Dufftown 街角ミュージック

穏健主義の波とマイナーパワーがこの世を救う

2018年03月

Bar Ginza Zenith (ギンザ・ゼニス)という名を耳にした事のある御仁達は多いかも知れない。
銀座の名店である「絵里香」
註1から独立した須田善一氏の下、チーフバーテンダーの三浦龍ノ介氏を擁して、去年春に10周年を迎えたまだ若い店ではあるがその人気と名声はなかなかのもの。
その店の10周年を記念して去年4月にリリースされたのがこのボトルだった訳だが、外部への販売分は予約だけであっという間に Sold Out だったらしい。

BBR (Berry Brothers and Rudd=ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド)の " Berry's Best " シリーズの中の1本としてボトリングされたが、この画像にあるタイプのラベルは「コーヒーミルラベル」と呼ばれて、特別なものにしか使用が許可されない。即ち、樽(原酒)を提供した BBR サイドからも特別というお墨付きがあったという事で、外見からしても期待値が高い。
これをテイスティングしたのは銀座ではなく、何故か北新地。大阪を訪れると殆ど毎回お世話になる Bar Parkmore (パークモア)で先月末にテイスティングした。


gellach90bbr484aCraigellachie (クレイゲラヒ)という蒸留所は、嘗てあの White Horse のメインモルトを担っていたのは有名。1930年以降は D.C.L. 傘下に入りその流れでU.D.V. グループの一員として過ごし続けたが、1998年そのUDV がDiageo (ディアジオ)を結成したのを機に、Bacardi (バカルディ)売却されて、今に至る。
最近ではシングルモルトとしてオフィシャルボトルのリリースもあり、蒸留所のスタイルというものも徐々に知れ渡りつつある。今回のこのボトルの良さは Craigellachie という酒の基本的キャラクターを知っていないと理解できないであろう。


さて、このボトルのインプレッションに入ると・・・
色はやや薄めで、ストロー
香味のエレメントを挙げて行くと・・・、先ずはミネラル、木材白桃
林檎洋梨ライチミラベル
続いて乳酸飲料類、ルブローション(ウォッシュ系フロマージュの一種 
註2
更にはマロングラッセ焼いたアーモンドクリーム生八橋が現れ、
時間経過と共にジンジャーシロップ、キャロットシード、ヘリクリサム、セロリルート、ヘーゼルナッツ、胡桃といった辺りが追加的に顕れる。


香りはおしとやかで奥ゆかしくソフトな出方だが、その一方でこの蒸留所にありがちな硬質感がボディと舌触りに時折見え隠れする。それでも基本的にはシルキーである。

この両面の間隙を縫うように出てくるモルト感はかなりソフトでスロー
この辺のギャップは凄いが、結構厚くてエンジェルタッチ的旨味感が長く続く。
あまりにも綺麗に重合してしまっているのか、エレメンツを素因数分解する様に拾い出して行くのが非常に困難

表立っては雄弁に語らず、行間を読ませて色々忖度と想像を要求するウィスキー。飲み手泣かせで繊細にして難解ではあるが、神経と頭脳を使わせる明らかに中上級者向けの一本。小生がこんな所で言葉を弄してもこの酒の素晴らしさを伝える事に限界があるのは眼に見えているのだが・・・

実はこの後日、生麦のこの酒屋を訪れた時にこのボトルの話になり、「本当に良い酒は早々簡単に手の内を見せない」と言われたのだが、なるほどまさにその通りという事か。

いつも通りにスコアリングしてみると・・・、18 or 18.5 / 20



註1)1968年7月に銀座6丁目に開業したカクテルを主体に推すバー、店としては比較的小さいが銀座でも指折りの名店。
(つまり、店自体は ゼロロク 583系 485系 と「同期生」になる)
オーナーの中村健二氏は50年以上のキャリアを誇り、バーテンダー界のレジェンドの一人。「スタア・バー」で有名な岸久氏もこの店にいた事がある。

註2)フランスのSavoie (サヴォア)地方特産で、セミハード系とウォッシュ系の中間的なフロマージュ。Reblochon と表記するが、再び絞るという意味がある。牧場主に徴収される牛乳の量を減らすため、搾乳の際に一回で絞りきらずに、2回目の搾乳を行いその2番絞りを素に作られたという事から由来する。



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ローヌ北部では Côte Rôtie (コート・ロティ)と双璧をなす銘醸品の Hermitage (エルミタージュ)、近年は Guigal (ギガル)、Jean Louis Chave (ジャン・ルイ・シャーヴ)、Chapoutier (シャプティエ)というビッグネームが目立ってしまうが、それらに次ぐ様な名門の一つである Bernard Faurie (ベルナール・フォーリー)の作品をここでは取り上げる。
ただ、日本への入荷は以前から非常に限られていたが、ここ数年は遂に入手出来るチャンスすら殆ど無くなってしまった。


