ファンなら誰でも知っている伝説の列車 Twilight Express が今年30周年を迎えた。1989年7月に団体ツアー専用列車として運行を開始し、同年12月から臨時列車をなり一般販売を開始。これは北斗星の1年後輩でカシオペアの10年先輩という事でもある。
時はJR 発足から約2年、何といってもバブル絶頂!
ここで、西日本旅客鉄道はそれまでのブルトレのイメージから一転、ダークグリーンを基調にしたカラーリング、輸送力ではなく豪華仕様の商品力という部分も取り入れた列車を開発。東の北斗星・西のトワイライトと共にそれなりに贅沢も出来る列車として、バブルの後押しもあってかデビューと同時に好評を博した。2年目の1990年にはA個室(スイート・ロイヤル)が増車され、更に91年には第3編成が追加で落成し多客期の毎日運行が可能になった。こうして Twilight Express はJR 西日本が誇る一大看板になったのである。
2014年5月下旬、大阪行きの後追い撮影=高岡~西高岡間(2014当時)
網干総合車両所宮原支所所属24系25形客車の専用編成使用で電源車を除いては9両で、サロンカーと食堂車が入っていた。
御存じの通り、Diner Pleiades(ダイナー・プレアデス)のスシ24形は元電車である。抑々24系の食堂車でオシ24形が存在していたが、民営化前1985年の時点で廃車になり形式消滅していたので、使われなくなった489系等の電車特急食堂車を改造するしかなかった。サシ489-3→スシ24-1(現在京都で晒し者)、サシ489-4→スシ24-2、サシ481-52→スシ24-3 (北斗星用の500番台グランシャリオも基本的に一緒)
1990年代以降、ブルートレインは下火になって縮小廃止の流れが加速する中でも、トワイライトは北斗星と共に寝台特急の東西両横綱としての地位を確立し鉄道界の大スターとして君臨していった。1999年にカシオペアが登場すると夜行列車 BIG 3 として輝き続けたのである。
2014年11月末、安威川の堤防での撮影だったが、既に現在のJR 総持寺駅建設工事が始まっていた様で、工事用フェンスや新しい架線柱が増設されていて悲惨な状況だった。
この列車、実は重大な弱点があった。それは日本海側を走り続けるという事である。豪雪地帯を延々と走り続けるので冬場になると大きな遅延なんて当たり前、ウヤになる事も多かった。そこは太平洋側(東北本線)を走る北斗星やカシオペアとは大きく違う所である。
その中でも、臨時列車運行終了直前の2月13日~15日掛けてに起きた25時間遅れ、所定22時間程度の所その倍以上掛かったというのは。その時の大雪が如何に凄かったかを物語るニュースとしても大きな話題になり、まさに伝説の遅延になった。また其の10日程前にも15時間というある意味偉業クラスの遅延も話題になった。これだけの遅延となるとJR 側も臨時で駅弁の支給を強いられる等追加の負担が大きくなるから、廃止直前の最後の一稼ぎの時でなければウヤだっただろう。
この列車の輝かしい歴史にピリオドを打たせたのは北陸新幹線と北海道新幹線、2つの整備新幹線であった。厳密にいえば並行在来線の経営切り離しと青函トンネルの問題だった。
斯くして2015年3月13日に一般販売される臨時列車としての運行を終了した。最終列車が大阪駅に到着する模様は東京のTV でも生中継されていたが、221系が危うく被りそうになっていて、本当に被っていたら大暴動が起きていたかも知れないと考えると結構草生える。
その後1年間は元々の団体専用に戻る形で特別なトワイライトエクスプレスとして運行された。団体専用で始まり結局団体専用で終わるという27年弱の歴史だった。
何かというと新幹線をよこせよこせという土建屋・政治家ども、新幹線が来れば豊かになれると何も考えず信じ込む田舎者、高速鉄道網でCO2 を減らせると大嘘をつく環境関係の活動家達がグルになって寄って集って整備新幹線を田舎に伸ばそうとしている。安倍政権下で調子に乗った奴等がやれ「四国だ山陰だ」、挙句の果てに「単線でやれる」とか…、そこまで来ると「もうエエ加減にせぇや、どついたろか」である。
トワイライト、北斗星の終焉にはそんな日本の国土政策のアイコンになってしまったという側面があると言って差し支えないだろう。この両列車にはせめて30周年まで走り続けて欲しかったと思うのは小生だけだろうか?
