、先ずはミネラル、木材白桃
林檎洋梨ライチミラベル
続いて乳酸飲料類、ルブローション(ウォッシュ系フロマージュの一種 
註2
更にはマロングラッセ焼いたアーモンドクリーム生八橋が現れ、
時間経過と共にジンジャーシロップ、キャロットシード、ヘリクリサム、セロリルート、ヘーゼルナッツ、胡桃といった辺りが追加的に顕れる。


香りはおしとやかで奥ゆかしくソフトな出方だが、その一方でこの蒸留所にありがちな硬質感がボディと舌触りに時折見え隠れする。それでも基本的にはシルキーである。

この両面の間隙を縫うように出てくるモルト感はかなりソフトでスロー
この辺のギャップは凄いが、結構厚くてエンジェルタッチ的旨味感が長く続く。
あまりにも綺麗に重合してしまっているのか、エレメンツを素因数分解する様に拾い出して行くのが非常に困難

表立っては雄弁に語らず、行間を読ませて色々忖度と想像を要求するウィスキー。飲み手泣かせで繊細にして難解ではあるが、神経と頭脳を使わせる明らかに中上級者向けの一本。小生がこんな所で言葉を弄してもこの酒の素晴らしさを伝える事に限界があるのは眼に見えているのだが・・・

実はこの後日、生麦のこの酒屋を訪れた時にこのボトルの話になり、「本当に良い酒は早々簡単に手の内を見せない」と言われたのだが、なるほどまさにその通りという事か。

いつも通りにスコアリングしてみると・・・、18 or 18.5 / 20



註1)1968年7月に銀座6丁目に開業したカクテルを主体に推すバー、店としては比較的小さいが銀座でも指折りの名店。
(つまり、店自体は ゼロロク 583系 485系 と「同期生」になる)
オーナーの中村健二氏は50年以上のキャリアを誇り、バーテンダー界のレジェンドの一人。「スタア・バー」で有名な岸久氏もこの店にいた事がある。

註2)フランスのSavoie (サヴォア)地方特産で、セミハード系とウォッシュ系の中間的なフロマージュ。Reblochon と表記するが、再び絞るという意味がある。牧場主に徴収される牛乳の量を減らすため、搾乳の際に一回で絞りきらずに、2回目の搾乳を行いその2番絞りを素に作られたという事から由来する。



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Glenturret 1977-2013 48% for Bar Caruso / Speyside Way

久方ぶりとなるウィスキーのネタ。今回は去年4月に神戸の言わずと知れた名店 Bar Main Malt で頂いた一杯をご紹介したい。

Glenturret (グレンタレット)と言えば、以前はタウザーという名の猫がいたので有名だったが、蒸留所自体はマイナーである。
正式には1775年に創業だが、実際は1717年から密造していたとされる。当初は Hosh という名前だったが19世紀末に Glenturret に改名。その後オーナー交代を数回経て20世紀に入ると、アメリカで禁酒法が施行された影響で1920年代に閉鎖され、それから約30年の沈黙を経て James Fairly という愛好家の下で1957年に再開。(今でいう小規模クラフト蒸留所みたいな感じだったか)
1981年にCointreau (コアントロ)に買収され、1990年からはHighland Distillers(ハイランド・ディスティラーズ)、1999年からはEdrington Group (エドリントン・グループ)傘下になっている。(Macallan やHighland Park と同じ仲間になったという事)
有名ブレンディドウィスキーの Famous Grouse (フェイマス・グラウス)の主要原酒の供給源であるが、この蒸留所の生産量自体が少なく、更には2002年に F. グラウスのヴィジターセンター " The Famous Grouse Experience " が作られると、こちらの方がメインになってしまって益々蔭が薄くなっている。
このボトルは新宿のBar Caruso(カルーソ)と自由が丘Speysideway (スペイサイドウェイ)というウィスキーファン御馴染の有名店 2件によるプライヴェイトボトリングである。


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色は若干浅めのゴールド
グレープフルーツオレンジ焼き林檎洋梨カラメル
financier、tarte d’amandecrème patisiere
framboise、groseille、苺黄桃白桃ミラベル、焼きバナナ

更に続いては吟醸酒、熟成純米酒、vin jaune註1)、ChampagneMeursault註2)、Bonnezeaux 註3)、グラッシーなタッチ


最初は多少の収斂性と硬さを見せるが、やがてモルトの膨らみが出てきて円やかになる。
日本酒的なフィーリングが結構あるのと同時に、Chardonnay (シャルドネ)系のものを始めとして色々な所の白ワインを想起させるという大変ユニークな展開が楽しめた。

