近鉄特急の最高峰に君臨し続ける Urban Liner (アーバンライナー)もこの年 3 decades =30年の節目を迎えた。
アーバンライナーは1988年から90年に架けて72両=UL 6連11本+UB 2連3本が登場し、そして 30000系ヴィスタカー から近鉄特急のフラッグシップの座を奪った。デビュー前年末に納車されるまでその存在はトップシークレットとされ(ネット時代の今では無理かも知れない)、登場するや否やそれまでの近鉄特急のイメージとは明らかに違うフォルムがファンや利用者に衝撃を与えた。

名阪甲特急が70年代終盤から名阪間移動のシェアを伸ばした事により、ビジネス客主体の名阪特急に力を入れた近鉄の思惑が嵌ったともいえる。但し、これも元を辿れば旧国鉄のエラーから生じた事象である。
東海道新幹線とは時間で倍以上の差があるから普通に考えたら太刀打ち出来ない筈で、いい様にやられて名阪特急も2連での運行を強いられた時期も続いたが、国鉄の労使紛争激化と経営悪化が止まらず相次ぐ値上げとサービス低下が近鉄に味方する形になったのである。



ktulp@knie01

2008年12月、近鉄蟹江駅にて撮影したこの絵がアーバンライナーの初撮影だった。
見事なまでに酷い絵ではあるが、近鉄の撮影地なんて殆ど知らなかった小生としてはこれが手一杯だったのも事実である。この後駅の外に出て駅付近の路上から撮影も試みたが天気が下り坂でロクな絵は取れなかった。


2011年10月には大阪線での撮影もしたが、その 2年後に同じ場所で撮っているので割愛。
そして2012年5月半ばに時は移る。5月であれば日が長く夕方前には北北西にまで回る時期である。それを生かして弥富駅の東にある地点、浜乙女の工場も近くに見える場所で撮れるとの情報をキャッチしたので、そこでの撮影を試みた。


ktulp@yatm01

後追いで撮った名古屋行き6連
なかなか良い場所に違いないと思って行ってみると、架線柱が変な位置にあるのでそもそもそんなに良い絵が撮れるとは言えず、背後のレンガ色の集合住宅も思いっきり邪魔で一寸ガッカリ
夕方まで天気は快晴で当時の小生としては撮影をそれなりには楽しめたのであったが、途中でボディ(当時はK-5)が変調をきたし、予備のボディに切り替える事を強いられたのは計算外だった。
伊勢・大阪方面は撮り辛く、名古屋方面の列車を後追いで撮影するのにはそこそこ適しているとは言える。


その翌日朝、近鉄蟹江から戸田方向に行った所の午前アングルに挑戦

ktulp@knie02

名古屋行きの作例。今の小生ならもう少し上手く撮れる自信はある。この時は2012年だったので50000系しまかぜはまだだったが、今なら名古屋しまかぜの冨吉からの送り込みも撮れるのだろうか?

ktulp@knie03

こちらは難波行きの後追い撮影画像
この場所は下り線路とフェンスの間にスペースがあるので、秋冬の時期ならもう少し蟹江寄りの位置から昼頃に下り列車を狙えるとも考えられる。


この日の午後は前日に続いて弥富に向う。この日は午後から空が少しずつ霞んできて厭な予感はしていた。その予感は的中。16時前の時点でこのザマ。

ktulp@yatm02

8連で捕らえられたのはよかった。実はこの時点では陽がそれなりにはあったが、更にその後は曇が厚くなり暗くなってしまったので早々に諦めて撤収。何とも後味が悪かった。



同年9月、もう中旬というのに連日35度近い猛暑になった時だったが、近鉄名古屋線の沿線に繰り出した。
この時は 23000系伊勢志摩ライナー リニューアル開始という事もあってどちらかというとそちらを狙った感が強かったが、アーバンライナーも勿論撮っていた。先ず向ったのは塩浜~北楠間にある鈴鹿川の築堤だった。朝からトンでもない暑さになった中、塩浜から20分位歩いたその辛さは今でも記憶に焼き付いている程である。
線路の反対側からは運動会のリハーサルらしき音が聞えていた。こんな暑さの中そんな事をしていて子供達は大丈夫かと心配にもなってしまう。( 6年も前だが熱中症という言葉は認知されて来ていた)
(関連記事=あの超暑かった初秋の日 Part 1


ktulp@suzkg01

名古屋行きの後追い作例。シャッターを切るタイミングがもう僅かに早かったらと・・・

ktulp@suzkg02

難波行きの作例だが、70-200mm (SIGMA)のワイド端で撮ったからこれで100mm相当の画角。線路がカーブしている事もあって8連だと対応出来なかった。
基本的にレンズの選択を間違えたと思う、今の小生なら 50-135mm (smc DA star)を持って行くだろう。それなら恐らく顔もパンタも抜けるのではないか?


