Dufftown 街角ミュージック

穏健リベラルの波とマイナーパワーがこの世を救う

2016年9月、FC2 から移転。
Blairfindy1号2号から大文字左京(だいもんじ・さきょう)に改名しリスタート
旧名義の画像が混在しているのは御了承願いたい

記事並び画像の無断使用転載はこれを固く禁ず!
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whisky

<悲報>マッカランさん、地下に潜ってしまう

嘗ては「モルトのロールスロイス」と称されていたマッカラン(The Macallan)、今となっては「スッカラカン」「モルトの原付」とも言われて随分叩かれている。そうはいってもボトラーズ物の相場は他の蒸留所の酒と比べると最低でも5割増以上と、ネームバリューだけで思いっ切りぼったくれるすんご~い存在である。

そんなマッカランの蒸留所が建替えられて新しい蒸留所が稼動している(それまでの蒸留所は5月に閉鎖)。マッカランの新蒸留所建設を含めたリニューアル計画がアナウンスされたのは2012年の事で、発表から6年で新蒸留所のオープンに漕ぎ付けた事になる。
ただその画像を見るとウィスキーの蒸留所とは到底思えない物になってしまった様である。どう見ても古墳か要塞にしか見えない出で立ちである。
建物は地上から殆ど見えず、ドームみたいな丘の中に隠されている。コンクリートで造られたその丘は土と草で覆われ、蒸留所の僅かな部分だけが露頭している。新しい蒸留所本体の建設費は約1億4000万ポンド=凡そ200億円だが、これに関連する各種の事業費を合計すると総額は約5億ポンドに達するらしい


何でそんな新手の古墳みたいにしたのかというのを小生なりに考えてみると、外気温に左右され難い、外から覗かれない、あとは核シェルター代わりにもなる
そういった事は半ば冗談としても、一種のハッタリみたいなアピールもブランド力向上には必要だというエドリントン(Edlington group=マッカランの支配者)側の判断が働いたのだろう。


( こちらを閲覧すると新しい蒸留所の外観が判り易い )

そしてもう一つ特筆すべきはその規模のデカさである。ウォッシュスティルが12基、スピリッツスティルが24基の合計36基を備え()、スティルは旧蒸留所の物を完コピしたとされる。(旧蒸留所ではウォッシュが 7基+スピリッツが 14基、合計 21基だった)
蒸留所側はこれまでと全く同じ酒を作れると豪語しているが、蒸留器を完コピしたからといって同じ酒質になるとは思えない。スティルの状態は使って行くうちに変化して行くものであるから、「ルーキー」と「ヴェテラン」で出て来るスピリッツの質が完全に一緒という訳には行かないであろう。
目標の生産量は年間1500万リットル(エタノール量で)、これはモルトウィスキーの蒸留所としてはあり得ない数値である。(旧来では1100万リットル)


スコッチモルトの蒸留所では MacallanGlenlivet(グレンリヴェット)Glenfiddich(グレンフィディック)の3箇所が生産規模で群を抜いている。この3大手がシングルモルトとしての売り上げ・生産量の#1を常に目指して争っているが、そこに見えるのは「売上1位になった物が勝者=唯一の正義」という論理である。
ウィスキー界では新興国を中心にした需要の増大は殆ど無限に続くとの確信がある様で、大手を中心に強気一辺倒の事業展開である。



スコッチウィスキーのトップに長い時代に渡って君臨して来た Macallan である。当然色々とレジェンダリーなウルトラ級の神ボトルが存在するのも事実である
ここに挙げたのは、2008年の「モダンモルトウイスキーマーケット」の会場内に展示されていた Fine and Rare (ファイン・アンド・レア)シリーズで、展示されていたのは2002年瓶詰の奴だった。
この Fine and Rare はこの蒸留所最高峰のシリーズ。1960年代から続く由緒ある物で、シングルカスク・カスクストレンクスである。マッカランは今世紀に入ってから一寸平べったいヘンチクリンなボトルに採用してしまったが、このシリーズは昔ながらのボトルを採用し続けている所も威厳を感じさせる。
価格の相場だが、これを撮影した2008年の時点で 6桁(¥)だったと記憶している。2013年に出された1990年はアメリカで$15000位だったらしいが、僅か数年で1桁上がってしまったみたいでこれは幾ら何でも馬鹿馬鹿し杉内である。

