Vins de Vienne (ヴァン・ドゥ・ヴィエンヌ)といえば、Yves Cuilleron(イヴ・キュイルロン)+Pierre Gaillard (ピエール・ガイヤール)+François Villard(フランソワ・ヴィラール)のジョイントベンチャーのネゴシアン。
今回取り上げる Sotanum (ソタナム)というワインを産する場所は Côte Rôtie (コート・ロティ)とローヌ川を挟んで反対側に当る Seyssuel (セイシュエル)という区域。このSeyssuel という場所は、Côte du Rhône の歴史でも本来重要とされる区域で、古代ローマ時代から畑が開墾され評価の高い葡萄畑だった。それが歳月と共に忘れ去られてCôte du Rhône AOC の区域からもすら外れてしまっていた。


Gaillard は学生時代に読んだ書籍でこの区域の歴史を知り、Cuilleron 並び Villard の両氏を誘う形で Seyssuel を調査すると、Côte Rôtie とほぼ同じ地質である事を発見。こうして3氏は25haを購入し1996年から植樹を開始して「復興」を始めた。それから約20年が経つが、このネゴシアンはこの区域から Sotanum 以外にも Heluicum (エリュイカム=赤・Syrah100%)、Taburnum(タビュルナム=白・Viognier100%)というワインを作り出している。

ここで紹介する2001年の物は Sotanum がデビューして間もない時のワインである。Syrah100%で作られるこのワインは、AOC が付けられないので vin de pays des Collines Rhodaniennes (ヴァン・ドゥ・ペイ・デ・コリンヌ・ロダニエンヌ)という肩書が付いている。

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さて、肝心のインプレッションに入りたい
色はレンガ色が微かに入りかけた非常に美しいクリアなガーネットで端っから期待してしまう。


テイスティングで拾い出したエレメンツを挙げて行くと…
第1グループとしてハスカップ、ブルーベリー苺、ラズベリー丁子、ナツメグ、黒文字、煎ったカカオ
それらに続くのはビターチョコ、エスプレッソブラックベリー
スローベリーラヴェンダーリエージュシロップ
更には昔のキナリキュールリコリス湿式葉巻
焼きたてのバゲット、黒コショウ、サンダルウッド、ローレルという辺りも付いて来る。


かなり綺麗に熟成しているのは解るし、そこは期待通りかそれ以上。凝縮感も申し分なく、そこに熟成が加わり出汁の効いた感じのタッチで、梅酒の様な抜け方も実現している。
ボディは丸くバランス良く心地良いスピード感でステディに広がる。酸も終始しっかりしていて、バランスは崩れなかった。

2001というヴィンテージの良さにも助けられているとは思われるが、基礎的なポテンシャルかなり高いと見受けられる。ヘヴィーボトルを使って来た所からも、基本的な能力の高さを確信していた様に見える。
弱点としてはアフターに掛けての盛り上がりはそんなに大きくなく、アフター自体の長さも申し分ないというレベルという事だろうか。それでもデビュー 2作目(多分)でこのレベルなら悪くない。


このネゴシアンは Côte Rôtie Les Essartailles (レ・ゼサルタイユ)というワインを作っているが、こちらはCôte Rôtie でも Tupin (テュパン)区域の葡萄から作られている様で潜在能力的にも少々劣ると考えられ、Sotunum の方がワインとしては優れている可能性は高い。

いつもの様にスコアリングすると…少々微妙にはなるが 17.5 or 18 / 20



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