Dufftown 街角ミュージック

穏健リベラルの波とマイナーパワーがこの世を救う

2016年9月、FC2 から移転。
Blairfindy1号2号から大文字左京(だいもんじ・さきょう)に改名しリスタート
旧名義の画像が混在しているのは御了承願いたい

記事並び画像の無断使用転載はこれを固く禁ず!
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whisky

Miltonduff 1995-2016 21yo 55% The Whisky Find 威士忌坊

近年、「ボトラー」といわれる独立瓶詰業者が雨後の筍の如く出現しているが、この現象は欧米に留まらずアジアでも起きている様である。

先月中旬に三重方面に遠征したその帰り、名駅エリアのバーに立ち寄った。その際に頂いたのが、小生も始めて目にする台湾の新進ボトラーからのこの1本。
そのボトラーの名は、The Whisky Find 威士忌坊


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その台湾ボトラーからのファーストリリースに当たる「山海経」
(The Classic Mountain and Seas)シリーズ中の1本がこの
Miltonduff (ミルトンダフ)1995-2016・55%
このボトルには女媧補天という名がついている

色はやや明るめのゴールド
先ずはグラッパを想起させるグラッシーなフレーヴァー
その後開いてきて、ライチパイナップルという一寸弱めの?トロピカルフルーツ。
続いては杏仁、ココナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、松の実
マカダミアナッツ
更に杏、李、花梨、ミラベル、という黄色系が出て来て、ラズベリー、赤スグリという赤系が時折顔を覗かせる。
 
一寸した収斂性と刺激感も感じさせる場面もそれなりにあったが、この酒自体のボディは結構大きめでタイトな感じは無い様に思われる。アフターの長さも申し分ないというレベルは確保している様に思える。
総体的に考えればスペイサイドらしいシェイプは比較的明瞭に出ていた印象で、かなり良く出来たスペイの佳酒と言って差し支えない。
ショットの価格から、ボトルの市場販売価格は18000円程度と考えられるが、残念ながらそこまで物とは思えない。

仮に、Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら… 17.5 / 20

因みに、これどほぼ同時にリリースされた物としては、
Bunnahabhain 1990=「爽」、Glen Garioch 1994 55.1%=「后羿射日」、Glen Moray 1996 54%=「百草」、
Caol Ila 1997 40%、Cameronbridge 1995=「杜甫」というのがある様である。

ウィスキー業界内では、アジア市場のプレゼンスが拡大しているのは言うまでもないが、昔から香港やシンガポールの市場はアジアでも重要視されたと思われる。その次に日本が台頭し、近年では何と言っても中国やインドである。そんな中でも実はなかなかの存在感を見せるのが台湾のマーケットである。

伝統と実績のある欧米の老舗ボトラーでないと原酒を買うのが難しいという現状や、シングルモルトの場合は瓶詰までスコットランドで行わなければならない事もあって、アジア地域で新進のボトラーが出てくるのは極めて困難かも知れない。アジアの希少なボトラーとしてこの、The Whisky Find 威士忌坊が何処まで頑張れるか見物である。



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序の様だが、時間と金銭的な理由で頂けなかったボトルの画像も紹介したい。


このシンプルながらクラシックで雰囲気のあるラベルが小生の心を捉えかけたので、早速バーテンダーさんに質問したところ、
何と、Ardbeg (アードベッグ)のプライベートボトリングで、
1997年蒸留の18年熟成だという事だった
この時点で既にカクテル2杯を頂いていた小生としては、最後の1杯は上述のMiltonduff とこのArdbeg との二者択一という事になった。


小生としてもこれは嬉しい大チャンスと思ったが、ショットの値段はというと、Miltonduff の約1.5倍に当たる4000円との事で、躊躇してしまった。
こちらを選択した場合、折角のショットをゆっくり十分味わいたい所だが、帰京する夜行バスの時間も考えると少々難しいかも知れないと思い、Miltonduff を選択してしまったのである。

今時18年クラスのArdbeg なんてお眼に掛かれるチャンス自体少なく、1ショット4000円でというのも難しいと考えると、こちらを選択すべきだったと言う後悔が1ヶ月以上経った今でも残る