今やマッカランのレアボトルは恐ろしい値が付き捲っていて、高級外車(新車)並みの値が付くのも珍しくない。


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左=1966-2002 の 55.5% 右=1967- 2002 の 56.3%
1966・67年は何れもマッカランのウルトラ黄金期、超絶なスーパースター原酒が生まれた時代。マッカラン=ゴールデンプロミス種というイメージが強いが、この時期は本格導入直前と考えられる。
やや赤みを帯びた丁度良い感じのマホガニーを見るだけで、マッカラン=1st フィルのシェリー樽というイメージ通りでその美しさと重厚なオーラにウットリである。


macl682k2finrar466a  macl692k2finrar590a

左=1968-2002 の 46.6% 右=1969-2002 の 59.0%
ここからがゴールデンプロミス本格導入後の原酒と考えられる。色から見ると、1st ではなく2nd フィルのシェリー樽だったのかも知れない。



macl702k2finrar549a  macl712k2finrar559a

左=1970-2002 の 54.9% 右=1971-2002 の 55.9%
この2本はゴールデンプロミス種1st フィルシェリーカスクというこの蒸留所を象徴するコンビネーションなのは間違いなく、ウィスキー界の至宝であるのは明らか。




)初留釜(ウォッシュスティル)と再留釜は 1基ずつで対を成す所が殆どだが、マッカランは初留 1基に対して再留 2基で対を成す。



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キャンベルタウンのフェス、発見される

先月大阪に赴いた際のネタになるが、西天満にあるこの店を久方ぶりに訪れた。そこで日本では殆ど入手不能なボトルを見掛けたのでオーダーした。
このラベルが数年前に別の店で出逢ったボトルと似ていた。Springbank Society Menbership 会員用(50ポンドで会員資格生涯有効!)のボトルではないかと思って確認がてら訊いてみると、違った


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今年5月24・25日に行われた Campbeltown Malts Festival 2018 というフェス記念ボトルだったというのである。キャンベルタウンのフェスなんて小生には初耳だった。
この店のオーナーがスコットランドに行った際に「こんなイベントやってるよ」的なノリで紹介されて足を運んでこの 2 本を手に入れたらしい。


そこで調べてみると、今年で 10回目を迎えていたのだった。Fes. といっても野外ステージで長時間音楽で盛り上がる類のものではない。ウィスキーのフェスなので、セミナーやテイスティングが幾つもあるというものである。
ウィスキーでフェスというと Islay Fes. (アイラ・フェス)が有名で、その記念ボトリングは毎年話題になる。しかもここ数年は来場者が増えすぎて現地では問題になっている程である。
この手のイベントは近年増えている様で、Speyside (スペイサイド)にも " Spirit of Speyside Whisky Festival " が存在する。(2006年から毎年5月上旬開催)
Speyside や Islay なら産地としての知名度や人気もあるし、蒸留所の数からいってもネタは豊富だろう。


キャンベルタウンなんていうと、人口5000人程度の寂れた小さな港町で存在する蒸留所も3箇所だけ。100年以上前なら約30箇所の蒸留所が林立しウィスキーの都ともいう場所の一つだった。しかし英国国内での禁酒運動、アメリカでの禁酒法施行等で大打撃を喰らい、その後は粗悪な製品が横行してこの町のウィスキー産業は廃れてしまった。更にはこの町を支えた炭鉱・漁業・造船等の産業も悉く衰退し、今や陸の孤島と呼ばれる破目に
今でこそSpringbank(スプリングバンク)Glen Scotia(グレン・スコシア)Glengyle (グレンガイル)の3つが操業しているが、1980年代にはスプリングバンク1軒だけが操業していたという時代もあった。


モルトウィスキーを生産している場所なんて、何処も片田舎である。そんな所に世界中から沢山の参加者が集結したら、各種のインフラがパンクする等の問題が起きる可能性は高い。それでも、折からの世界的なウィスキーの需要増大をバックにこの手のイベントが更に増える可能性は高いと考えられる。



~この2本のインプレッション~

左画像=Hazelburn 2007 10yo 59.6% refill Marsala hogshead
Hazelburn(ヘイゼルバーン)なんて、そもそもイメージが湧き難い。Springbank の3回蒸留ヴァージョンではあるが、これといった基準になるイメージが小生には無い。シェリーではなく、マルサラかなぁ~と思わせる樽のニュアンスと、3回蒸留っぽいタッチが彼方此方に感じられる。こんな感じでしか表現し様が無い。
Marsala はイタリアはシチリアのフォーティファイド・ワインとして有名だが、その基本的ニュアンスすら判らないという場合はお手上げかも知れない。