87系瑞風の初撮影は2018年11月・山陽本線は庭瀬~中庄間にて。
そして2016年2代目とも称される87系気動車トワイライトエクスプレス瑞風が登場した。
JR 九州77系九州ななつ星が成功したとなるや否や、他のJR もセレブ観光客用商品に舵を切らざるを得なかった。
兎に角国内外から上級市民セレブの人達を呼び込んでおもてなしすれば良いという発想から生まれたおバカ商品が Twilight Express なんて名乗っているのが解せない。この国も本格的なグローバル格差差別社会に入った事を如実に示すアイコン的列車である。
序にフロントセクションの見た目も何しかアメリカンフットボールのヘルメットみたいで、展望デッキに手を掛けようものならフェイスマスクの反則で15ヤードの罰退を食らいそうである。
この手の列車は乗る事自体が目的だとか言っても、列車と船舶では訳が違うという部分を加味しても、豪華客船のショートクルーズの方が全然コストパフォーマンスが高い。まともな脳ミソを持っているなら豪華客船の方を選ぶだろう。
瑞風はトワエクの発展形だと評する向きもあるが、その論理には疑問を持ってしまう小生である。
~私鉄からのアンサーソング? いや、唯のパクリか?~
私鉄のトワイライトエクスプレスとも呼べるヤツも存在している。
叡山電鉄が開発した「ミニマムな」Twilight Express 、700系・732号車=ひえい(2018年11月・宝ヶ池駅付近)
2019年(=令和最初)鉄道友の会ローレル賞も受賞している。
何だか少々卑猥にも見える顔つき(女性器みたいだとまでは言わないが)、観光列車と銘打っておきながらロングシートという具合に突っ込みどころはある。京都市左京区内のみを走行し、15分にも満たない時間ではあれど乗車券だけで気軽に最短最小のトワイライトエクスプレスの旅が楽しめる。
732号車はデオ730形で京阪1800系(Ⅱ)からの流用機器をふんだんに用いて1988年に製造され、三十路を迎える去年にこの様なとんでもない改造を受けた。その時に機器類も京阪5000系の流用品に替えられた可能性がある。
因みに小生はこのひえい初撮影の翌日に瑞風の初撮影をしている。
そしてもう一つは…
それは近鉄のツアー用(クラブツーリズム)列車・15400系かぎろひである。見ての通り12200系の改造車で2連が2本存在する。
12241F→15401F(PN51)12242F→15402F(PN52)という車歴で、車内にはイベントスペースとバーカウンターを装備している。トイレも温水洗浄便座を備え男性用・女性用に分かれている。
1枚目=伊勢朝日~川越富洲原間・2015年11月撮影、2枚目=川越富洲原~近鉄富田間・2013年4月撮影
2枚とも狙っていたわけではなく、たまたま当たったというショット。トワエクをパクったのではなくクラブツーリズムの高級バス「ロイヤルクルーザー・四季の華」に合わせたのでこのカラーリングになったとされる。このR.クルーザーも見た目だけならバスツアー界の Twilight Express と呼べるかも知れない。
15200系・15400系共々車齢の高さは相当なもので、近い将来「2代目かぎろひ」が登場するのだろうか?
数年後は2連のユニットが余る可能性が考えられて、22000系AS 若しくは22600系AT なんかがかぎろひに変身するかも知れない。
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時はJR 発足から約2年、何といってもバブル絶頂!
ここで、西日本旅客鉄道はそれまでのブルトレのイメージから一転、ダークグリーンを基調にしたカラーリング、輸送力ではなく豪華仕様の商品力という部分も取り入れた列車を開発。東の北斗星・西のトワイライトと共にそれなりに贅沢も出来る列車として、バブルの後押しもあってかデビューと同時に好評を博した。2年目の1990年にはA個室(スイート・ロイヤル)が増車され、更に91年には第3編成が追加で落成し多客期の毎日運行が可能になった。こうして Twilight Express はJR 西日本が誇る一大看板になったのである。
2014年5月下旬、大阪行きの後追い撮影=高岡~西高岡間(2014当時)
網干総合車両所宮原支所所属24系25形客車の専用編成使用で電源車を除いては9両で、サロンカーと食堂車が入っていた。
御存じの通り、Diner Pleiades(ダイナー・プレアデス)のスシ24形は元電車である。抑々24系の食堂車でオシ24形が存在していたが、民営化前1985年の時点で廃車になり形式消滅していたので、使われなくなった489系等の電車特急食堂車を改造するしかなかった。サシ489-3→スシ24-1(現在京都で晒し者)、サシ489-4→スシ24-2、サシ481-52→スシ24-3 (北斗星用の500番台グランシャリオも基本的に一緒)
1990年代以降、ブルートレインは下火になって縮小廃止の流れが加速する中でも、トワイライトは北斗星と共に寝台特急の東西両横綱としての地位を確立し鉄道界の大スターとして君臨していった。1999年にカシオペアが登場すると夜行列車 BIG 3 として輝き続けたのである。
2014年11月末、安威川の堤防での撮影だったが、既に現在のJR 総持寺駅建設工事が始まっていた様で、工事用フェンスや新しい架線柱が増設されていて悲惨な状況だった。
