Château Sociando Mallet (シャトー・ソシアンド・マレ)は Saint-Estèphe (サンテステフ)の更に北にある Saint-Seurin de Cadoune(サン・スラン・ドゥ・カドゥヌ)という所に所在する。AOC はHaut-Médoc(オー・メドック)である。公式格付け=Grand cru classé (グラン・クリュ・クラッセ)でこそないものの、Cru Bourgeois (クリュ・ブルジョワ)最強最高の座に君臨し、沢山の格付シャトー達を軽く凌駕する。

このシャトーの歴史だが、1633年にバスクの貴族 Sièvre Sociando (シエーヴル・ソシアンド)がワイナリーを開いたのが始まり。フランス革命と共にワイナリーは没収され、そこから売却されて Sociando-Lamothe と名を変えた事もあった。更にその後 Cabarrus (カバリュ)一族の所有となった(Ch. Lagrangeも当時所有していた)
そして1850年頃にMadame Mallet (マダム・マレー)が所有者となったのを機に、その名を Sociando-Mallet と名を改めた。本来なら1855年に制定された公式格付けにオンリストされてもおかしくはなかったがそこには入らなかった。その後のCru Bourgeois (クリュ・ブルジョワ)の指定すら一度は拒んだのである。


19世紀後半からのこのシャトーの歩みは順調とは言えず、歳月と共に廃れてその名も忘れ去られようとしていた。しかし、50年前の1969年(近鉄12200系が登場した)に転機が訪れる!
Jean Gautreau (ジャン・ゴトロー)が当時のオーナーだった Tereygeol (テレジョル)家からこのシャトーを25万フラン(この年のレイティングの平均値から計算すると1700万円程度、どう考えても安っ! )で買収したのである。その当時は畑は荒れて各種設備も老朽化していた模様で、機能していた葡萄畑はたった7haだった。そこから徹底して手を加えて設備は一新され、葡萄畑は85haにまで広がった。今や第 3級若しくは第 2級格付相当のポテンシャルがあるとまで評されるようになった。


現在のセパージュはCabernet Sauvignon =48%、Merlot =47%、Cabernet Franc =5%
ワインの醸しはステンレス製タンクとコンクリート製のタンクを併用して行われ、その後の乳酸発酵を経て、ワインの殆どがフレンチオーク新樽で熟成される。



socmal95aオーナーが己の名を冠した cuvée Jean Gautreau というスペシャルエディションを作り始めたのがこの1995年だった。販売目的ではなくオーナー特権濫用的道楽の一環として少量生産した物らしい。その後、このスペシャルキュヴェも市場販売する様に方向転換した模様。

ここに出て来るのは、あくまでも通常のソシアンド・マレなので悪しからず。

てなわけで、ワインのインプレッションに入る事とする。
色はルビーパープルを少し残したガーネットで、深度は深いが透明感のある嫌みの無い綺麗なカラー。
タンニンはまだかなり強いが、全体が非常に綺麗に纏まっている。
90年代以降のボルドーにありがちな作為的だったり過剰抽出を感じさせる部分は非常に少ない。23年も経っている事を感じない程の若さすら感じさせる。
拾い出したエレメンツを挙げて行くと
ブラックベリー、カシス、黒胡椒、西洋杉、ティートゥリー、湿式葉巻、鞣革
プルーン、ブラックチェリービタースウィートチョコBénédictine、キナリキュール、クローブ、カルダモン、Armagnacシャンボールリキュール乾燥ナツメ



クラシックなボルドーを思い起こさせるボディ、ワインらしいワインである。酒質は固く、まだ内向的であるから持てるエレメンツは全然出し切っていない。

このワインの密度と持続力は相当高くミッドのグラ(中盤の厚味というべきか)とボディの強さもかなりのものであるのは明らか。ただそういう中でも押しつけがましさは殆ど無い所が良心的で非常に好感が持てる。マッチョ過ぎず骨太感がしっかり見えている。
アフターとフィニッシュも綺麗でかなり長い。潜在能力はまだまだあると考えるのが妥当で、5年後位には非常に甘美な液体に昇華する可能性は十分にある。


~後日、1994 もテイスティングした~
結論から言うと、1995 には遠く及ばない。残念な印象がやけに強く残った。
ピークアウトした様な感はないのだが、時折それなりの熟成感も見い出せる。ただ、伸び代も見つからず、ミッドのグラが不足しているのか、間延びした部分が目立つ。同時にタニックな部分が強調されてしまう。
ボルドーの1994は評価に苦しむ部分があるが、四半世紀近くが経った今、評論家達を欺いた?メッキは剥がれその素性が露わになると、あまり褒められた出来ではなかったと思わざるを得ない。


最後はスコアリングの結果発表…、1995年18.5 / 20 当然これ位は付けて良い。その反面、1994は 17 / 20 位が落し処か?



)フランスフランのレイティングは1969年の1月には73円程度だったが、夏に暴落しそれ以降年末まで64円程度で推移している。



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