去年5月に芦屋でテイスティングした70年代蒸留のTomatin 2種を取り上げる。
70年代蒸留のTomatin は1976年の物を中心に彼方此方のボトラーズから出回り、大変な人気を博している。販売開始数時間で売切れなんてザラだったのである。


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左画像=Tomatin 30yo 1977-2007 48.6% Whisky-Fässle
一言で言えば、専ら華やか、フルーティー、フローラルスパイシー。Fässle はこの手のタイプのカスクが好きなのだろうか。ただし、ボディは粘りや腰が弱い気がする。
リンゴ、洋ナシ白桃グレープフルーツ、蜂蜜、そしてカモミール、ジャスミンさらにキャラウェイ、Maraschino、白胡椒、ミント、淡い感じのモルト感。アルザスの白ワインを想起させる全体像。余韻は期待した程ではなく、中程度。
開栓して開くまで、グラスに注いでからの風味の開きは早いと思われるが、落ちるのも早いのではなかろうか。一言でいえば、スタートダッシュ&短期決戦型か。
Les Meilleurs Vins de France 的に点を付けると…、17 / 20


右画像=Tomatin 34yo 1976-2010 51.1% The Whisky Agency & Three Rivers
すっかりお馴染になったスリーリバーズの「アートラベル」の中の1本。Fässle とはかなり対照的なキャラクター。かなりタイトで固めの酒質Sherry cask であるのが大きな原因と思われる。シェリー的なウッディーさが少し勝っている。
時間をかけて実力を発揮するタイプの酒で、この時点ではポテンシャルの2/3程度しか出ていないかもしれない。
それでも、徐々にカカオマス、ブランデー漬のミックスドライフルーツGriottine、Kirsch、干しブドウ、プラムといった所から、マーマレード、オレンジピールドライマンゴー、さらには秋の森の枯葉といったあたりが出てきた。 Fässle が白ワインのノリなら、こっちは赤ワインのノリという事が出来ようか。
開放的でも享楽的でもない酒質だが、バランスは最高に近い酒としての美しさと完成度は素晴らしいのは明らか。余韻も残り香も excellent!

発売された折、すぐに買う決心がつかず、買い損なってしまった事が非常に悔やまれる。

Les Meilleurs Vins de France
的に点を付けると…、18.5 / 20

Tomatin Distillery
Inverness の南24km程の所にある。所在地の名もTomatin。1897年創業、仕込み水にはAllt-na-Frithe(ゲール語で自由の小川)という川の水を使用。近くにはカローデン・ムーアの戦い(Battle of Culloden=1746)の後、ハイランドからの兵隊達が別れの杯を交わしたという「別れの丘」がある。
1950年代までスティルは2基だったが、拡張を繰り返し、最多で23基になった時期もあった。1985年、閉鎖の危機に面して、宝酒造・大倉商事の合弁企業に買収され、日本企業が所有する最初のスコッチ蒸留所になった。スティルは現在12基のみ。Wash still(初溜釜)にはサイトグラスがなく、棒で叩いた音で状態を判断する。現在の生産量はアルコール換算で約300万L/年。




※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Oct. 2012)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。

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