去年秋頃、年金機構から主に中小零細の事業所(事業者)を対象として、こんなとんでもない文書がばら撒かれたのを御存知か?

この板を御覧の中にも思い当たられる御仁がおられるかも知れないが…
その文書とは…
法人事業者並び一定の要件を満たす事業者は厚生年金に加入する義務があるので、未加入の事業者は直ぐに加入するように。さもなくば、年金事務所から立ち入り調査をして、その場で加入手続きを取ってもらう事になる。」(大意として) という具合のものだったのである。


この話、マイナンバー制度施行との関連があるのは間違いないが、厚労省が各種事業所に対して説得や周知・啓蒙・勧奨等をあまり熱心に行っていた様には見えない。今迄の失策怠慢を誤魔化すためにこんな脅しめいた事をしたのだとすれば、先ずコレだけでも充分に糞である。
社保労士の人達も実際には「年金事務所による立ち入り調査なんて聞いた事ない」と訝しんでいたという。 更にこの背景を考えると、事業者の所在やその中に給与所得者が何人いるか等々の情報が厚生労働省にわんさか入っている事が見て取れる。
ここに大きな問題が既に存在しているのは明らかである。


年金機構(厚生労働省)がこんな情報を収集出来るとは到底考えられない。他所の役所から情報を得たのは明らかであった。
ではいったいその出所は…、御察しが付くかも知れないが、国税局である。


厚生労働省サイドも既に国税局から情報を貰ったと認めている。その貰った情報を基にあんな文書をばら撒いたのである。
税務署(国税局)は我々納税者に対してこんな口を何時も叩くのである。「期限内に正しく申告して下さい、秘密は守りますから」こんな常套句を言いながら、納税者の情報をいとも簡単に他の省庁に渡したのである。
国税と云えば、課される守秘義務も職業倫理も本来非常に厳しい筈である。なのに、中央省庁同士なら守秘義務も阻却されるというのであろうか?
税と社会保障の一体化を進める上での縦割り行政の弊害除去政策の円滑な遂行の為の省庁の垣根を超えた連携強化こんな美名が付けられての事であろうが、美名が付けば何をやっても許されると思ったら大間違いである。


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厚生年金に加入するとなると…、会社員の方々は当然御存知であろうが
法人格を有し1名でも雇用している事業者、更に5人以上を雇用する個人事業者は加入しなければならない事になっている。加入した場合、
厚生年金・厚生健保・雇用保険・労災保険の4点セットを負担させられ、目安として月給の3割相当の額を雇用主と労働者で折半して負担する事になる。 これに関連して、給与の計算や勤務評定等の労務管理を厳密に行う必要が生じ、各種の細かい手続き書類作成も強いられて、結局社保労士に報酬を払う破目になる。

小規模事業者にとっては大変な負担になって、コレだけで潰れる可能性もあるのはお分かりであろう。
社保労士と云えば勿論厚労省の所管業界、この機に乗じて関連業界を儲けさせようという意図も透けて見える。
因みに、社長・専務等々の役員は加入できない、役員は使用者側であり労働者ではないからである。「ウチは社長以下役員も厚生年金払ってる」という御仁もおられるだろうが、それは役員であっても他の従業員と同様の仕事をしているという建前で加入させているのである。

業種や規模等に関わらず一律に法人格があるからという理由で、しかも1名でも従業員がいれば即刻義務付けるというシステムは現実を考えると無理がある。
業種や規模等によっては勧奨や努力目標程度に留めるべきではなかろうか。

 

取扱いに最大の慎重を期すべき重要な個人情報の「横流し」はこれに留まらないと考える方が妥当である。こういう事が廻りまわって権力の暴走に火を点けるケースが無いとは言えないのであるから、我々も警戒をする必要がある。
 

行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律=俗にいうマイナンバー法、
最初に成立してから施行されるまでに十数回も手が加えられているのである。最初に成立させる時こそ国会議員達もそれなりの力を入れてチェックと議論もしたであろうが、その後の変更の際は殆ど素通し状態にしたのは間違いない。
そのクソな一例として… 給与や報酬の支払いという事になると、払う側は貰う側の個人番号を取得しなければならない。
支払いを受ける人と支払う側の個人番号管理担当者が2人きりになった状態で、他の人間をその場から追い出し、その上で個人番号取得手続きの際、個人番号カード又は通知書以外の本人確認書類の提示を受けて本人確認を行わなければならない。これを正しく行わないと罰則の対象になる。
こんな事やらされる側にとっては時間と労力のえらいロスで、恐ろしい負担になりかねない。厄人達の脳ミソでは合理的なのだろうが、我々市民の感覚では合理的なんて誰も言わないであろう

 

※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Apr. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

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