ローヌ北部では Côte Rôtie (コート・ロティ)と双璧をなす銘醸品の Hermitage (エルミタージュ)、近年は Guigal (ギガル)、Jean Louis Chave (ジャン・ルイ・シャーヴ)、Chapoutier (シャプティエ)というビッグネームが目立ってしまうが、それらに次ぐ様な名門の一つである Bernard Faurie (ベルナール・フォーリー)の作品をここでは取り上げる。
ただ、日本への入荷は以前から非常に限られていたが、ここ数年は遂に入手出来るチャンスすら殆ど無くなってしまった。


Bernard は Faurie 家が Hermitage の丘でワイン作りを始めてから5代目となる。この家は Hermitage の中でも Méal(メアル)Bessard(ベサール)Gréffieux (グレフュ)といった優秀な区画を1935年以来保有し続け、面積は約1.7ha程であるが、そこの葡萄樹の樹齢は凡そ60~100年クラスといわれる。その中でも殊に Bessard の区画には強い拘りがある様で、そこからの葡萄を使わなければ真の Hermitage ではないとすら言い切る。
僅かな数の白も作っているが、これも逸品である。更に Hermitage 以外では Saint-Joseph (サン・ジョセフ)に2haを所持して2種類にキュヴェを作っている。


fau98her01ワイン作りの手法だが、古い木の桶で葡萄を破砕し、余り手を掛ける事をせず自然な形で発酵させる。赤ワインは18~24ヶ月、白は9~12ヶ月間それぞれ600リッターの古樽で熟成を掛けてからハンドボトリングという手法らしい。
現在は Gréffieux+Bessard、Bessard+Méal、Méal 単独と3種類のキュヴェを作り分けているが、(ラベルは一緒でボトル頭部のカプセルの色が違うだけ)この1998年はそういう作り分けをしていなかった時期のボトルである。


(テイスティングは2017年初頭)
先ず色についてだが、やや暗めのガーネットで変なえげつなさ等は無い
出て来たエレメンツを並べて行くと・・・
先ずは西洋杉から始まり、リコリスブラックチェリー、ブラックベリー、ブルーベリークランベリー、ラズベリーシナモン、中国山椒、続いてスミレ、ラベンダー野薔薇ミントという辺りが続いてくる。

更に時折微かにトリュフのニュアンスを出してなめし皮、Kirsch、、ミネラル、Fernet Blancaポルチーニ
又、ミーティーな感じも僅かに出る。


甘苦いタンニンがまだ優勢なところがある、これがバランス感を少々崩す場面がある。熟成感はかなり出ていて、時間とともに顕著になる。酸は強く出ては来ないが、不足と言う程でもない。

総体的な印象としては、ウットリする所までは行っていないが、残念という所は無い。フィニッシュからアフターに掛けての盛り上がりもそれなりにあって、余韻もかなり確保している。傑出した所こそ無いが、全体的に優秀でそれなりにしっかり誠実に作り込まれた美酒と言えるだろうか・・・

最後にいつものパターンでスコアリングしてみると・・・ 18 / 20





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