当サイトでは珍しい南西地方(Sud-Ouest)のワインを取り上げる。南西地方という地味であまり意識されない所でも、Cahors(カオール)、Bergerac (ベルジュラック)、Madiran (マディラン)、Gaillac (ガイヤック)、Jurançon (ジュランソン)、Buzet (ビュゼ)等々の決して侮れないワイン達がひしめいている。
今回フィーチャーするClos Triguedina (クロ・トリグディナ)は1830年創業。カオールの地に Etienne Baldès (エティエンヌ・バルデ)が最初の葡萄の植樹したのが始まり。その後1877年のフィロキセラ災害や1956年の冷害でダメージは受けたもののそこら辺は乗り越えて今に至る。
今年で創業190周年を迎えたこの生産者、現在は65ha程を所有している。


この蔵がここまで成長したのはJean Baldès (ジャン・バルデ)の働きが大きい。彼の時代に畑が倍増されて今の規模になった上に、1976年にカオールで最初にステンレスの発酵用タンクを取り入れたりする等のイノベーションも行っている。
更にその後を引き継いだ現当主のJean-Luc Baldès (ジャン・リュック・バルデ)によって今の名声と地位が築かれた。彼が当主になって約30年の中で、フランス国内は元より世界的な受賞歴多数で、西南地方でもトップと言える蔵に成り上がった。そしてMaster of Malbecを自称するまでになった。2007年からは単独の区画からのワインもリリースしている。


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AOC Cahors は Malbec (マルベック)75%以上であれば事足りて、Merlot や Tannat 等の品種がミックスされる事が多い。にも関わらず、1976年から Jean Baldès (ジャン・バルデ)が生産を開始した Malbec 100%のワインがこの Prince Probus (プランス・プロビュ)で、この蔵の絶対なプレスティージュ的存在である。このProbus は紀元3世紀に君臨したローマ皇帝の名である。
そして現在は Prince が取れて単にProbus (プロビュ)を名乗っている。つまり皇太子から皇帝に昇格したという事か?
カオールの畑は Lot (ロ)川沿いに川に近く高さの無い所から第1~第4という形で4段の台地になっている。その中で「第3テラス」=3段目に所有する区画の葡萄から作られるが、鉄分を多く含む珪質泥岩土壌で骨格の強いワインが出来るらしい。


ワインのインプレッションに入る。
色は予想通り非常に暗い、ギトギトに濃いという云う感じではない。濃さもあるが、あくまでもやや黒っぽくくすんでいるという事で、暗くとも澄んだ色合いである。
拾い出せたエレメンツを挙げて行くと…
1段目を構成するのはブラックベリーブラックチェリーハスカップ昔のFernet 系、竹炭、ビターチョコ
2段目としてはスミレブルーベリーラヴェンダー、丁子、 カユプテ、楠、カカオリキュールカシスなんていった所か


Malbec というブドウ品種はタンニンがゴツく粗野なイメージを持たれがちだが、このワインの場合は確かにタニックさが目立つものの、そんな粗野な所は無い。何せ肌理は細かく、当りも上品でスムーズ。酸の存在がキーになっている。無理のない構成、しっかりコンスタントに主張しブレの無い酸、美しさすら感じる。まだまだ頑固で内向的な面も目立つが、時間経過と共にスローにその姿を現して行く。各種のエレメンツが美しくシームレスに溶け込んで、スタイリッシュに流れて十分以上のアフターテイストまで続く。
25年に近い歳月が経っているにも拘らず、まだまだ硬く厳しさが十分。
それでも大変美麗にして荘厳なこのワインはマルベックの持つ能力を最大限に引き出す為の努力が惜しみなく注ぎ込まれているとしか言い様がない。(テイスティングは2019年末)


小生なりの採点結果は…、18.5 / 20 5年後なら19点を献上出来たかも知れない。



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