右画像=Longrow 2005 13yo 58.7% refill Port cask
Longrow (ロングロウ)はいうまでも無く、Springbank のピート効かせたヴァージョン。
このボトル、ポート樽熟成といってもこちらもリフィル(2回目の樽)なのでそこから来るニュアンスは多くない。全体的にロングロウのイメージにかなり忠実と考えられる。
酒精強化ワイン系の樽を使った Longrow には結構上手く纏ってそこそこ綺麗な物が多いという小生の印象である。ピートと樽、そして本来のブリニーな部分が上手くバランスしてしまう事が多いのだろうか?

因みに、このイベント記念ボトルとしては Glen Scotia (グレンスコシア)からもリリースがあった模様である。




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<悲報> ウィスキー、又更に馬鹿馬鹿しくなってしまう

スコッチモルトを中心にここ数年高騰が止まらないウィスキーだが、この夏のザ・ソサエティ=SMWS ニューリリースのリストを見て、予想通り呆れる様な数字が並んでいた
去年辺りから相場が落ち着くかと思ったら、そうは問屋が卸さずまだまだ青天井状態である


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Islay (アイラ島)の奴の高騰ぶりは酷い!

有名人気蒸留所の物は高騰し過ぎて皆酷い! 興味すら湧かぬ!

モルトでもワインでもブランド品でも、元々が名前と幻想にカネ出す様なもんやからセーフ!


スコッチだけではソサエティと雖も種類を確保出来ないのか、遂にインドのウィスキーまで手を出した。
中身は如何考えても AMRUT、それが6年熟成で42800円也(草不可避


インドは熱帯やから、エンジェルズシェアが年間8%。6年熟成するのもかなりきつい。
それってKAVALAN (カヴァラン=台湾)と理屈は一緒やね。


エンジェルズシェアから単純計算すると熟成スピードはスコッチの 4倍相当?
インドで6年ならスコッチの25年位に相当する熟成って事かも知れんけど、4万越えって明らかに基地外、たかだか AMRUT 如きで!


コード51番の Bushmills からもリリースされるけど、たかだか16年の奴が30000円!

アイリッシュは元から馬鹿馬鹿し杉山清貴とお目が高い こんなんでもゲッツ!しちゃうやつおるんやろ。

8月発売の Springbank 1996・54.7度が、21年で 5万円オーヴァー 因みにオフィシャルの46度は平均で4万円台

昔のソサエティは相場より少し割高やったで。モルトの相場自体の高騰で結果的に逆転して、ここ3年位は相場より少し安いという事で日本でも会員を急に増やしてきたのに、これじゃ一気にメンバー減る定期。

SMWS も元々ラムのリリースはあったけど、この夏場にコニャック4種にラム2種がリリースで、これからコニャック、ラム、バーボン辺りのリリースを増やすのは確実。その内、カナディアンとか出してきよるかも知れんで。


ここまで来たらシェリーマディラ辺りもきっとワンチャンある

「生命の水」と銘打ったラベルで山崎や余市を出していた頃がなつか C


別にソサエティばっかり集中攻撃せんでもエエやろ!
新進の中小のボトラーなんてもっと全然酷い! イタリアとかドイツのボトラーみんな酷過ぎ。


そこは大手や老舗も似たようなもんで Gordon and MacPhail の Connoisseur's Choice もアホらしい値段になってきた。ニューリリースのPulteney 2001・16年の加水46%が16000円になるらしい。

ウイスキー終りだねぇ~、全部アホらしく見える、僕は思わずブランデー 買い占めたくなるぅ~

シングルカスクでカスクストレンクスだと出せる本数が少ないから、その分高くなる。加水で嵩増しして本数を増やしても値段がその分安くもならない。

ラムも彼方此方で蒸留所が潰れてるから原酒確保がドンドン難しくなる。

逃げる先はブランデーしかないのか?