48度という割にはコシもしっかりしているが、これでアフターにかけての盛り上がりとノビという点はショボい訳ではないが、今一つ足りない様に思われた。
何やらかんやら言うても、これが70年代蒸留の底力だと納得出来る出来栄えで、80年代以降蒸留のものでは長熟させてもここまで行かないかも知れない。

仮に Les Meilleurs Vin de France 的な感じでスコアリングするのであれば・・・ 17.5 or 18 / 20





註1)ジュラ地方の銘醸ワインの一つで、Savagnin(サヴァニャン)種100%でつくられる特殊なワインで、非常に長熟なワインとしても有名。
註2)ブルゴーニュを代表する白ワインの一つで、基本的にはChardonnay 種で作られる。ナッツ類とミネラルのニュアンスが強めで、全体的にグラマラスな躯体を持つ傾向があるとされる。
註3)Chenin Blanc (シュナン・ブラン)種で作られ、Loire (ロワール)3大貴腐ワインの一角を占める。Anjou-Saumur (アンジュ・ソミュール)地区の甘口ワイン産地である Coteaux du Layon(コトー・デュ・レヨン) の上位のAOC に認定されている



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<悲報> やっぱりこうなったか…

日本のハードリカー業界でもインポーターとして結構な地位を築いた感のあるウイスク・イー(Whisk-e)が、その主力商品の一角として何年もの間この国内に広めてきた商品群を失う事になった。
Ben Riach(ベンリアック)Glendronach(グレンドロナック)Glenglassaugh(グレングラッソ)の取扱(代理店契約)を年内で終了すると既にアナウンスされている。


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これは去年夏の旧ブログ時代の記事でも取り上げた事ではあるが、上記の3つの蒸留所を経営する The Ben Riach
Distillery Co. Ltd.(ベンリアック・ディスティラリ)が、世界的に有名な彼の Jack Daniel's (ジャック・ダニエル)で御馴染みの Brown-Forman (ブラウン・フォーマン)に身売りした事によるものであるのは犬でも猫でも判る話ではある。


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そこから考えると、 ジャックダニエル の正規代理店はスカイツリー至近の本所吾妻橋にあるあのビール会社なので、来年以降の取り扱いはそこに変わるのが順当とも思われる。
しかし、そこはそんなに単純にカタが付く話でもなく、結構ややこしい事も多い。同じ資本・経営下にあっても銘柄毎に日本での取り扱い業者が異なるという一寸判り難いケースも実際は多いからである。


何れにせよ、大手メーカーが新しい輸入元になる可能性は極めて高い。取扱アイテムは数を稼げる定番商品に絞ってくる可能性は高い。しかもドンドン強気な価格設定になるのも必至。
件の3蒸留所が得意にしている少数限定商品は正規輸入されなくなる可能性がある。ただそれでも平行輸入品として極一部で入手可能になる可能性はあるが、寡占化が止まらない酒造・酒販業界の現実がこの件にもクッキリ顕れている。




寡占化はハードリカーだけではなく、ワインの業界でも加速している。ボルドー、シャンパーニュ、更には新大陸各地で膨張し巨大化した資本が彼方此方の名門生産者を買い漁って呑み込んで行く。
インポーターの世界でも、中堅以下の業者が一生懸命売ってきた銘柄を、大手・準大手がいきなり割り込んで札束で顔を引っ叩く様にしてかっさらうのは日常茶飯事。その後はゲームの駒の様に軽々しく扱った挙句、見込んだ程の利益が出ないとなれば、あっという間にポイ!


こんな事に振り回されまくり虐げられる我々愛好家はたまったのもではない!




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Mortlach 14yo 57% Sestante (1970 or 80s)

今回は去年秋に京都は六角通沿いの有名店で頂いた逸品について投稿したい。
記事のタイトルを見ると判るが、このボトルはその頭部に貼られたタックスシールの模様から、1970年代後半から80年代初頭の時期のリリースという事だった。
年数表記だけがあって、蒸留年も瓶詰時期も書かれていない。シングルカスクか否かも判らないが、シングルカスクなんてそもそも殆ど無かった時代である。こういうボトラーズであっても蒸留年や瓶詰時期を明記するなんて事も一般的にはあまり行われていなかった様に思われる。
前にも述べているが、この Sestante(セスタンテ)というイタリアのボトラー、現在は Silver Seal(シルヴァー・シール)に引き継がれ、この Sestante の名を冠したボトルもリリースされている。ただ、この Silver Seal のボトル自体が元々高額だったが、ここ数年で超が付いて超高額になってしまった。


mtlc14y57ses01色は赤みの掛ったゴールド、シェリーカスクという色合いで期待をそそる。

この酒の香味を構成するエレメントを拾い出して行くと…
プラム、赤スグリチョコレート、カカオリキュール巨峰ラズベリー、苺、黒胡椒、トリュフ、鞣革、リコリス、乾し草、パイントゥリー、ティートゥリーアロマ
そこから更に硝煙、炭火焼肉、鰻の蒲焼

