ウィスキーには、Malt(モルト)Grain(グレイン)Blended(ブレンディド)と大別して3種類の物がある。モルトは麦芽100%で、これを醸造し更に蒸溜して作る。
蒸留方法は単式蒸留機での2回/3回蒸溜。グレインは麦類等の穀物に麦芽を少量混ぜた物を醸造→蒸留して作る。蒸留方法としては連続蒸留機を使用する。 モルトとグレインをブレンドしたらBlended Whisky=ブレンディド・ウィスキー となるのである。
この世の市場に出回るスコッチウィスキーの90%以上はブレンディドであり、モルトやグレインの単体の方が圧倒的に少数派なのである。

 

MaltGrain でも、単一蒸留所からの物ならSingle Malt (Grain)と名乗れるし、複数の蒸留所からの物の混合で作られればBlended Malt (Grain) と名乗る事になる。(Vatted の文言は使用禁止となった為)

Blended Whisky でも、Single Blended は存在し得るのであるし、実際に発売された事もある。同一蒸留所でモルトもグレインも両方作っていればこれは可能である。 Lochside (Highland、1957操業、'92休止、'97閉鎖)では両方作っていた時期があったので、 Lochside single blended whisky が近年リリースされた事があるのである。
 

ウィスキーの基礎的な話を頭に入れながら進めて行く訳になるが…、
酒の質は世界的にここ30年の間に非常に落ちていると言わざるを得ない、没個性化も進んでいる。没個性化はワインで顕著だが、ハードリカーでも同じ様なものである。ブラインドで次々と銘柄を当てるなんてテレビや漫画ではよくあるシーンだが、実際は一流のプロでもそんな風には行かない。まして今や没個性化の時代だから、益々困難になり、殆ど不可能になる時代も近いか(草)
ブレンディド・ウィスキーの話をすると、現行品を飲むと、兎にも角にも未熟なグレインウィスキーの非常に嫌な部分が目立つ。ハイボールにしてみると、舌の上にアルコール臭く+麦臭い厭な感じが露骨に顕れてお口汚しになる様なケースが頻発する。これは出来の悪いBurbon=バーボン又はCanadian=カナディアンに相通ずる所があるが、それよりもっとタチが悪い。(バーボン、カナディアン共々グレインウィスキーの一種である)


こんな物でも(混ぜ物無しの)ウィスキー100%という事になるのには納得しきれない部分が有る。それこそ、昔の1級、2j級というレベルのウィスキーでも飲まされている様な錯覚に陥る事すらある。
酒全体に言える事だが、歩留まり良く作る事が唯一のプライオリティになっているとしか思えない。生産効率という要素に加えて環境への負荷を減らすという錦の御旗までくっ付いているのである。 モルトウィスキーでさえレベルダウンが顕著で、ここ数年の価格暴騰もあって小生の興味もすっかり薄くなっているが、モルト以上に問題が大きいのはグレインではないかとも思われる。

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(左=Mackinlay's Legacy 12yo 43% 1974年以前)
(右=ジョニ黒の恐らく80年代初頭のロット)

古い時代のブレンディドを飲むと、大事な事が判る。それは、グレインの部分も立派にウィスキーになっている事である。そしてこれは皮肉にも" Blend " という言葉の意味を今の私達に教えてくれるのである。
多少のヒネや劣化があっても、現行品の何倍も美味い事が圧倒的に多いのである。 左のMackinlay's Legacy はジョニ黒やChivas Regal 辺りとほぼ同レンジだが、現行の同級品とは比べ物にならない。古き良き時代のブレンディドウィスキーは侮れない、表情豊かで複雑さがある物も多いのである。


左画像のMackinlay's Legacy だって、いきなりフルーティー&スパイシーで出て来たかと思えば、その後心地良い麦感とオイリーさが前に出て来て、再びフルーティー&スパイシーに戻るという事を繰り返すが、樽の掛り方もなかなか良い。
このフィーリング、今のブレンディドはおろか、モルトでもなかなか出せないかも知れない。
歩留まりもビジネス上大事かもしれないが、もっと優先すべき事があるだろう!と我々が声を大にして言わなければならない時が来ている様に思う。さもなくば、文化も文明も破綻するのは必定か。


1回では冗長になる危険性があるので、この先はPart 2 へと持ち越す!

 

※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Nov. 2015)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

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