前記事のボトラーズウイスキーフェスティバルの記事の続きになる。
このイベント、通常のウイスキーフェスティバル(以下、W.F.)より範囲が限定されている分、スケールの小ささが否めなかった。
そんな中、このイベントの#1 は酒育の会なる所が出していたテイスターズ・ブース。勿論、断トツ!
そこには愛好家垂涎のレジェンドなボトルも数々
その中から幾つかテイスティングさせて頂いた。(一杯10mlで¥1000以上と結構お高く、時間もあまり残っていなかったので色々は飲めなかったorz)


gliv72mlr531a  rosb81prv623a

左画像=John Milroy(ジョン・ミルロイ)のGlenlivet 1972-2002 30yo・53.1%
早々と空になった模様 John Milroy も有名ボトラーだが、そんなに評価されているかは疑問ww。それはさておき、70円台のGlenlivet なんて頂ける機会はこれから殆ど無いと思われるので、空瓶だけ撮影しても虚しい。
右画像=Douglas MacGibbon(ダグラス・マッギボン)のProvenance シリーズからのRosebank 1981-2001 20yo・62.3%
コレは確か賛否が分かれるボトルだった様に記憶しているが、閉鎖から20年以上経過してRosebank も完全に幻の酒となった。


fbois66fmrg01  mstw28y601jma01

左画像=François Marange(フランソワ・マランジュ) のコニャック
今や貴重な60年代蒸溜、しかもコニャックの中のマイナーエリアであるFins Bois(ファン・ボア)の原酒
一般的なコニャックのイメージとはキャラが異なる。華やかさには欠けるが、非常にピュアで透明感があって美しい酒ではある。
もっとじっくりテイスティングすればその良さはもっとよく判るであろうが。コニャックについて一般的に連想されるあの華やかで甘美なイメージはGrande/Petite Champagne 地域の酒から齎されているのかと思ったのである。
因みに、このF. MarangeDaniel Bouju(ダニエル・ブージュ)の2nd ブランド。 良い経験値が一つ積めたかも知れない。コニャックに於いて大手メーカーの品質低下が著しいのは間違いないが、その裏でまだ見ぬ逸品達が埋もれているのかも知れない。それを何とか手に出来る幸運を祈りたい。

右画像=Mosstowie 28yo・60.1% James MacArthur Fine Malt Collection
J. MacArthur は1983年創業の今でも有名なボトラーで定期的にリリースもある。以前は非常に不親切なボトラーで、蒸留・瓶詰年を記載していなかった。
多分初期に近い(つまり80年代)ボトリングかとも推察される。ある御仁の話だと、コイツは度数だけでなく内容もかなり凄いとの事だったが、時間切れで飲めなかった。


bwst63wcd682a  smws582a

allachie69gm568a上段左= Bow Street 1963-1991 27yo・68.2%
W. Cadenhead's Authentic collection
愛好家には御馴染み過ぎるあのCadenhead の150周年記念で瓶詰された物らしいが、此のボトラーは御存知の通りSpringbank と同資本
これはアイリッシュ・ウィスキーで、更には思いっきりシェリーカスク!多少ゴム臭い感じも出てしまっているが、直ぐに忘れる位濃密!
シェリー樽好きには堪らない! 
68.3%なんて事感じない程濃厚!

 
所謂Sherry Monster という様なキャラも強いが、諄いとは感じない。そしてスコッチではなくアイリッシュと判る様な主張もある!
Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら…
                          18~18.5 / 20

 
Bow Street 蒸留所は1780年創業、あの世界的に有名なJameson の蒸留所として有名だった。 Dublin 市内にあってアイリッシュとしては最大を誇った時期もあった。しかし、アイリッシュウィスキーの衰退による業界再編でJameson はライバルだったJohn Powers、Cork と共にIrish Distillers Group に組み込まれ(1966)、Bow Street は1971年に閉鎖。

