ここでフィーチャーする Château de Fonsalette (シャトー・ドゥ・フォンサレット)は言わずと知れた Château Rayas (シャトー・ラヤス)が作り出すワインである。そのワインは21世紀の今も近代化とは無縁と思える様な古びた施設内で作られている。
この蔵の初代は Albert Reynaud (アルベール・レイノー)という人物だが、彼が1880年に聴覚障害を患ってそれまでの仕事が出来なくなったのを機に、ワインメーカーに転身。その際にラヤスの蔵を購入したのがレイノー家によるシャトー・ラヤスの始まり。その後2代目になった Louis Reynaud (ルイ・レイノー)の時代も畑の購入を続け、1935年にDomaine des Tours (ドメーヌ・デ・トゥール)を購入。この頃Châteauneuf-du-Pape のAOC 規定に対応するためPignan (ピニャン)という場所に新たな醸造施設を建設した。そして1945年には今回登場のChâteau de Fonsalette を購入。
ルイの死後、Ch. des Tours は Bernard Reynaud (ベルナール・レイノー)が、Rayas とFonsalette はあの Jacques Reynaud (ジャック・レイノー)が継いだ。これが1978年の事だったのだが、そこからこの蔵の快進撃の幕が切って落とされ、一躍ローヌワイン界のビッグスターの座を手にした。
1997年ジャックが死去すると、Bernard の息子=Jacques の甥である Emanuel Reynaud (エマニュエル・レイノー)が継いで今に至っている。(デ・トゥールの方も彼が引き継いでいる)
ここの蔵、何故ラヤスの名前で統一せず色々な名前を使い分けるという一見ややこしい事をしているのか?、その理由はこういう経緯があっての事と思われる。

この生産者は全房発酵を貫くなど大変クラシックなやり方でも有名で、ワイン自体もローヌ南部について一般的に持たれるイメージとは一線を画す。この蔵の畑はCNDP にありがちな石が沢山転がっている様な畑ではなく、その石も人工的に除去している。砂岩主体で粘土質と石灰が程よく含まれる土壌は痩せてはいるが冷涼で水分も適度に保たれる模様である。


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そしてこの2000というヴィンテージ、エマニュエルの初期で彼もまだ若かった事に加えて所有する葡萄樹の50%近くが1980年代に改植を余儀なくされた影響で樹齢が若い木が多かった事もあってか、特にRayas としてのCNDP は97年以前(叔父の代)に比して総体的に評価は低く、名声を完全に取り戻したのは2005年頃であった。


ここで登場する Fonsalette cuvée Syrah は名前の通りSyrah 100%のワインで抑々生産量が極めて少ない。AOC は勿論Côtes du Rhôneである。しかもRayas CNDP より更に入手困難ともいわれた程のかなりのレアワインである。小生的にはそれでも10年位前までは何とか入手の機会もあったのである。

ここで漸くワインのインプレッションに入るが、先ずは色についてだが、そこそこの深度のクリアなガーネットで、ルビーパープルもまだ少し残っていた。
香味面の話をすると拾い出したエレメンツを並べるとこんな感じになる。


リコリス、トリュフブルーベリー、ハスカップ、ブラックベリー苺、ラズベリーブラックチェリーといった所が綺麗に繋がり交じり合って出てくる。クローブ煎ったカカオ(東南アジア系)昔のFernet 系やキナ・リキュールcrème de mocaプルーンエキス赤ワインで煮た黒ドライフィグ
エスプレッソオールスパイス牛レバー鞣革が追随し、更なる時間経過と共にカシスまで乱入する。そして味も香りもそのトーンが予想したよりは暗い。


酸・タンニン共々厭味無く溶け込みを見せながら強くその存在を主張し、まだまだタイトに引き締まったボディを形成する。その間隙を縫って出て来る返りは旨味感を伴って非常に高いレベルにあり、アフターまでタイトながら長い。
18年の時を経て果実感、熟成感共に既に高レベルに達しているものの、未だ解脱出来ると見える。これが更なる解脱を経てガチで甘美な液体に変身したら結構凄い事になるのではと思ってしまう。そう思うと2~3年待つべきだったと思うが後の祭り((´;ω;`) (テイスティングは今年5月)

これでも不調と評された時代のワインである。この蔵はどうしてもRayas CNDP の出来だけで評価されてしまいがちなのだろう。Fonsalette についてはこの時期の不調はあまり考えなくて良いか。Grenache (グルナッシュ)の魔術師とも称されるレイノー氏はシラーでもその魔術を遺憾なく発揮し最高レベルの逸品を作っている。


このボトルのスコアリングの結果は…、18~18.5 / 20 こんな辺りが妥当だろう。
Château Rayas、Château de Fonsalette、Domaine des Tours の3者とも入手するチャンスすら殆どない上に価格高騰も激しく、幻のワインに近い存在になってしまった。



参考記事= Vin de Pay de Vaucluse 2000 Domaine des Tours
      PIGNAN (Châteauneuf-du-pape) 1998 Rayas




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