9月ではこの撮影地は今一つだった。まだ早すぎたのである。最低でも秋分は過ぎていないといけなかった。更に大きな理由の一つとしては架線柱に架かるごついケーブル類。ここは秋冬シーズンに限る=厄介なケーブルの影が冬場なら上り列車にはかかってしまう可能性はあるが、メインで狙う下り列車には掛らない筈である。
それこそ今位の時期であれば冬の斜光線の中これより全然綺麗に撮れると思われるのだが・・・、冬光線リヴェンジマッチなんてやりたい所である。



近鉄特急の 70年を超えるその歴史の中には1971年の大阪線旧総谷トンネル特急衝突事故という忌わしい出来事もあった。これと同時に新幹線に押されて看板だった名阪特急には暗黒時代が訪れた。
それでも 70年代終盤からは旧国鉄のエラー続出に助けられるという形ではあったが、厳冬の如き日々からは徐々に脱していった。そして時はバブルの真っ只中という1988年に新時代のエースとして満を持して登場、以来近鉄特急の新たなステータスとして30年間、世紀を跨いで金字塔を打ち立てたのがこのアーバンライナーである。


今回、私鉄特急のホームラン王を称え申し奉るの一曲として小生がセレクトしたのは・・・
英国のスラッシュメタルバンドとして活躍している DragonForce (ドラゴンフォース)の " Seasons "  

彼らは英国のバンドとされていて本拠地もロンドンだが、メンバーの国籍は多数に渡る。中心メンバーの Herman Li (ハーマン・リー)は香港、Sam Totman(サム・トットマン)は N.Z. であり、現行メンバー 6人でも Marc Hudson (マーク・ハドスン=ヴォーカル)のみが英国国籍である。
この " Seasons " という曲だが、2012年リリースの 5th アルバム " The Power Within " の中の一曲で、その前年の東日本大震災を受けて書かれた曲であるとも言われている。

この曲の通常のヴァージョンはこちらの動かない動画を御覧頂きたい

又、こちらにはアコースティックヴァージョンがあるので序に参照賜りたい。

I’m searching through emptiness and try to forget us in vain
The light of dark setting sun will bring my sadness to an end
Voices cry out through the fear and the dark as we wait for our lives to be better


The words dry out in the night, no winter lasts forever
The seasons pass and the sunlight will shine on my life again
So let the past now burn down in flames


Locked in prison, in a world of living fear on the edge of my destruction marching on
Still suffering darkness in the dearms of life not meant to be
As I lie awake and curse the rising sun
Sadness in time for the truth that she hides and this pain in my heart for no reason


The words dry out in the night, no winter lasts forever
The seasons pass and the sunlight will shine on my life again
So let the past now burn down in flames


Stare into my eyes I’m burning with lust and desire
Won’t you come down and let yourself go in the fire
So leave the past behind


The words dry out in the night, no winter lasts forever
The seasons pass and the sunlight will shine on my life again
So leave the past behind


The dark clouds fading for my mind, no pain will last forever
The seasons pass and the sunlight will shine on my life again
So let the past now burn down in flames
Now burn down in flames


かくして苦難の行軍の時を脱し、名阪特急の暗い過去を焼き捨てるが如く疾走を続けるこの列車を称え奉るにはこの 1記事では到底足りないから、Part 2 へと続く!



)DragonForce は1999年にHerman LI とSam Totman が中心となりロンドンにて結成。当時のバンド名は DragonHeart だったが、2001年に現在の DragonForce に改名。
メジャーデビューは2003年のアルバム " Valley of the Dammed "、以来スタジオアルバムは 7タイトル、ライブ盤 2タイトル、コンピレイション 1タイトルをリリース。



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