ラベルの中央の文字を見ると察しは付くが、日本国内のバー3軒と酒販業者1社の共同でボトリングされた物と判る。以前はこの画像をSNS 等にうpする事もNG だった(既に解禁されている)程の極秘ボトルだったのである。

ボトリング数が88本と非常に少ないが、話を聞けば、有名ボトラーのCadenhead がショップで樽からの量り売りしていたものの、途中で酒自体がピークに達してしまったと判断されたので、その時点で残っていた酒がこういう形でボトリングされたという事だった。



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凄いんですよ? アイリッシュウィスキー Part 2

日本のみならず世界の彼方此方でブームになっていると思われるアイリッシュウィスキーだが、アイリッシュにはモルト、グレイン、ブレンディド、そして(シングル)ポットスティルウィスキー(以前はピュアポットウィスキーの名称)の4種がある。
ポットスティルウィスキーはアイリッシュ独特の物で、大麦麦芽と大麦(未発芽)の両方、更にはオーツ麦等(これも未発芽)を加えて、それをマッシング・ウォッシングを経てポットスティルで2回又は3回蒸留するのでモルトとグレインの中間的な作り方と言えるかも知れない。
そんなスコッチにはない特徴を持った酒もアイリッシュには存在する。

前記事で述べた様に、嘗て2ヶ所にまで減った蒸留所も34箇所まで増えたが、新しく出来た蒸留所も、スコットランド同様に資金繰りに色々な工夫を必要としているのは想像に難くない。ウィスキーと平行してその他の製品を製造販売しているケースも多い。その代表例が、ウィスキーになる前のスピリッツで、POTIN(ポーティン)と呼ばれるスピリッツも注目を浴びている。
2011年にCooley(クーリー)蒸留所がサントリー・ビーム(Suntory-Beam)に買収されると、同蒸留所からの外部への原酒供給が廃止されてしまった。原酒をここからの供給に依存していたメーカー(ブランド)はピンチに陥り、自前の蒸留所を作らざるを得ない所が出てしまった。これも蒸留所増加の大きな原因である。

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左右ともにTeeling のボトルから
左=Teeling Vintage Reserve 24yo 46.4%=single malt Irish whiskey
右=Teeling Irish whiskey 2001-14yo Sheery cask 58% Whisky Magazine editor's selection


The Teeling Whiskey Company(ティーリング・ウィスキー・カンパニー)というボトラーは近年、左の画像にある様な25~30年クラスの長熟シングルモルト等をリリースしている。
それが同年代のスコッチモルトより評価において上回る物も多いという事となると、アイリッシュの実力は世に知れ渡り、最近のアイリッシュ人気爆発に繋がったとも言える。

先日も某酒販店で、このTeeling vintage reserve のシリーズ(25000円前後)が並んでいる所を指して、「これ位のレベルの酒をスコッチで探したら、これより全然高くなりますよ」と言う言葉を耳にした。(4万位にはなるという事か)
今まで人気が無かった分結果的に凄い樽が上手く残ったのではないかとも思った、そして同時に清水の舞台から飛び降りたつもりで手を出してみようかと気持ちが動きかけたものの、決してワイズスペンディングにはならないと思い留まった小生だった。

Teeling の親子(John、Jack、Stephen)がアイリッシュの牽引役としての役割も担っているが、親父=Johnは1987年にCooley 蒸留所を立ち上げた人物でもある。
この一家はクーリーを売却した金でダブリン市内のビール工場を買収し蒸留所に作り変えた。これがTeeling 蒸留所であり、モルトやポットに先行する形でグレインの原酒から蒸留を開始している。この背景にはクーリーからの原酒供給の廃止決定があると思われる。
ダブリンにはこの他に計画中の蒸留所が3ヶ所ある様で、全部稼動すれば4ヶ所。嘗ての「ビッグ4」には到底及ばないが、アイリッシュ中興、ウィスキーの都ダブリン復活の大きなアイコンと成るかも知れない。
嘗ての「ビッグ4」の一角だったMarrowbone Lane(マローボウン・レイン)を作ったのが誰あろう、この親子の先祖であるWalter Teeling(ウォルター・ティーリング)だった。それから200年を経た今、その子孫達がダブリンに於けるウィスキーの伝統的スタイルを復活させると息巻いているのである。(


