ローヌワインの最高峰の一つ、Côte Rôtie (コート・ロティ)。その中でも今やクラシキストの権化の様にすら言われるRené Rostaing (ルネ・ロスタン)だが、小生とこの酒屋では意見が分かれる。
小生の意見では「基本クラシックでそれ故に厳格さを持ったワイン」となる。これに対し生麦の酒屋氏は「とっつき易いアメリカを意識した様な作り手」だと考えている様で、意見がほぼ逆である。
これは恐らくお互いのイメージするヴィンテージが違うからではないかと思われる。小生の思い浮かべる(テイスティングした)年代は90年代後半~2001年頃までの世代。彼のイメージする年代はどうやらもっと前の1988ヴィンテージの辺り。


1990年近辺を境に作りは変わったのはどうやら間違いない。(一気にクラシックに回帰したのか)
ウトであるAlbert Derviex (アルベール・デルヴュ)が1989年に引退し、1992年には叔父のMarius Gentaz (マリウス・ジャンタ)も引退。Rostaing はこの両者から畑を引き継いだ。
両者とも素晴らしい作り手でロスタンは優れた畑と葡萄樹を手に入れたのであったが、この辺が一つの大きなターニングポイントになった可能性は高い。それまで法律家と二刀流していたのもやめて、ワイン作りに専念する様になったのもこの頃だったと記憶している。この頃、ルネは40代半ば位だったと思われる。


roiteblnd96rstn01  ampo2k14rost01
左=Côte Rôtie Côte Blonde 1996 右=Côte Rôtie Ampodium 2014

更に調べてみると、所謂モダニスト達がやる様な「革新的」な事も色々と試していた時期はあった様だ。でも結局はそれらの殆どは直ぐに止めた模様である。
若い時は色々新しい事もやって試行錯誤もする、だが年を経るとクラシックな方向に回帰して行くというのは実は多い。
横回転ドラム式タンクは未だに使っている様だが、これは一般的には抽出を早めるエアレーションも行うのに使う。しかしロスタンはこれも回転方向を一定化する等して抽出をゆっくり行うのに使っているそうだ。最新の技術もクラシックなワインを彼なりにブラッシュアップするのに使う様にしている様だ。
因みに矢向の南仏フリーク聖地の酒屋も、私とほぼ一緒の意見。


これだけなら、生麦の酒屋の言った事をデマだと攻撃する気はなかった。
どうやら、彼は30年前のワインの記憶の再整理という事を考えていた様で、その事もあって「らしくない」注文をしてのではないかと思われる。
30年前のその時は丁度ルネロスタン、更にはボーカステル(Ch. de Beaucastel)等が日本に紹介され始めた時だと思われる。彼の場合、ロスタンのワインのイメージもその時のまま止まっていると推測される。
逆に小生はその時は殆ど知らず、90年代中盤からのイメージしか持たない。


そのRostaing も出来て50年近く(来年で50周年)を経た今は代替わりして、息子のPierre がワインを作っているが今時珍しい100%全房発酵らしい。(小生的には大歓迎)

小生もロスタンがクラシックかモダンか(一寸乱暴な質問だが)と言われれば、文句なしにクラシックと答えるが、100%正統派かというと、若干の違和感を覚えるのも事実である。Jamet やCrusel-Roch(クリュゼル・ロック)、Gilles-Barge (ジル・バルジュ)の方がもっと正統派だと小生は考える。

crlgp2k5cruroc01  cotbrun2k5gbarg01
左=Crusel-Roch Côte Rôtie Les Grandes Places 2005 右=Gilles-Barge Côte Rôtie Côte Brune 2005
どちらも素晴らしい正統派のコート・ロティだが、恐ろしく入手困難



でも、話はここで終わらない。ただ偵察のためだけに店に来たと言うんだったら、さすがに小生もそこまで暇じゃない。季節は6月、手頃な白ワインの一つでも買おうかと思って物色し、候補を2つまで絞った。片やジュラ地方からCôte de Jura Chardonnay 2014 Dom. Courbet (コート・ド・ジュラ。シャルドネ 2014 ドメーヌ・クルベ)、もう片や南西地方代表でSève d'Autonne Juraçon sec 2013 dom. Cauhapé(セーヴ・ドトンヌ・ジュラソン・セック 2013 ドメーヌ・コアぺ)、全くキャラの違う両者の間でどっちを取ろうか悩んでいると、
そこで店主が店のセラーから「これを一度飲んだ方がイイですよ」といって出してきたのがコレ


laconp2k16cauh01

La Canopèe Juraçon sec 2016 dom. Cauhapé つまり、コアぺの最上キュヴェで買おうと考えていたヤツの150%高い。しかもこれはストックとして保存すべき物、すぐにでも飲むワインを買いたかったのに、これだけだと目的が果たせなくなってしまうので結局Svoie (サヴォア)の安いワインをもう1本買い足して合計6000円少々。
これならさっさと候補に挙がった2本を纏めて買ったしても支出は同じだった事になる、それなら高いヤツの出番は無かったという事になる。3000円の予算で来た所、約倍使わされた事には変わりない


アンタがあんなこと言わなきゃ予定外の仕入れなんてしなかったのに…、少しは多めに買って返せという事なのだったのか?

更に続き、
その酒屋のHP を覗いてみると、ビックリ。小生の事に関してデマが書かれていた。まず第1に、1996年のAmpodiumなんて元から存在しないものをどうやって飲むというのだろうか?
無理矢理自分の望んだ結論を言わせようとしたのか、最初から誘導っぽい話の持って行き方でかなり不快だった。
Rostaing について小生が話したことも随分曲解して書かれている。
小生は穏健保守を志向しているが、リベラルと決めつけられた事に強い不快感を示したい。リベラルでパヨパヨしているのは桝久さん、あなたの方ではなかろうか?




当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。

ブログランキング・にほんブログ村へ