クラフトジンという言葉も最近は耳慣れた言葉になって来ただろうか?
ほんの10年前位はジンというと、Beefeater、Gordon's、Tanqueray、Boodle's、Bombay、Plymouth といったロンドンドライ系のメジャー銘柄に加えて、Kingsbury's や Cadenhead 等の「ちょっと変わったヤツ」がそこそこあって、更には Bols、Noords、Van Wees といった オランダのジュネヴァ(genever)タイプも一応あるという状況だった。
それが今や世界中でそれこそ雨後の筍の如く(バブルの如くか?)色々なクラフトジンが登場している。東京のメジャーな酒販店に足を運べばジンの売り場は拡大され、小生でさえそれこそ「訳わかめ」になる位沢山の銘柄が並んでいる。


先ずは老舗メジャー処の古いボトルから 2点…

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左画像=PLYMOUTH (プリマス)Dry Gin 46% 1960年代(多分)
ラベルの下側にイタリア語表記があるのでイタリア市場用のボトルで間違いない。今時の物に比べてスピリッツの質と香味の深さが違う気がする。2015年5月頃大阪市内で撮影。
右画像=BEEFEATER London Dry Gin 40% 1970年代(多分)
小生にとってBeefeaterといえば、幼少期に見たこの形のボトル。角が丸くて撫で肩というこのボトルを見ると胸キュンになってしまう。この年代の奴はストレートで飲んで充分過ぎる位美味しかったのだ。画像は47%でなく40%のボトルだが、度数の違う複数のヴァージョンがある。
続いて、今を時めくクラフトジンから画像 2点を…


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左画像=SIPSMITH (シップスミス)VJOP #2 52%
2009年にロンドンはMichael Jackson (ウィスキー評論家の方)のオフィスがあった所で創業。皮肉にも創業した2009年はあの " King of Pop " の方のMichael Jackson 死去の年であったが、これでロンドン市内で200年振りにジンの製造復活と相成った。
ワンショット蒸留・小型ポットスティル・こだわりの厳選材料・1バッチ当り300本という少量生産といったファクターによってクラフト・ジンの魁にして代表選手となっていたが、2016年末にBeam-Suntory (ビーム・サントリー)傘下に組み込まれてしまった。
VJOP とはVery Junipery Over Proof の略で、ジュニパー効かせまくりで度数も高いという意味。


右画像=PANAREA Island Gin(パナレア・アイランドジン) 44%
シチリアの北にあるエオリア諸島の中でも最小で、セレブに大人気のリゾート地である島が Panarea (パナレア)島。その島内で育ったボタニカル類を使用して作られたクラフトジンがコレ。
小生のテイスティングした印象としては、非常に大人しい。ジュニパーの主張はあまり感じられないが、小綺麗でシルキーな味わいで、軽く冷やしてストレートで飲むか、ハイボールが良いと個人的には考える。


世界的ウィスキー人気を契機にハードリカーの市場が拡大した事に絡んで、こだわり・個性・少量生産といった所を売りにする所謂クラフトウィスキーの蒸留所が次々と登場している。
ただ、蒸留所を設けてウィスキーを製造販売しようとしても、設備投資もさる事ながらそこで麦芽等の原料から原酒を作るのも大変。作った原酒も最低数年は熟成を掛けないと商品化出来ない上に、製造段階から法的要件を幾つもクリアしなければならない事もあるからハードルがどうしても高くなる。

これがジンだとどうなるか?
原酒となるスピリッツを自分達で作らなくても、最悪の場合ニュートラルスピリッツを購入し、ジュニパーベリーを含むボタニカルを用意出来ればジンは作れてしまう。それこそ唯、GIN を名乗らせるだけなら蒸留器すら必要ない事になってしまうのである、あくまでも EU による規定の上での話だが。

簡単に言えば、ジンはウィスキーに比べてそのハードルが全然低いのである。

一回で最後までやると長くなりそうなので、其の弐へと続く!




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