先月20日、阪神なんば線は開通から10年という節目を迎えた。そこで阪神サイドだけでも10周年記念ラッピング列車の運行を1月から開始したのを皮切りに、薬師寺での記念コンサート開催、記念グッズ販売、記念ツアー、FM 大阪でのラジオドラマ放送その他の各種イベントが行われている。
同路線は元からあった旧西大阪線=大物~西九条と2009年に 3セク方式で新規開業した西九条~大阪難波の区間から成り立っているのはご存じだろうが、あのハッキリ言って冴えない支線のイメージしかなかった西大阪線の姿も隔世の感がある。(7801・7901形5000系列が4両の普通電車で走っていたのは味があったとは思うが)


ただ、近鉄と阪神の相互直通という展開については懸念材料もあった。
この両社、先ずは知っての通り車両の規格が異なる。長さは 6両編成で約12m違い、乗車位置も異なるという異例な相互直通である。しかもカラーというかキャラも違うので、相互乗入というコラボが噛み合うのかという部分、更には時は折しもリーマンショック直後という事や関西私鉄の地盤沈下もあって先行きが明るく見えない部分もあった。


嘗て東急東横線と営団地下鉄日比谷線の相互直通が行われていた時代(1964~2013)も日比谷線の規格=18m 3dr に合わせた乗入用車両を東急が用意していた。その終了後も東武との相互乗入は続いていて、遂に日比谷線側の長らく続いた規格を東武に合わせて変更=20m 4dr してしまった。(東京メトロ13000系・東武70000系導入)


kt1235@nkda01
1230系VE35他6両による急行大阪難波行き・額田駅北側のストレートにて

奈良~大阪~神戸というルートが私鉄でも完成する事となった訳だが、JR との競争という部分でもスピードの面で不利だと思われていた。どこまでそのプラスの効果が出るだろうか疑問視する声もあった。
実際に利用者数に於いて初年度は当初の見込みを下回った=58000人/日程度。奈良・神戸というメジャーな観光地を大阪ミナミの中心地である難波を介して繋ぎ、沿線には甲子園もある。てなわけで、利用者数はステディな伸びを示し2017年の時点では10万人/日に迫る数字が出る様になった。


JR なら関西本線で天王寺から環状線直通の快速で大阪に行き、新快速に乗り換えるというのが一般的なパターン。これに対して近鉄・阪神直通の快速急行なら乗り換え無しで往来出来る。実質的所要時間は双方とも約85分前後で大きな差はない。ただ、JR ルートだと大阪駅で15分程待たされる事を鑑みると、正味の乗車時間はJR の方がかなり短い、関西本線が柏原や王寺を経由して大回りしているにも関わらずである。
因みに
この両社の相互直通開始によって、2010年度武庫川女子大学入試では奈良県在住の受験者が前年度比で36%増加したというデータもある事から、神戸~大阪~奈良という移動がやり易くなったのは間違いない。

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阪神1000系1204F の区間準急大阪難波行き・額田~石切間のS 字カーブにて

走行距離調整等の理由で阪神車による近鉄線内のみの運用例も見られる様になった。(この逆は無い模様)

阪神なんば線はこの10年で4回しか利用した事が無い。直通の快速急行でさえ鶴橋~難波~西九条は全駅停車なので非常にもどかしくトロい様に思えてしまう。それでも小生は京田辺・東大阪・大和高田といった近鉄沿線から西宮や神戸に移動するなんていうスケジュールを組んで行動した事があった。これを可能ならしめたは近鉄・阪神相互直通だったのは言うまでもない。
因みに奈良~三宮全区間快速急行に乗ると85分連続のロングシート地獄が味わえる
2009年開業区間=西九条~大阪難波間は西大阪高速鉄道(3セク)と阪神電鉄の上下分離方式となっていて、同区間では60~90円の加算運賃が設定されるという一種の罠があるので、鶴橋~桜川間では並行する Osaka Metro 千日前線より運賃が高くなってしまう。


このネタ、Part 2 へと続く!



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