樽由来と思われる多少の苦味は残るものの、シェリー感がガッツリではないがしっかり綺麗に乗っている。シェリーカスクとしては理想に近い形の一つかも知れない。
口蓋内と舌の上ではジューシーな躯体を見せて、旨味が溶け込み集積された感じが明確に感じ取れ、液体としてかなり美しい。噛める様なボディで且つ滑らかで品が良く、57度という度数を感じさせない。
この蒸留所はしばしば「Dufftown の野獣」とも称されるが、このボトルは「概ね美女、所により時々肉食系」という全体像か。

味の底部もしっかりしているので、その厚みを安心して楽しめる。アフターも長く、硝煙や焼肉といったこの蒸留所に時折現れる独特のキャラクターも具備している。これを良くも悪くもMortlach だと表する事も出来るが、それ以前に酒として非常に高レベルであるのは間違いない。


Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるとするならば… 18.5 / 20




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Caol Ila 25yo 1979-2005 62.4% Douglas of Drumlaing

先日、大阪に赴いた際に北新地の この店 で頂いたボトルを紹介しよう。Islay(アイラ)のモルトをじっくりテイスティングするなんて何時以来だろうと思いながらの1杯だった。
この店、この春以降はアイリッシュの品揃えを急速に増やしていて、スコッチは隅に追い遣られつつある様にも見えるが、一体何時開けたんかいなと思う様な一寸懐かしいボトルも結構残っている。

今回登場の Caol Ila(カリラ)といえば、アイラ島北東部に位置して同島では最大規模を誇る。それ故か所謂ボトラーズ物でもリリースされる数はある方である。
Douglas of Drumlaing(ダグラス・オヴ・ドラムレイン)は有名ボトラーの Douglas Laing(ダグラス・レイン )の系列ブランドである。



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色は中間的な明度のゴールド

1979はこの蒸留所の黄金期、70年代終盤から80年代初頭は傑作に恵まれているので、このボトルにも当然の如く期待は高まる。

Caol Ila らしくピートの薫煙香とヨード、磯の香りから始まるが、これ自体はあまり強くない。アイラ的な臭さは予想より穏やかで、殆ど感じられない場面すらあって、拍子抜けした感すらあった。
ただ、そんな所もアイラの中では元々比較的中庸なキャラだったこの蒸留所なら許されるのか。

肝心の香味のエレメントを拾って行くと…
黄桃ミラベル焼き林檎胡桃ヘーゼルナッツアーモンドマーマレードグレープフルーツ(赤)梅酒パインパパイア
更にはサンダルウッドパチョリヘリクリサムのアロマ、シナモン、そして微かにリエージュシロップ

特筆すべきは上質の出汁を想起させるようなシームレスで上品な旨味感が盛り上がりを見せて来る事であろうか。非常にインプレッシヴですらある。
しっかりしていて豊か、そしてウォーム、流麗な美しい液体、勿論長さも十分以上


開けてから相当な日数(年月?)が経っているが、その事で色々な要素がしっかり感じられる状態まで開いていたのはラッキーだったかも知れない。その一方でアイラ臭さがその間に飛んでしまった可能性は否定出来ない。この62.4度という超ハイプルーフが故に、開けてから固く閉じこもった状態が結構続いていたらしい。
もっと「アイラ臭かったら」言う事無しだったのに…と少々悔やんでしまう小生である。


そういった事も鑑みつつLes Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら… 18.5 / 20



)1948年に創業した独立瓶詰業者で、その前身は海運業者だった。シングルモルトの " Old Malt Casks "、
" Old and Rare Platinum " 等のシリーズ、ブレンディド・ウィスキーでは King of Scots、McGibbon's 等の製品達で有名
2013年に将来の世代交代を睨んでという事で Stewart Laing(スチュワート・レイン=兄)、Fred Laing(フレッド・レイン=弟)の兄弟で会社を分割。兄は Hunter Laing(ハンター・レイン)を設立し独立。D. Laing は弟のフレッドが経営。




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