もう手遅れかも知らんで、そこも。

愛好家で済むなら、「ウィスキーはもうオワコンや」言うて他に逃げればエエ。それこそウィスキー専門を売りにしている様なバーやったら、幾ら高騰しても仕入れなきゃ客に出せる物がなくなる。

これから世界のセレブ観光客がドンドンやってくるから(適当)、バーだったらそいつら相手にぼったくってセーフ!

日本のバイヤーが一樽毎に一生懸命テイスティングして選ぼうか思案している傍から、中獄や台湾の奴等が試飲もなしで金に糸目もつけずに数十樽レベルでごっそり買って行く。
日本のマーケットなんて今や用済みで存在しないも同然。まともな樽なんて回って来んよ!

それは、さとり世代やゆとり世代が全然酒飲まんのが悪い!

複数樽ヴァッティングしてシングルカスクでなくスモールバッチにして売って価格を一寸抑えてるケイデンヘッドが良心的に見えてきたわ。




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2 Pulteneys handbottled

2016年秋に北新地で Pulteney (プルトニー)蒸留所のハンドボトリングの品2点をテイスティングしていたので、その時の話を出そう。
このプルトニーという蒸留所、以前は「the most northenly distillery on the Scottish mainland =スコットランド本土内で一番北にある蒸留所」という肩書きがあったが、7年前にそれは失ってしまった。というもの、そこから30km程北西にある Thurso (サーソ)という町に Wolfburn Distillery (=ウォルフバーン蒸留所)が2011年にオープンした為である。
この Pulteney 自体は総体的に地味な蒸留所であり、日本では少々馴染みが薄い所がある。
蒸留所はウィック(Wick)という鰊の漁で栄えた町で1826年、この町の発展に寄与した Sir William Pulteney Baronet (ウィリアム・プルトニー準男爵)の名を冠して創業した。
創業者は William Henderson だが、その後20世紀に入って John Dewar and sons(ジョン・デュワー・アンド・サンズ)、DCL=Distillers Company Limited、Hiram Walker(ハイラム・ウォーカー)、Alied Domecq(アライド・ドメック)という具合でオーナーの変遷を経て、1995年からは Inver House (インヴァー・ハウス)の傘下にある。1930年から約20年程の間、閉鎖も経験している。スコッチの蒸留所は町外れにある事が多いが、この蒸留所は市街地に存在する数少ない例でもある。



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Pulteney 1997-2016 18yo 61.3% Burbon cask=左画像
色は明るめのゴールド
樽から来ているのが明らかなバーボン的香りから始まるが、そこからグラッパ的なグラッシー感
ライムグレープフルーツレモン林檎ミラベル
落雁バタークッキー生カラメル、ホワイトチョコ、シナモン
複雑味はあまり感じられはしないものの、60度を超えている事を感じさせない程にはボディの厚み、膨らみ、広がりはしっかりしていてmアルコールの刺さる感じは殆ど無い。しかも長さはそれなりにちゃんとある。ただ、18年と言う割りには熟成感がやや乏しいか


Pulteney 2004-2016 12yo 61.3% Sherry cask=右画像
色はマホガニーとブラウンの間位だったか。一言で言うと「大きなお世話シェリー」(神戸の或るバーテンダーさんの言い方を借りると)に近い感じ。言い方を換えると、シェリー樽の味が余計過ぎてもう止めてというレベルの奴をそう表現されたのであろう。
この酒もシェリー味が目立ち過ぎる印象だった。でも、酒の味としての部分をトータル的に考えると決して破綻はしておらず、使われたシェリー樽自体も悪くはないのであろう。でもウィスキー自体の味が樽の味に覆い隠されている様な印象しか受けなかった。
元々のスピリッツ自体の味が樽に負けている可能性は非常に高いと考えられる。抜栓してからの日数は判らないが、その日数が充分でない事で本来の風味が開いていなかった事も考えられる。更には61.3%という超ハイプルーフも加担してしまった可能性もある。


幾らシェリー樽擁護派の小生と雖も、この2種を比較すると前者のバーボンカスクに軍配を上げてしまう

ハンドボトルは本来は蒸留所に行かないと詰められないから入手は出来ないが、実際に行って詰めた人から直接買うかネットオークション等で入手する方法もある。ただし、詰める時点でその価格は殆どボッタクリだという。

Old Pulteney の日本での正規代理店は三陽物産なのだが、そこが漸く限定スペシャルボトリングをリリースすることになった。そこまでは朗報だった、が・・・
価格が馬鹿馬鹿し杉内で話にならん 結局、悲報にしかならん