長い間下火になっていたアイリッシュも90年代終盤から増産に転じたものと思われるが、その頃から作りも変ってしまっているのかも知れない。となると、最近の人気に火を付けた超傑作品はこの先もう手に入らなくなる可能性が高い。
何せ、最近のウィスキーは効率よくアルコールを採り、在庫の回転も速くする事に腐心し過ぎているとしか思えない部分がある。

アイリッシュの回復に対して、ダイヴァシティ(diversity)的な部分では喜んでも良いのであろうが、その一方でこんな事が続くのだろうかと懐疑的にもなる。
最近のマーケットを見ていると、ネタを見つけてバカ騒ぎして消費し尽くしたら、ばった屋みたいに又何処かに飛び移るというのを繰り返す様な気がしてならない。


アメリカでもバーボンは戦後長い間日陰の存在だった、日本がバブルの頃バーボンが持て囃されたものだが、行き場の見付からない酒が無理矢理日本に売り付けられたという背景もあったのである。
アイリッシュはウィスキーの元祖としての底力を取り戻し、バーボンを含めたアメリカ系ウィスキーと共にスコッチにどれだけ対抗出来るかという所は小生としても見物である。

Teeling が凄いのか、はたまたアイリッシュの潜在させる力が凄いのか?その答えが判るのにはこの先数年は掛かりそうである。何せ相手は酒という本来ロングスパンな時間と忍耐を強いる代物なのであるから。


)Thomas Street、Marrowbone Lane、Bow Street、John's Lane の4蒸留所がダブリンのビッグ4と呼ばれていたが、1920年代までに前者の2箇所が消え、1970年代には後者の2つも消えている。


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凄いんですよ? アイリッシュウィスキー Part 1

ここ2~3年程、Irish Whiskey(アイリッシュウィスキー)の話題が色々出て来る様になった。その人気アップはかなりのもので、ここ数年はアメリカでの消費量もスコッチに対して逆転している。

「アイリッシュなんて糞」とどこかで思っていた御仁も多かろう。5年前なんて殆ど話題にならなかった訳で、スコッチの原酒の需給逼迫、価格高騰とレベルダウンで、他のネタを探している内に潜伏していた様なアイリッシュが陽の目を見たというのは穿ち過ぎだろうか?
日本でも高級品も出せば、それこそ2万円超えのボトルでもあっという間に完売したりする。アイリッシュにこんな金出す奴おるんか?と訝しんだものだが、長熟アイリッシュにはトロピカルフレーバーが顕著な物も多く、そこが人気の一端を形成しているのかも知れない。(ウィスキーにトロピカルフルーティーをやたら求める連中が多いと言うのが小生には解せないが)

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アイリッシュウィスキーはウィスキーの元祖みたいな存在であり、それこそウィスキーの代名詞だった時代も長かった。しかしながら20世紀以降は虐げられた歴史を歩んで来たとも言える。

先ず1920~30年代に掛けてアメリカで禁酒法が施行されると、そこで最大のマーケットを失う形となった。同時にアイルランド内戦も勃発して経済も疲弊、更に独立の報復として同国のウィスキーはイングランド等から締め出されて、蒸留所は一気に減少。
第2次世界大戦中はアイルランドは中立だったため、米軍が駐留する事もなく、当時国内供給を優先したので輸出も殆どされず、その結果スコッチウィスキーにドンドン押されまくって陽の目を見るチャンスが殆どない状態になってしまった。80年代に入ってはハードリカー市場の世界的不振の煽りも当然の様に食ってしまい、踏んだり蹴ったりという状態が続いていた。


