ローヌワインをこんなにしつこく取り上げる奴なんて、そうそういるものではないだろう。小生は確かに変わり者かも知れない。

コート・ロティといえば、ローヌだけにどうしても Guigal (ギガル)Chapoutier (シャプティエ)の名が浮かんでしまうのは仕方ない。この2大巨頭、Côte Rôtie でも素晴らしいワインを作っているのは疑いのない事実である。コート・ロティなら René Rostaing (ルネ・ロスタン)は今やこれ以上ない対抗馬である。
Côte Blonde  という男、1971年に家族が持っていた畑を纏める形でスタートさせたが、Rostaing の家はフランス革命より前からワインを作っていたらしく、幼少期から親族の畑の収穫の手伝いなどはさせられていた様だ。
前記事でウトの A. Dervieux(A. デルヴュ)の畑を89年に、叔父の M. Gentaz (M. ジャンタ)の畑を92年に引き継いだと書いたが、補足すると叔父から引き継いだ畑にはあの Guigal のワインでも有名な La Tuque (ラ・テュルク)の区画が入っていて、これを手に入れた事が特に大きかった様である。


叔父さんから引き継いだ畑の葡萄で2013年からCôte Brune という新たなプレステージ品を作り始めているが、叔父M. Gentaz の伝説的作品Côte Brune の名を継ぐ物という事で、価格もレジェンドクラス。それまでの2Top であるLa LandonneCôte Blonde の1.5倍以上の価格らしい。なので凡そ3万超え、Guigal の有名な3バカトリオとほぼ一緒。
更にウトの伝説的ワイン、Côte Rôtie La Vlaillere の名を継ぐ物もデビューさせている。


ここでこの生産者の主だった3つのキュヴェを比較してみよう
スタンダードなAmpodium(アンポディウム) は自社の13の区画からのSyrah 100%で、除梗はおよそ40%前後。2008年までClassique と名乗っていた。
多分厳密にいうと今は本当のスタンダードキュヴェと言える物は存在しないのだろう。
La Landonne(ラ・ランドンヌ) はSyrah 100%、除梗は凡そ1~2割。La Landonne はCôte Brune =酸化鉄を多く含む土壌の区域に最上級の畑の一つ。600ケース前後が生産される。
Côte Blonde(コート・ブロンド) はSyrah 95%+Viognier 5%、除梗は35~50%。Blonde という名の通り鉄分ではなく石灰質やチャート等を多く含む色の薄い土壌から生産される。生産量はLa Landonneより更に少ない350ケース。


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能書きばかり延々と述べても仕方ないので、ここでワインのインプレッションに行こう。
先ずは色。くすんで暗めのガーネットだが、深度は中程度。


拾い出したエレメンツを挙げて行くと、最初の表層的レイヤーはAngostura、土で始まる。各要素が非常に複雑に絡まり合っている模様で、「因数分解」が非常に難しい展開になる。
その後、ラズベリークランベリー野苺ブルーベリーブラックベリー、ラプサンスーチョン(薫茶)、キームン
かなり遅れてArmagnacが登場。


続いて更なるサイドアタッカー陣として、シャンボールリキュール、鉛筆の削りカス、Jägermeisterリコリス、ジュニパー
奥から非常に遅れて野薔薇ハイビスカスティー、更にもっと遅れてラヴェンダーリエージュシロップ、シロップ漬けGriotteine


酸とかタンニンは最初おとなしくなったのかと思いきや、途中から目覚めたのか結構強めに主張してくる。特に酸の美しい伸びがインプレッシブになって来る。


お澄まし系の綺麗な出汁の様な広がりと口当たり、から梅酒の様な喉越しが強まって来る。淡そうで淡くなく明確な主張。展開スピードがかなり遅く、抜栓から6時間以上、飲み始めて3時間以上経っても、全然展開中だった。

スローにステディにエレガントに嫌みなく美しくというワイン。突出した特徴はないがトータルパッケージは素晴らしい。シルキーで伸びやかでマジで長い、フィニッシュ~アフターの一押しもちゃんとある。

本来ならあと数年寝かせても全然大丈夫だし、そうすればもっと違った表情が出て来るであろうと思われる。ただ、抜栓した時の感覚でいうとコルクがヤバくなる兆候があったので、ここで丁度良かったのだろうか。90年代以降、コルクの寿命は明らかに短くなっていて、25年も持てば御の字という事だろうか。

スコアリングの結果は…、19 / 20 は遣りたい。La Landonne とCôte Blonde 、甲乙付け難いが、酸の美しさではCôte Blonde に一日の長がある。
桝久さん、反論でも言い訳でもするならどうぞ!


因みに、コート・ブロンドの方を取り上げた記事はこちら


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