バーへ飲みに行くのに、俊敏華麗なステップを何分も切り続けないと店に辿り着けないなんて、そんなアホな事があって良いのか。
ある意味恐ろしい体験をしてしまったのは去年7月、場所は大阪のど真ん中。夜の道頓堀はえげつない客引きがアホほどいてまともに歩けない。
客引きどもを懸命にかわしながら、そこで思わず、「お前は小野澤宏時か!」()というツッコミを自分自身に喰らわせてしまった。


去年夏、Whisky Festival 大阪に遠征した時の話になるが、開店間もないBar Rosebank (店のブログはこちらを) に立ち寄った。現在この店は、西天満という閑静な所に移転しているが、去年5月開店から約半年は宗右衛門町にあったのである

ここでフィーチャーするのはMoon Import 最初のボトリングでリリースされたボトルである。
Moon Import は1980年にジェノヴァで創業したイタリアの有名ボトラーだが、リリースが少ない。ウィスキー以外にもハードリカー全般、勿論ワインも数多く手掛け、食品類も多く扱う。
ウィスキーのレベルは高いが、レベル以上に価格が異常に高い傾向にある。 1980年代中盤に独自のボトリングを開始し、1st、2nd collection は悉く伝説的ボトルとなっている


moray22moon58n1実は、以前書いたこの記事で、「Glen Moray なんてマイナーな所を気に掛けた前日からの伏線」というのがこのボトルである。

Moon Import といえば、グラフィックを駆使した派手で特徴的なラベルが思い浮かぶが、この1st bottling のラベルは見ての通り比較的シンプルなのには少々驚く。
この初期のシリーズの中には、MacallanGlenlivetGlen Grant
Longmorn という超メジャーな蒸留所が入っていた一方で、
TamnavulinGlen MorayDufftownMiltonduff といったマイナーな所も入っている。 ラベルには堂々とSherry wood と書いてあるが、セカンドフィルの可能性が高い。


最初は、ややアルコールの刺激と収斂性が感じられる。僅かなSherry 香が出て来る。 シリアル系の香味が主体で、微かに柑橘系のヒントが入る程度。口蓋内では、シリアル蒸かした栗さつまいも。そこに、ナッツ類(カシュー、ヘーゼル)のニュアンス、続いてココナツやナッツオイル系のヒントが僅かに入ってくる。

ここまではある意味Glen Moray らしいと言えばそれまで。 暫くはあまり変化がなく推移する。瓶詰めから約四半世紀寝かされていたのだから、酒自体中々起き上がってこないとしても仕方がない。

 
そののち、微かにコーヒー豆。そして、パインの様な南国フルーツのヒントが微かに感じられる様になる。
そして、更なる時間経過と共に、一気に開いて変化する!
舌の上ではモルト感が明確に主張し始めて、そこから苺、ラズベリーの様な赤果実類白桃黄桃、更にパパイア、パッションが口蓋から鼻並び喉に抜ける香りとなって支配する。
この変化に合わせる様に余韻も非常に長くなって行く


 
蒸留は1960年代初頭、しかもMoon Import の伝説的リリース、これ位は当然といえばそれまで…。
言い方は悪いが、「たかがGlen Moray 如き」でこのレベルというのは少々驚くかも知れない


Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるなら…、18.5 / 20


店を出て近隣のホテルに引き上げる所でも、状況は一緒。宿泊していたホテルのエントランスにまで客引きが陣取っていたのだから始末が悪すぎる。よって、Bar Rosebank が移転したのは大正解!
そのうち機会を見て西天満に密航し、北新地と梯子したい。



※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Jan. 2014)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。



)ラグビートップリーグのサントリー・サンゴリアス(府中市)の主力選手にして日本代表だったが、2014年からキャノン・イーグルス(町田市)に移籍。中央大~サントリー~キャノン、主にフルバックを務める。「ウナギステップ」と称される俊敏華麗なステップで有名



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