嘗ては首都ダブリンの街中でさえ蒸留所があったのに、蒸留所の統廃合や閉鎖が相次ぎ、1980年代初頭にはMiddleton(ミドルトン)並びBushmills(ブッシュミルズ)の2つだけと言う超お寒い状況にまでなった。そこにCooley(クーリー=1987年創業)、Kilbeggan(キルベガン=2007年復活)が加わったもの、つい数年前までたった4ヶ所だけだったのである。

(画像はBushmill's malt 10yo 1liter、43度時代の物 恐らくは90年代のボトル)

そこからここ数年での盛り返しは結構なもので、今日は建設中の物も含めて34ヶ所に増えてきている。これは19世紀終盤の28より多いという事になる。
この辺りのファクターを見ると、最近のアイリッシュの盛り返し方は信じられないとすら思う小生である。


最近の人気沸騰の立役者の一人が、Teeling(ティーリング)というボトラーであるといえる。ここから出されたヴィンテージ物のウィスキーは評判になるが、アイリッシュ如きでこの値段かよと思うほど高価な物が多い。25年クラスでも3万近くになる物すらある。
ウィスキーの相場がこれだけ高騰しているというのもあるが、殊にアイリッシュの場合は上述した様な歩みで、90年代半ばまでは生産量も非常に低かった筈である。よって20年クラスの原酒の残存数も極めて少ないのは目に見えていて、スコッチより更に高価になり易いと考えられる。



今日はこんな所で…、Part 2 へと続く!


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Arran(アラン)遂にいちびって? 増殖!

arr2000sms537a去年創業20年を迎えたArran(アラン=Isle of Arran)蒸留所だが、小生もここ1年で限定ボトリングの物を数本購入している。
スコッチウィスキー全体としてはここ10年ほど見せた勢いに翳りが出始めた感もある、その中にありながらArran はその勢いをまだ加速させそうある。ここの酒は近年あまり外さない、レベルも信頼性も上がってきている。酒自体それなりに丁寧に作っているというのは良く判る
本当に初期の酒は随分卦体(けったい)に感じたものだが、近年出たボトル達は方向性も定まってしっかりして安定感もある。よくぞここまで上がってきたと賞賛に値する。
今スコッチモルトの蒸留所の中で一番ノッているのはこのArran ではないかとすら思えるのである。


大手資本傘下にある他の大多数の蒸留所だと、ブレンディドウィスキー用の原酒を大量に生産する事をある程度優先しなければならないが、この蒸留所はインディペンデントなのでそれがない。この部分がかなり幸いしているように見える

Arran という蒸留所、1994年12月にHarold Currey(ハロルド・カリー)氏の下で、同島北部ののLochranza(ロッホランザ)にて建設開始、翌95年8月から操業開始。
カリー氏はChivas Bros. (シーヴァス・ブラザーズ)の出身で自身の夢を叶えようと独立。

80年代はどん底にあったスコッチウィスキーの業界も、90年代半ばになると少しずつ立ち直りの兆しを見せて、休止中の蒸留所が幾つか再稼動していたものの、活況とまでは言えない時期だった。


あまり注目されなかったアランの島だが、敢えてそこを選んだのは、アイデンティティを明確にしてインパクトを出すのと同時に、雨の日でも観光出来る場所を作って資金繰りの足しにするという計算もあったらしい。かくして1995年夏、同島で約160年振りとなるウィスキー製造が始まったのである。

カリー氏は今年3月に死去したが、今年の秋から1対2基の新たなスティルを増設すべく工事に入った。これで、蒸留は1対2基から2対4基の体制となり、年産120万リッター(アルコールベースで)まで生産が可能になるのである。
この蒸留所の強気は続き、同じ島の南側のLagg(ラグ)に新たな蒸留所も建設中で、2年後のオープンを目指しているのである。
1995年にデビューしてから数年(1998~2000頃)、試行錯誤も経てその間にスティルも初期の状態を終えてそこから酒質が安定し向上した様に見える。
ただそこからスティル増設、第2蒸留所開業となれば、これを機に酒質も又変わる可能性がある。


