先日、南アフリカのワインをこちらの記事で取り上げた。南アフリカというとワイン産地としては意外に古く、チリやアメリカより先輩である。
この国の気候帯を調べてみると中~北部はステップ気候や砂漠気候の場所が多く、ヨハネスブルク等がある東部は温暖冬季少雨や温暖湿潤、海洋性気候のエリアが広がっている。よってワイン産地は地中海性気候の南西部の一部地域=西ケープ州及びその周辺にどうしても限られる、つまりケープタウン周辺の地域という事になる。因みに南緯は33~35度で、オーストラリアワインの産地と緯度はほぼ一緒。ワイン産地としてはかなり低緯度という事で、北半球の産地であればサンタ・イネス(Santa Ynez, CA)や大阪といった所に相当する。


南アフリカのワイン産地としてはケープタウン(Cape Town)を含むコスタルリージョン(Coastal Region)が一番メジャーである。エリア毎の栽培面積10傑の内6つを占めるのがこの地域でStellenbosch (ステレンボッシュ)、Paarl (パール)、Swartland (スワートランド)Franschoek (フランシュック)等といったワイン産地を擁している。
これの東に隣接するのが Breede River Valley (ブレード・リヴァー・ヴァレー)と Cape South Coast (ケープ・サウス・コースト)という2つのエリアである。前者は Robertson (ロバートソン)・Worcester (ウォースター)といった産地を含み、後者は Elgin (エルギン)・Walker Bay (ウォーカー・ベイ)・Overberg (オヴァーバーグ)といった産地を擁していて冷たい海風の影響で冷涼な気候になっている。


ここで、南アフリカのワインを買ってみようと思っても扱っている店は少ない。KWV やNederberg なんて大手は1980年代から東京では売られていたのは事実だが、小生が欲しいのはそんなスタンダードな品ではない。
そこで改めて探してみると、南アフリカワイン専門店と称する所が足立区の一寸マイナーな場所にあった!ので、思い立ったが吉日と増税前の先月末に押し掛けてみた。
その店の名は何とアフリカー(Af-Liqour)、アフリカ(Africa)とリカー(liquor)を足して2で割った何の捻りもないストレートなネーミング
日暮里舎人ライナーの下にある尾久橋通り沿いで、西新井大師西駅・谷在家駅の丁度中間に当る様な場所にあるそんなに大きくもないマンションの1階にひっそりと所在して営業していた。
如何せん非常に小さな店なので、店の2/3はセラーになっていて残りは狭いカウンターという具合で、動線を確保するにも苦労する様な所だった。
ウェブの方で予め幾つか目星を付けておいてはいた。南アフリカワインというと、赤ならCabernet やPinotage(ピノタージュ)白ならChardonnay・Semillon・Chenin Blanc といったイメージが強いが、ひねくれ者の小生は敢えて Syrah 又は所謂ローヌ系ブレンドからセレクトしたいという事で、希望の予算の大枠も伝えてから店主の小泉氏より色々ご紹介を頂いた。
小泉氏と30分以上話をして最終的にセレクトしたのはコイツ!、だが今回の話はあくまでも買ってみたというだけの話なので悪しからず。


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イギリス出身のRichard Kershaw (リチャード・カーショー)が作り出す
Elgin Syrah Clonal Selection 2014 (エルギン・シラー・クローナル・セレクション)


カーショー氏は料理人成功しつつも世界中を旅して南アフリカに1999年辿り着き、その後Master of Wine (マスター・オヴ・ワイン)の称号を獲得、2012年に自身のワイナリーを立ち上げた。赤は Pinot Noir 並び Syrahから、白はChardonnay から作られる。

ヴィンテージごとの性格なんてあまり語られなくなった昨今、特に新世界系のワインの場合どうせ毎年一緒だろうという先入観が拭えない傾向にあるが、小泉氏とのやり取りを通じて南アフリカワイン、特にエルギンの様に冷涼な産地では年毎にその特徴が大きく変わるという話を聞き、ニューワールドといって一括りにしてバカにしてはいけないと思った小生である。

そこで、Elgin (エルギン又はエルジン)という所について調べてみた
Google Map やネットに転がっている各種資料や画像を見ると、1000m級の山の麓にある標高250~400m辺りの緩斜面に葡萄畑が広がっている模様で、画像を見る限りアフリカとは到底思えない様な光景が広がっている。それこそイタリア北部辺りと勘違いしてしまう様な所である。年月をかけてなだらかに削れた様な地形で地層は結構古い様に見える。
池が各所に点在していて、地中の水分は適度に保たれやすい事も窺い知れる。20世紀初頭からリンゴを始めとした各種のフルーツの生産地として急速に発展していた位の場所で、リンゴ果汁100%の炭酸飲料として世界的に有名な Appletiser (アップルタイザー)もこの場所で産声を上げている(1966年)
南緯34度といいいながら、冷涼な気候で葡萄もピノノワールシャルドネが主力になっているが、そんな気候で育つシラーも実は期待が持てる。
2014年は葡萄の成熟が比較的スローだったらしく、ハングタイムも稼げて過熟にならず酸もしっかり残っているのであれば、ローヌワインのオルタナティブになり得るのではないかと期待する小生である。


因みに、小泉氏が経営するアフリカーのサイトはこちら



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