以来、Jameson はMidleton 蒸留所で生産される事となった。 Bow Street蒸留所の一部は1997年にOld Jameson
Distillery という観光施設兼直売所に造り替えられている

  
上段右= SMWS・58.2  中身はStrathisla(ストラスアイラ) 1977-93 16yo 53.6%
Chivas Regal のメインモルトとして有名で、Glenlivet、Aberlour、Longmorn 等々と同じくPernod Ricard 社の傘下にある。 Strathisla は抑々、モルトとしての流通がかなり少ない。ボトラーズからのリリースも少ないが、 SMWS(ザ・ソサエティ)からのリリースも非常に少ない。
肝心の内容だが…、期待したより良かった!
オフィシャルの旧瓶を濃縮した様な感じで、正統派のStrathisla という所か。ストラスアイラは本来非常に美味い酒だと素直に思わせてくれる上に、膨らみも広がりもしっかりあって立体感もそこそこある。更にはアフターも消えるかと思ったら盛り返してくる。
こちらに点を付けるとするなら… 18 / 20

 
下段=Glenallachie 1969-87・56.8% Gordon and MacPhail
G&M の非常に懐かしい墓石型ラベルのcask シリーズ。しかも2000年頃までの白いラベル!
たかがGlenallachie などと侮ってはならない!
さすがそこは60年代、フルーティーで結構濃密、熟成したBourgogne のChardonnay をインスパイアさせる部分もあって、なかなかの美酒!
こちらにも点を付けろと言われれば… 17.5~18/20

 

gfc79fc503a
こちらは信濃屋ご自慢のオリジナルボトリング。
Glenfarclas "The Family casks" 1979-2015 50.3% 
plain hogshead 熟成


 「白の笑撃 衝撃 妖艶のスパイス」という謳い文句を引っ提げてとんでもない価格で売り出されたが、あっという間に完売した

シェリーカスクが7割程度を占めるとされるこの蒸留所としてはプレーンカスクの奴はなかなか見られない
212本リリースという事だが、何と言ってもその内の何割が中〇やイ〇ド辺りに「転がされる」のか興味深い所でもあるwww


信濃屋に限らず、ブースを出していた業者や団体はウイスキー文化研究所関係のイベントの常連みたいな所が殆どだった。
 

通常のW.F. は18時終了なので、この日の終了時間も18時と勘違いしてしまっていて、会場入りが遅れてしまったのは大変なしくじりだった。16時半位に「もうすぐ終了…」と言われて17時終了だった事に気が付いた時にはもう遅し。この1時間のズレは大きかった。これで飲めた筈の物が飲めずに悔しい思いをしてしまった。


このイベントの総体的な印象としてはアイテムのレベルを落としていると思われるブースも見受けられ、全体として何処かショボい印象が拭えなかった。会場の規模、ブースの数等を鑑みると、フェスティバルというのは如何なものかとも思ってしまった。

それと同時に、輝かしいレジェンドお寒い現在というコントラストを見せつけられて愕然としたのも事実である。

価格高騰が尋常でなく、現実的な価格で売れない状況が続いている。この様な一種のバブル状態を受けて、スコッチモルトの蒸留所でも贅沢品的なブランド戦略を打ち出す所が増えてきた。
ボトラーズにとっては価格高騰という以前に瓶詰する酒(樽)が手に入れられないという事態が深刻化すると思われ、スコッチ専門でという訳にも行かなくなったら、バーボン、アイリッシュ等スコッチ以外のウィスキー、更にはラム、ブランデー等の酒に手を出さざるを得なくなるかもしれない。


だが、こちらの方も供給が逼迫しているのは明らか。ボトラーズにとっては冬の時代になる可能性は高く、ここから一気に淘汰が起きる事も充分考えられる。
ボトラーズ&クラフトウイスキーW.F. というこのイベント、個人的見解としてだが、次はあるのかと云えばそれは非常に疑わしい。




※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Mar. 2016)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

当サイトは画面右側の各種ランキングに参加しております。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。