大阪でほぼ同時期に開業した 2本の新路線、これが10年経った現在思いっ切り明暗を分けている。 
阪神なんば線開業の5ヶ月前に開業したのが京阪中之島線である。開業以来堅調に推移して関西の大動脈の仲間入りした前者に対し、後者は非常に残念な路線になってしまった…というよりなるべくしてなったというのが正しいであろう。


kt9727@nkda01
近鉄9020系EH27編成急行大阪難波行き・額田駅北側のストレートにて

hs1258@hhan01
阪神1000系1208F 快速急行神戸三宮行き・東花園駅付近

中之島線も実は上下分離でという第3セクターが設備を保有している。この両路線を比較してみる

阪神なんば線=所有は西大阪高速鉄道、阪神が支払う線路使用料は年間15億円
阪神側の収入は2009年度で35億円という事で20億円以上の黒字と考えられる。2009年度ですらこの数字なので利用者を伸ばした現在では更にこの黒字幅も大きくなっている可能性がある。難波~西九条間の数字だが、開業当初は5.8万人/日だったが2017年度では9.5万人/日と順調な経過で、神戸方面への輸送人員の伸びが顕著で阪神三宮駅の乗降客数を25%程度押し上げている。
こうして出来た神戸・奈良を結ぶルート上に鶴橋・難波・西九条・甲子園が介在しているのは大きく、更には灘の酒蔵や花園ラグビー場もある。


京阪中之島線=中之島高速鉄道が線路所有、京阪から支払われる線路使用料は24億円
この区間での収入は年間8億円程度で、差し引きで15億円を超える赤字と見られる。
利用者数も当初は8万人/日を見込んでいたものの実際は 3万人程度、新規に獲得出来た利用者は2万人程度。という訳でダイヤ改正の度に優等列車の本数、更には全体の本数も削減され続けている。
3000系(Ⅱ)を導入し快速急行として発着させたのも今は昔、2011年のダイヤ改正でデイタイムの快速急行・区間急行が無くなると、ラッシュ時以外では準急と普通のみで時間当たり合計6本というのがデフォルトになった。



kh9004@tmbs01
京阪9000系9004F 快速急行淀屋橋行き=手前・2400系2456F 急行出町柳行き=奥

京阪のターミナルが淀屋橋という変な位置にあるのは歴史的背景があるのは御存知であろう。大阪市の市内交通市営主義で梅田に直接乗り入れる事が叶わず、市営の軌道線に乗り入れての梅田直通も許しは出たものの実現はしなかった。
京阪間に於いて阪急の進出を阻止すべく作った新京阪だが、戦時中の企業統制で阪急と一緒にされて京阪神急行となってしまう。皮肉にもそれによって1945年に阪急梅田に乗り入れたが、企業統制が解かれた戦後になって阪急に強奪された(現在の阪急京都本線)。
淀屋橋までの線路は御堂筋線という壁によって延伸が出来ない。そこで天満橋から本線と被ってあまり使い物にならない様な路線を作らざるを得なかった。中之島線は本線とあまり離れていない上に、その沿線自体繁華街も観光スポットもないから本線と中途半端に被ってウザいだけの存在にならざるを得ないのである。その上に中之島高速鉄道の株式の33%(京阪HD とほぼ同数)は怨敵である大阪市が持っていて、その会社に年間24億円も払わされている。
梅田進出を阻んだ「怨敵」大阪市が今、なにわ筋線でJR南海阪急を巻き込んで新大阪~北梅田~JR難波~更には関空まで直結させるという事態になって、京阪としては内心腸が煮えくり返る様なマインドになっているを拝察するのは容易である。
京阪としては万博とIR誘致を見込んで中之島線を夢洲方面に延伸して起死回生を狙いたい様だが、それは大しくじりの第3セクターに更にとんでもない金を注ぎ込む事になる訳でそれこそ屋台骨を揺るがす様な物になりかねないと思われる。




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