先月、東京プリンスホテルのバー・ウィンザー(Bar Windsor)に足を運んだ事は前記事で述べたが、その際、一寸気になる情報を受け取った。

これはあくまでも、ウィンザーのバーテンダー様からの話としてだが、ペルノリカール(Pernod Ricard)が主催した業者向けのセミナーで、かの有名なシーバスリーガル(Chivas Regal)の最新ヴァージョンのテイスティングも行われたそうなのだが、何と、今迄の物と味の傾向が大きく変ったらしいのである。(
何でも、最新ヴァージョンはスモーキーフレーヴァーが結構目立つというのである。これがもし事実なら、シーバスは最早シーバスではないという事にもなる。これは結構大変な事かも知れない。 

Chivas、Johnny Walker、Ballantine's、 White Horse…等々、スコッチウィスキーの有名どころでも、時代と共に味を変えざるを得ないのは事実。市場の嗜好の変化云々というのは勿論大きい。スコッチ業界もこれまで数回の大規模再編を経ていて業界内の事情も変化している事も無論看過出来ない。そして何と言っても原酒の質が変わってしまっているのだから仕方が無い。


そんな中で、シーバスのライバル(?)ジョニ黒だって随分とキャラが変ってしまった。ブレンディド・ウィスキーだってここ20年位のレベルダウンは凄まじい

chivas80s01シーバスに於いても、35年前と今では雲泥の差で、近年のボトルは飲む気がしない。 シーバスとは抑々如何いう酒かと言うと…、「軽やかで繊細、華やかでソフト、ナッティでリンゴやナシの様な風味もある。」という事になっている。旧い時代(80年代迄)のボトルを飲むとその事が判る

シーバスは決してスモーキーな酒ではない、スモーキーにしたらシーバスではなくなる。前出のバーテンダー氏によると、明らかにスモーキーさが目立っているのだという。もしそうなら、ブレンドのレシピを変えたのは明らか、にも拘らず…、

ペルノリカールサイドではブレンドは一切変えていないの一点張りだったそうである。ペルノリカールなら如何にも言いそうな一言ではあるが…、この会社は秘密主義が過ぎる様な傾向が見受けられるから、この話を聞いた小生も驚きはしなかった。
 
市場の傾向としてスモーキーなスコッチは受け易いという事は想像に難くない。同時に、基本的な味が足らないからスモーキーフレーヴァーで誤魔化というのもあると思う。
でも、全員右へ倣えでスモーキーな物を作ったら個性やブランド力もへったくれもなくなる。 ウィスキーは近年流行のシングルカスクでもない限り、ブレンダーの手を介して味が決まる。その味を決めるブレンダーの持つ味覚嗅覚は超人レベルで、天性のものである。


そんな人達の力を以てしても最早如何にもならない位に原酒の味が落ちているという事なのであろうか。もしそうなら、ウィスキー業界は未だ嘗て無い程の盛況を呈していると言われるが、同時にとんでもない危機があるという事になるのではないか。 機会があれば検証したいとは思うが、シーバスに限らす現在出回る大部分のブレンディドスコッチは金を出すに値しないから、何処かのイベント等でのただ酒でという事になるであろう。



)Chivas Regal、100 Pipers、Long John、Ballantine's、Passport 等のスコッチは現在、 Pernod Ricard 傘下になっている。これは今世紀に入ってSeagram (シーグラム=カナダ)のワイン・スピリッツ部門及び、Allied Domecq(アライド・ドメック=イギリス)を次々に買収した事による。



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Apr. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

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