Bernard は Faurie 家が Hermitage の丘でワイン作りを始めてから5代目となる。この家は Hermitage の中でも Méal(メアル)Bessard(ベサール)Gréffieux (グレフュ)といった優秀な区画を1935年以来保有し続け、面積は約1.7ha程であるが、そこの葡萄樹の樹齢は凡そ60~100年クラスといわれる。その中でも殊に Bessard の区画には強い拘りがある様で、そこからの葡萄を使わなければ真の Hermitage ではないとすら言い切る。
僅かな数の白も作っているが、これも逸品である。更に Hermitage 以外では Saint-Joseph (サン・ジョセフ)に2haを所持して2種類にキュヴェを作っている。


fau98her01ワイン作りの手法だが、古い木の桶で葡萄を破砕し、余り手を掛ける事をせず自然な形で発酵させる。赤ワインは18~24ヶ月、白は9~12ヶ月間それぞれ600リッターの古樽で熟成を掛けてからハンドボトリングという手法らしい。
現在は Gréffieux+Bessard、Bessard+Méal、Méal 単独と3種類のキュヴェを作り分けているが、(ラベルは一緒でボトル頭部のカプセルの色が違うだけ)この1998年はそういう作り分けをしていなかった時期のボトルである。


(テイスティングは2017年初頭)
先ず色についてだが、やや暗めのガーネットで変なえげつなさ等は無い
出て来たエレメンツを並べて行くと・・・
先ずは西洋杉から始まり、リコリスブラックチェリー、ブラックベリー、ブルーベリークランベリー、ラズベリーシナモン、中国山椒、続いてスミレ、ラベンダー野薔薇ミントという辺りが続いてくる。

更に時折微かにトリュフのニュアンスを出してなめし皮、Kirsch、、ミネラル、Fernet Blancaポルチーニ
又、ミーティーな感じも僅かに出る。


甘苦いタンニンがまだ優勢なところがある、これがバランス感を少々崩す場面がある。熟成感はかなり出ていて、時間とともに顕著になる。酸は強く出ては来ないが、不足と言う程でもない。

総体的な印象としては、ウットリする所までは行っていないが、残念という所は無い。フィニッシュからアフターに掛けての盛り上がりもそれなりにあって、余韻もかなり確保している。傑出した所こそ無いが、全体的に優秀でそれなりにしっかり誠実に作り込まれた美酒と言えるだろうか・・・

最後にいつものパターンでスコアリングしてみると・・・ 18 / 20





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fugaku101

予想通り、羽生結弦氏の国民栄誉賞受賞が決まった。五輪連覇はフィギュアスケートでは60有余年ぶりなので、金メダル決定の瞬間にこれは間違いないと確信した。
同氏は世界選手権を2回GP Final を4回(しかも連続で)制しているから「フィギュア世界 3冠王2回分を既に達成して " Double Triple Crown " という所まで来たのである。
Grand Prix シリーズが導入され現行のシステムになってからの「3冠王」を挙げると、女子ではキム・ヨナ(Kim Yuna)、男子でも A. K. ヤグディン(Alexei K. Yagudin)だけである。五輪での団体戦も含めれば E. V. プルシェンコ(Evgeny V. Plushenko)、パトリック・チャン(Patrick Chan)も入る。


羽生結弦氏の事はともかくここ数年、国民栄誉賞が乱発気味だと思わないだろうか?
そもそも、この顕彰の発端は1977年の王貞治氏である。創設理由が「総理大臣顕彰の対象にスポーツが入っていない」「叙勲には若すぎる」という事だったというのはLOL の大草原だったのである。
この顕彰の頻度が上がる時が以前にもあった、1984年、1989年、1992~93年がこれに当る。ただ、90年代までは没後受賞が多かった。


でも最近はやたら若年化していて、頻度も高めである。2011年(総理は管直人)のなでしこジャパンの時は流石に耳目を疑ったが、政権側に問題が生じている時に政権浮揚のカードとして切られる事の端的な一例であった。
(受賞メンバーの一人=丸山桂里奈 嬢が最近になって「しくじり先生」に先生として出演したのは草生えた

「贈られる側の賞」ではなく「贈る側の章」であると揶揄される一番の原因がここにあり、最近の流れでいうと更にこれから「
国民栄誉賞特別大セール」が始まるのではないかと懸念せざるを得ない。それこそ某・秋〇康氏及び何チャラ48・46まで受賞するのではないかとすら思われる勢いがある。

この顕彰が文化やスポーツの政治利用の道具であるのが明らかで、お手盛り的に決められるこの顕彰に疑問を呈する御仁は多い。
福本豊氏やイチロー・スズキ氏はオファーを受けたが辞退したというのは有名である。羽生結弦氏が3冠王2回分で受賞なら、30年以上前にパリーグ 3冠王 3回達成の落合博満氏は候補に挙がる事すらなかったというのはおかしいという事になる。(落合氏の言動からすると、譬えオファーがあっても固辞したであろうが)
高橋尚子女史はシドニー五輪マラソン金メダル一つで受賞したが、谷(田村)亮子女史も噂はあったが実現せず、総理大臣顕彰に「留まった」のは如何いう事やと突っ込む余地はある。
序でに言えば、千代の富士(秋元貢氏)や大鵬(納谷幸喜氏)が受賞したのに、時の総理に「感動した」とすら言わしめた貴乃花(花田光司氏)が候補にすらならなかったのは如何説明するのかなんていう突っ込み所もある。


