今年6月にテイスティングしたワインの話になるが、今回フィーチャーするのはPaitin(パイティン)として知られる作り手、Pasquero-Elia (パスクエロ・エリア)ともいう。本拠を構えるのはBarbaresco (バルバレスコ)でもNeive(ネイヴェ)区域、その南側にあるSerraboella(セッラボエラ)という所。地質が緻密で力強いワインが作れる。

この蔵は19世紀末からワインの醸造に加えて元詰を行い、当時当主だったGiuseppe Elia (ジュゼッペ・エリア)が1893年、Barbaresco del Bricco di Neive(バルバレスコ・デル・ブリッコ・ディ・ネイヴェ)という名のワインをデビューさせた。この時代はBarbaresco黎明期というべき時代だった。
その後1938年に休止の憂き目にあうが、10年後に再興される。
1965年にSecondo Pasquero-Elia (セコンド・パスクエロ・エリア)が設備を一新・葡萄樹の植え替えも行い、今の形のカンティーナを設立した。それから50年以上経った今も、Secondo の息子2人=Giovanni(ジオヴァンニ)とSilvano(シルヴァノ)がワインを作っている。現在は17ha程度の畑を持ち、Barbaresco以外にも、Dolcetto d'Alba、Langhe、Barbera d'Alba、Roero Arneis、Nebbiolo d'Alba 等を作っている


Barbaresco の場合、1.4ha前後の畑から収穫された葡萄はプレスと同時に除梗され、発酵はステンレスタンクで行われる。マセラシオンは4~6週間、26~28℃で行われる。Nebbiolo(ネビオーロ)種のブドウについてはすべて手作業で行われる。
熟成にはトーストされていないスラヴォニアンオーク・オーストリアンオークの大樽(30hl~50hl)が使われ、24ヶ月の樽熟が施される。その後瓶詰前にステンレスタンク内で2ヶ月休ませる。


barspvv2k00pait01
ワインのインプレッションに移る。
先ずカラーだが、全体がガーネット、深度が思ったよりある。エッジにレンガ色は入っていない。
酒質は固い、開きだすのに時間がかかった。そしてコイツの手強さを体感する事に…
最初大人しいのかと思ったら大間違い。時間経過と共に酸が貫きながら強烈に主張する展開に。続いて中々強固なタンニンも出て来る。でも、これがNebbioloという葡萄が本来持つ姿の一つの側面という事なのだろう。


拾い出したエレメンツを挙げて行くと
1段目のレイヤーとしては土、リコリス煎ったカカオ、刻み煙草、昔のFernet系リキュール
続いてのレイヤーはビターチョコプルーンブラックチェリー、ブラックベリーラズベリー古いバルサミコ酢キナリキュール葉巻
更には黒文字、白檀、その後の展開で薔薇、アフターの中から上質なニルギリティー…大体そんな所だろうか




アフターはまだまだタイトな所がある。酸とタンニンで引き締まってはいるが、その間隙を縫って出て来るものは更なるアフターの伸びを予測させる。その後は予測通り、ジンジンと迫り来る様なフィニッシュで長いアフターが演出された。

採点結果だが、18~18.5 / 20といった所だが、あくまでもテイスティングした今年6月時点の話。あと3~5年待てればもっと高い点を付けた可能性は充分ある。



当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。

ブログランキング・にほんブログ村へ