この列車、実は重大な弱点があった。それは日本海側を走り続けるという事である。豪雪地帯を延々と走り続けるので冬場になると大きな遅延なんて当たり前、ウヤになる事も多かった。そこは太平洋側(東北本線)を走る北斗星やカシオペアとは大きく違う所である。
その中でも、臨時列車運行終了直前の2月13日~15日掛けてに起きた25時間遅れ、所定22時間程度の所その倍以上掛かったというのは。その時の大雪が如何に凄かったかを物語るニュースとしても大きな話題になり、まさに伝説の遅延になった。また其の10日程前にも15時間というある意味偉業クラスの遅延も話題になった。これだけの遅延となるとJR 側も臨時で駅弁の支給を強いられる等追加の負担が大きくなるから、廃止直前の最後の一稼ぎの時でなければウヤだっただろう。
この列車の輝かしい歴史にピリオドを打たせたのは北陸新幹線と北海道新幹線、2つの整備新幹線であった。厳密にいえば並行在来線の経営切り離しと青函トンネルの問題だった。
斯くして2015年3月13日に一般販売される臨時列車としての運行を終了した。最終列車が大阪駅に到着する模様は東京のTV でも生中継されていたが、221系が危うく被りそうになっていて、本当に被っていたら大暴動が起きていたかも知れないと考えると結構草生える。
その後1年間は元々の団体専用に戻る形で特別なトワイライトエクスプレスとして運行された。団体専用で始まり結局団体専用で終わるという27年弱の歴史だった。
何かというと新幹線をよこせよこせという土建屋・政治家ども、新幹線が来れば豊かになれると何も考えず信じ込む田舎者、高速鉄道網でCO2 を減らせると大嘘をつく環境関係の活動家達がグルになって寄って集って整備新幹線を田舎に伸ばそうとしている。安倍政権下で調子に乗った奴等がやれ「四国だ山陰だ」、挙句の果てに「単線でやれる」とか…、そこまで来ると「もうエエ加減にせぇや、どついたろか」である。
トワイライト、北斗星の終焉にはそんな日本の国土政策のアイコンになってしまったという側面があると言って差し支えないだろう。この両列車にはせめて30周年まで走り続けて欲しかったと思うのは小生だけだろうか?
87系瑞風の初撮影は2018年11月・山陽本線は庭瀬~中庄間にて。
そして2016年2代目とも称される87系気動車トワイライトエクスプレス瑞風が登場した。
JR 九州77系九州ななつ星が成功したとなるや否や、他のJR もセレブ観光客用商品に舵を切らざるを得なかった。
兎に角国内外から上級市民セレブの人達を呼び込んでおもてなしすれば良いという発想から生まれたおバカ商品が Twilight Express なんて名乗っているのが解せない。この国も本格的なグローバル格差差別社会に入った事を如実に示すアイコン的列車である。
序にフロントセクションの見た目も何しかアメリカンフットボールのヘルメットみたいで、展望デッキに手を掛けようものならフェイスマスクの反則で15ヤードの罰退を食らいそうである。
この手の列車は乗る事自体が目的だとか言っても、列車と船舶では訳が違うという部分を加味しても、豪華客船のショートクルーズの方が全然コストパフォーマンスが高い。まともな脳ミソを持っているなら豪華客船の方を選ぶだろう。
瑞風はトワエクの発展形だと評する向きもあるが、その論理には疑問を持ってしまう小生である。
~私鉄からのアンサーソング? いや、唯のパクリか?~
私鉄のトワイライトエクスプレスとも呼べるヤツも存在している。
叡山電鉄が開発した「ミニマムな」Twilight Express 、700系・732号車=ひえい(2018年11月・宝ヶ池駅付近)
2019年(=令和最初)鉄道友の会ローレル賞も受賞している。
何だか少々卑猥にも見える顔つき(女性器みたいだとまでは言わないが)、観光列車と銘打っておきながらロングシートという具合に突っ込みどころはある。京都市左京区内のみを走行し、15分にも満たない時間ではあれど乗車券だけで気軽に最短最小のトワイライトエクスプレスの旅が楽しめる。
732号車はデオ730形で京阪1800系(Ⅱ)からの流用機器をふんだんに用いて1988年に製造され、三十路を迎える去年にこの様なとんでもない改造を受けた。その時に機器類も京阪5000系の流用品に替えられた可能性がある。
因みに小生はこのひえい初撮影の翌日に瑞風の初撮影をしている。
そしてもう一つは…
それは近鉄のツアー用(クラブツーリズム)列車・15400系かぎろひである。見ての通り12200系の改造車で2連が2本存在する。
12241F→15401F(PN51)12242F→15402F(PN52)という車歴で、車内にはイベントスペースとバーカウンターを装備している。トイレも温水洗浄便座を備え男性用・女性用に分かれている。
1枚目=伊勢朝日~川越富洲原間・2015年11月撮影、2枚目=川越富洲原~近鉄富田間・2013年4月撮影
2枚とも狙っていたわけではなく、たまたま当たったというショット。トワエクをパクったのではなくクラブツーリズムの高級バス「ロイヤルクルーザー・四季の華」に合わせたのでこのカラーリングになったとされる。このR.クルーザーも見た目だけならバスツアー界の Twilight Express と呼べるかも知れない。
15200系・15400系共々車齢の高さは相当なもので、近い将来「2代目かぎろひ」が登場するのだろうか?
数年後は2連のユニットが余る可能性が考えられて、22000系AS 若しくは22600系AT なんかがかぎろひに変身するかも知れない。
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