国民栄誉賞自体非常に魑魅魍魎として伏魔殿的、尚且つ意義の曖昧なものであり、叙勲となると老人ホーム的な匂いが強く、政治家や官僚のマスターベーションの道具になっているとも揶揄される。


国民栄誉賞、総理大臣顕彰、各種叙勲もこの際、大英帝国勲章=Order of British Empire の日本版みたいな形シンプルに一本化すべきでは無いだろうか。
大英帝国勲章には 5階級が存在し最上位が、Knight (Dame) of Grand Cross=GBE、
第2位は Knight (Dame) Commander of British Empire =KBE、Commander of British Empire =CBE が第3位、
更に第4位は Officer of British Empire =OBE、第5位は Member of British Empire =MBE という形になっている。

大英帝国勲章ではスポーツや芸能分野で OBE、MBE に列せられる人は多く、王族以外での史上最年少叙勲者は F-1 ドライヴァーの Lewis Hamilton (ルイス・ハミルトン)、2008年に23歳でMBE に列せられている。(同年のワールドチャンピオン)
しかも、途中での昇格も可能である。

実を言うと、叙勲とかいう話は現行憲法下では少しセンシティヴなものにならざるを得ないのだが、この辺が良い落とし所かも知れないと小生は考える。何れにせよ、結局は突っ込み所満載になるのは致し方ないのだが・・・





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ローヌ渓谷(Côtes du Rhône)を代表する銘醸であるコート・ロティ(Côte Rôtie)。その中でも " King of Classic Style " と呼べる存在の作り手がいる。それこそ、他に誰あろう René Rostaing (ルネ・ロスタン)である。このサイトでは初登場となるが、漸くここのワインを取り上げられた事が正直嬉しい小生である。

彼はそもそも、200年以上に渡って Ampuis (アンピュイ 註1)地域でワインを作ってきた一族の末裔で、1971年に親族姻族達の畑を纏める形で現在のドメーヌを創設。その当時、Côte Rôtie に所有していた畑は 2haであったが、1990年に彼の「ウト」に当る Albert Dervieux (アルベール・デルヴュ 註2)から 4haを引継ぎ、更には親戚の Marius Gentaz (マリウス・ジャンタス)からも1993年に 1.4haを引継ぎ、Côte Rôtie だけで合計7.4haを所有するようになった。
コート・ロティのみならず Condrieu (コンドリュ)にも畑を持ち白ワインを作るが、入手困難な逸品である

クラシックな造りを極める為に敢えて最新技術を導入するという、ある意味で鬼畜な作り手であるが、それも彼のこのワインに対する揺るがぬポリシー故の事である。
この作り手の Côte Rôtie で2枚看板となるのが、La Landonne (ラ・ランドンヌ)とこの Côte Blonde (コート・ブロンド)という2銘柄である。(註3



roiteblnd96rstn01
色は非常に美しいガーネット
カンファー、クローブ、中国山椒、楠といったニュアンスが先陣を切ってきた。
そこから野苺、ラズベリーブラックベリー、ブラックチェリー葉巻、カカオ、リコリスハスカップ、スローベリー
副次的に古い時代のヴェルモットスターアニスラヴェンダー
トリュフ、ローズマリーコーヒー
更にその先にはクランベリークリムゾンルバーブカシスチェリーブランデーといったエレメンツが待ち構える。


予想したより総体的なトーンは低い。旨味感、酸、タンニンの完全にシームレス化した溶け込み感流麗さを見せる熟成感、コンスタントな強さに加えて、澄んだ深い海の様な透明感を見せ付けながら、素晴らしい持続力を発揮する。

アフターに向って一見落ちそうで落ちないで粘りを見せる、柔らかくも非常に長い非常に美しい酸によって高いレベルで統率がなされている。Côte Rôtie が本来持つ美点とはこれなりと雄弁且つ繊細に教え示してくれると言えるであろう。

1996というのは必ずしも恵まれたヴィンテージではないとは言え、流石の出来栄え。

「Guigal (ギガル)のあの基地外トリオ?それがナンボのもんじゃい!」という自信に満ちた雄叫びが聞えても来そうである。


最後に恒例となったあの形でスコアリングすると・・・ 18.5 / 20



註1)Côte Rôtie の直ぐ麓にある村で、ローヌ北部を代表するワインの聖地とも言われる。毎年1月の " Marché Au Vin " (ワイン市)というイベントは有名。
註2)ドメーヌとしての名前はDervieux-Thaize (デルヴュ・テーズ)1990年にリタイアするまでCôte Rôtie を代表する名手の一人だった。
" La Viaillere "、" Côte Blonde La Garde "、" Côte Brune Fongent " 等のキュヴェが有名だった。
註3)両者では使用する葡萄の区画も違うが、セパージュ及び徐梗率も少し違う。La Landonne はSyrah 100% で徐梗率10~20%であるのに対して、Côte Blonde ではSyrah 95%+Viognier 5% で徐梗率30~50%である。



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