世界経済が停滞気味の基調にある中、この事が吉と出るか凶となるかは判らない。基礎的な需要は以前に比べて確実に大きくなってはいるので、然程悲観すべきものではないかも知れない。
世界中で雨後の筍の様に登場してきているクラフト・ディスティラリーにとって、このArran は良き手本にして目標となる存在になりつつあるのは間違いない。
今回の増殖がしくじりにならない様に願いたい所である。
(画像はスコッチモルト販売向け限定ボトル2000-2016 16yo Sherry cask 53.7%)




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最初からそのつもりだったのか… Part 3

Ben Riach Distillery 身売りの話Part 3 まで来た訳だが…

ウィスキーを含めたハードリカーの世界は御存知の様に、巨大資本のコングロマリットによる寡占化がここ数十年で進んでいる。
その中でもスコッチウィスキーの世界は昔からその傾向が強かった様に見える。その証拠に何せ、嘗てのDCL(Distillers Company ltd.)1920年代で既に圧倒的な大勢力に伸上がっていた。
それが1980年代以降の世界的な業界再編でUDV=United Distillers and Vintners 等を経て今のDiageo- Moët-Henessy (ディアジオ・モエ・ヘネシー)=世界最大手となっている。そしてこれに続くのが、Pernod-RicardBacardiBeam-SuntoryBrown-FormanWilliam Grant and sonsCampariEmperador という辺りである。


jdsb01抑々、ハードリカーでビジネスするには大変な資金力が要る。醸造した上にそれを蒸留するだけでもワインより全然大変である。これがウィスキーやブランデーともなれば、数年から数十年の熟成を経ないと商品化出来ない。そこで膨大な数の樽をストックしなければならない事になるから特に資金力がモノを言う。

今のハードリカーの市場はどうしても大手ブランドのパワーゲーム国獲り合戦の様相を呈してしまい、画一化の圧力が目立ってしまうのは仕方が無いと言える。
大手資本+ブランド力→出せば売れる→さらに巨大化するという展開である。そして最終的に商品の質はそんなに大きな問題ではなくなるとまで言えてしまう(あくまでも極論すればという事だが)。
ハードリカーの世界は結局ブランド力が全てみたいなものだというのも事実である。


それこそ、Brown-Forman の大黒柱であるJack Daniel's なんて今や世界中、犬でも猫でも知っている様な位の超有名ブランドである。
巨額な広告宣伝費を「投資」してブランドを拡大し、世界中に販売網を広げられる巨大メジャー企業の独壇場になり易いのが現在のハードリカーの世界だと言える、
(画像はJack Daniel's Single Barrel for Shinanoya これは結構美味かった)


ワインの世界は今やハードリカーより市場のパイが大きく、法律で保護されている産地だけでも何千何万とある。ワインの世界も作り方等が画一化しているのは事実だが、それでも多様性はハードリカーの比ではない。(ワインとハードリカー、画一化と言ってもその内容が違うというべきか)

それだけ、中小の資本でも生き残れる隙間はまだ沢山あるという事にもなる。ワインの世界でも大資本がその勢力を広げてはいるが、巨大資本と言える様な所は少ないから、マイナーパワーが闊歩している世界だとも言える。 ワインとハードリカー、双方の市場を比較すると、決定的に違う部分が有るのである。
ハードリカーに於いても、更なる多様性を求める消費者は多い筈であるが、画一化させる力が圧倒的に大き過ぎるのが現状である。

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左=Ben Riach 1984-2006 peated 21yo 55% Oroloso Sherry butt
右=Ben Riach 1994-2010 15yo 55.4% PX Sherry puncheon


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左=Glendronach 1995-2014 18yo 54.8% Oroloso Sherry Puncheon 
          for Liquors Hasegawa, Kinko and Shinanoya
(去年、キンコーから購入)
右=Glendronach 1988-2004 15yo 59.4% Sherry butt Cadenhead's Authentic Collection (京都市内で購入)           
本来は東ハイランドの蒸留所なのにラベルではSpeyside と書いてあるww


