北神急行という私鉄が存在していたのは御存知であろう。日本一初乗りが高いと非難されまくっていた。これでも純民間の企業だったので、所謂第3セクターではなかった。阪急電鉄神戸電鉄等の出資で作られた企業だった。でも一部を除いた線路等の施設は2002年に神戸高速鉄道に売却し運行のみを行う第2種事業者になっていた。北神急行阪急阪神HDの連結子会社だった。
ぼったくりの鉄道会社というと北総鉄道のインパクトが凄すぎて目立たないかも知れないが、北神急行もぼったくりを行っていた。1988年に新神戸~谷上の1区間7.5㎞だけで開業、その7.5㎞で最大傾斜が33.3‰というのだから、かなりの急勾配路線であり、その分だけ急峻な山を貫いてトンネルを作るのに非常なコストが掛ったという訳であった。神戸の地形が地形だけにある程度致し方無い部分はある。
神戸市営地下鉄と最初から一体みたいなものだったのに、新神戸~谷上の正式な運賃=440円の内80円分を神戸市が負担して実際の負担は360円だったが、これでも北総鉄道に対し僅かに勝っていた。
2020年6月1日に北神急行の事業が神戸市に譲渡された事で北神急行線神戸市営地下鉄北神線に変り、三宮~谷上は550円から何と、半額の280円になった。北神急行の第2種鉄道事業神戸高速鉄道の第3種事業が神戸市に譲渡されたのであった。



kbco01
三ノ宮駅至近の神戸市役所ロビーからの夜景=2011年

急峻な山々が海から僅か数㎞に迫るという地形は瀬戸内海地域にはよくある事だが、神戸の様な大都市でとなると独特の都市風景と情緒を作り出し、非常に美しく感じられるが、それも余所者の観光客目線でしかなかったりする。
因みに新神戸~谷上も280円で一緒。距離を思えば決して安くはない。市営化前が高過ぎたのである。


kbd1108@nag01
神戸のキツイ山々を上り下りする神戸電鉄。見た目の割に非常にコストがかかる。


kbd6002@nag01
神戸電鉄も費用をケチって?安っぽいステンレス車体の6000系・6500系を導入

三宮~新神戸~谷上は10㎞足らずで北神線ルートで所要時間も約10分だが、谷上は地下鉄と神戸電鉄の交差する乗換駅である。
谷上から三宮までもう一つのルート=神戸電鉄神戸高速を使って湊川・新開地経由だと約17㎞で所要時間は35分程度で(=阪急三宮発着)、610円になるので最初から話にならない。
約半年前の半額化は市営地下鉄の料金体系の一部に組み込まれただけなのだが550円→280円はそこそこ大きいインパクトだったという事か。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。

ブログランキング・にほんブログ村へ