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Craigellachie 1990 26yo 48.4% BBR for Ginza Zenith, Tokyo

Bar Ginza Zenith (ギンザ・ゼニス)という名を耳にした事のある御仁達は多いかも知れない。
銀座の名店である「絵里香」
註1から独立した須田善一氏の下、チーフバーテンダーの三浦龍ノ介氏を擁して、去年春に10周年を迎えたまだ若い店ではあるがその人気と名声はなかなかのもの。
その店の10周年を記念して去年4月にリリースされたのがこのボトルだった訳だが、外部への販売分は予約だけであっという間に Sold Out だったらしい。

BBR (Berry Brothers and Rudd=ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド)の " Berry's Best " シリーズの中の1本としてボトリングされたが、この画像にあるタイプのラベルは「コーヒーミルラベル」と呼ばれて、特別なものにしか使用が許可されない。即ち、樽(原酒)を提供した BBR サイドからも特別というお墨付きがあったという事で、外見からしても期待値が高い。
これをテイスティングしたのは銀座ではなく、何故か北新地。大阪を訪れると殆ど毎回お世話になる Bar Parkmore (パークモア)で先月末にテイスティングした。


gellach90bbr484aCraigellachie (クレイゲラヒ)という蒸留所は、嘗てあの White Horse のメインモルトを担っていたのは有名。1930年以降は D.C.L. 傘下に入りその流れでU.D.V. グループの一員として過ごし続けたが、1998年そのUDV がDiageo (ディアジオ)を結成したのを機に、Bacardi (バカルディ)売却されて、今に至る。
最近ではシングルモルトとしてオフィシャルボトルのリリースもあり、蒸留所のスタイルというものも徐々に知れ渡りつつある。今回のこのボトルの良さは Craigellachie という酒の基本的キャラクターを知っていないと理解できないであろう。


さて、このボトルのインプレッションに入ると・・・
色はやや薄めで、ストロー
香味のエレメントを挙げて行くと・・・、先ずはミネラル、木材白桃
林檎洋梨ライチミラベル
続いて乳酸飲料類、ルブローション(ウォッシュ系フロマージュの一種 
註2
更にはマロングラッセ焼いたアーモンドクリーム生八橋が現れ、
時間経過と共にジンジャーシロップ、キャロットシード、ヘリクリサム、セロリルート、ヘーゼルナッツ、胡桃といった辺りが追加的に顕れる。


香りはおしとやかで奥ゆかしくソフトな出方だが、その一方でこの蒸留所にありがちな硬質感がボディと舌触りに時折見え隠れする。それでも基本的にはシルキーである。

この両面の間隙を縫うように出てくるモルト感はかなりソフトでスロー
この辺のギャップは凄いが、結構厚くてエンジェルタッチ的旨味感が長く続く。
あまりにも綺麗に重合してしまっているのか、エレメンツを素因数分解する様に拾い出して行くのが非常に困難

表立っては雄弁に語らず、行間を読ませて色々忖度と想像を要求するウィスキー。飲み手泣かせで繊細にして難解ではあるが、神経と頭脳を使わせる明らかに中上級者向けの一本。小生がこんな所で言葉を弄してもこの酒の素晴らしさを伝える事に限界があるのは眼に見えているのだが・・・

実はこの後日、生麦のこの酒屋を訪れた時にこのボトルの話になり、「本当に良い酒は早々簡単に手の内を見せない」と言われたのだが、なるほどまさにその通りという事か。

いつも通りにスコアリングしてみると・・・、18 or 18.5 / 20



註1)1968年7月に銀座6丁目に開業したカクテルを主体に推すバー、店としては比較的小さいが銀座でも指折りの名店。
(つまり、店自体は ゼロロク 583系 485系 と「同期生」になる)
オーナーの中村健二氏は50年以上のキャリアを誇り、バーテンダー界のレジェンドの一人。「スタア・バー」で有名な岸久氏もこの店にいた事がある。

註2)フランスのSavoie (サヴォア)地方特産で、セミハード系とウォッシュ系の中間的なフロマージュ。Reblochon と表記するが、再び絞るという意味がある。牧場主に徴収される牛乳の量を減らすため、搾乳の際に一回で絞りきらずに、2回目の搾乳を行いその2番絞りを素に作られたという事から由来する。



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