ここ数年、世界各地でクラフトディスティラリーと呼ばれる中小の資本によるインディペンデントな蒸留所が雨後の筍の如く産声を挙げている。リキュール等でも質の高い物を作るブティック的メーカーが注目されてきている。既存蒸留所の買収とはいえ、ビリーの活躍がインディペンデントな蒸留所やメーカーを多少なりとも勇気付ける存在になっていたのかも知れない。
スウェーデンでは、クラフトディスティラリーとして1999年に創業し、一躍名を上げたMackmyra(マクミラ)も2013年に従業員削減などのリストラを余儀なくされた。当時で累積赤字が3000万クローナ(当時のレートで5億円程度)を超えてしまっていたらしい。
スコッチでもインディペンデントな蒸留所として頑張って来たJim MacEwan(ジム・マッキュワン)氏のBruichlladdich(ブリックラディ)も多額の負債に耐えられず、大手資本のRémy Cointreau(レミー・コアントロ)に身売りしてしまった。 こういう例を見ると、ビリーの所も目論んだ程には儲からなかったのかも知れない。

gfc89ob563a  bank97552a

 
arr98546a上段左=Glenfarclas 1989-2006 16yo 56.3%
昔は高価なFamily Cask シリーズ以外でもヴィンテージ入りでカスクストレンクスというのは結構手に入ったのである。最近は46度加水の奴が多過ぎて困る。

上段右=Springbank 1997 batch1 55.2% (released in 2007)
内側を焦し直したSherry butt で10年熟成。11000本限定マスターディスティラーであるFrank MacHardy とマネージャーのStuart Robertson が原酒をセレクトしたおかげで世界的に高評価だったらしい


下段=The Arran 1998 17yo 54.6%      
refill Sherry cask for Shinanoya
Arran 蒸留所の20周年を記念しての信濃屋プライベートボトリング。小生もこの春入手した


世界各地に現れている新進のインディペンデントな蒸留所やメーカーが今から10年後に残っている可能性は高くないと考えるべきである。 新しい地場産業として期待される所もある一方、地元の反対や環境アセスメント等の理由で計画自体が失敗に終わるケースも多い。



国内でいえば堅展産業厚岸蒸留所(今年度内に操業開始予定)のケースでも、北海道の全ての自治体へオファーを出した中で、蒸留所計画を受け入れたのは厚岸町のみだったのである。

 
高評価のフレンチ・ウィスキーとして名を上げたCeltic Whisky Compagnie はスコットランドに進出すべく、去年夏にGlann ar Mor(グラン・アー・モー)蒸留所を閉鎖して()、Islay(アイラ)島にGartbleck(ガートブレック)蒸留所を立ち上げようとしたが、頓挫して事実上失敗
何と言っても地元の反対が強かったからである。平穏だったアイラの島が昨今のウィスキーブームで騒がしくなった所に、蒸留所が増えるのはNG という事らしい。


そういう中でも、インディペンデントな蒸留所でも大手資本に巻き込まれず、脈々とその流れを築いている所だってある。SpringbankGlenfarclas はインディペンデント蒸留所の2大巨頭である。よって、今のインディペンデントな所について100%悲観する事も無いと思われる。
将来、Springbank やGlenfarclas の様な名門に進化する所が出て来る事を希望する今日この頃の小生であるが、先ずはThe Arran に期待である。最近のArran は良くなってきていると思う。
マイナーパワーが活躍してこそ豊かで文化的な世界になるのだから。 その生き残りのキーワードがあるとするなら、alternative(オルタナティヴ)としてその存在を確立出来るかという事なのかもしそうであれば、皮肉だがalternative が最も生まれ難いのが実はスコッチウィスキーではないかと思われる。あまりにも伝統的過ぎるのである。


 

)Jean Donnay(ジャン・ドネ)氏率いるCeltic Whisky Compagnie が、Bretagne(ブルターニュ)地方のPleubian(プルビアン)という街で1997年に創業させたのが、Glann ar Mor 蒸留所。 2008年に蒸留所と同名のノンピート麦芽のウィスキーをリリース。翌2009年にピート焚きモルトのウィスキー=Kornog(コルノグ)をリリース。この会社はボトラーとしてスコッチやアイリッシュのウィスキーを独自で瓶詰販売もしている


※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jul. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



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