ドライジンでも昔から超有名だった GORDON'S London Dry Gin(ゴードン・ロンドン・ドライ・ジン) に大きな異変が起きた。
ゴードンといえばそれこそTanqueray(タンカレー) ・Beefeater(ビフィーター)・Bombay(ボンベイ) 等と並ぶ老舗一大ブランドで、小生の若かりし頃、それこそ20~30年前なんてジンといえばこれだった。
今回大幅に刷新されたパッケージは既に彼方此方の店頭で見掛けられてご存知だろうが、変わったのはパッケージだけではない。パッケージデザインが変更になると中身も微妙に変わる事は多い(悪い方に)
ただ、今回のモデルチェンジはそんな生易しいものではなく、ブランドの存在価値そのものすら揺るがしかねない一大事である。
これまでスタンダードだった47.3度が廃止になったのである
ここで改めて Gordon's Dry Gin の事を調べると…、
19世紀末までは 低度数の緑瓶・白ラベル のみだったのが、1907年、オーストラリアへの輸出用に透明瓶・黄ラベル・47.3度という御馴染みのパッケージが登場し、世界的にはこちらが主力となった。
これまで47.3度・40度・37.5度(欧州仕様緑瓶)の3本立てみたいな形だったが、新しいパッケージでは47.3度が43度に落とされてしまった。ほんの数度違うというのが何だと言うかも知れないが、この違いを侮ってはならない。これは大きな差を生み出すのは目に見えている。
こういうメジャー銘柄の場合、世界の彼方此方に工場があって一種のパテント生産の様な形で大量生産されて世界中に出回っている。そういう中で43度のボトルも以前確かに存在した。
その時小生が見た43度は南アフリカでパテント生産された奴で、試しに買って飲んでみたら47.3度の物に比べてパッとしなかった様に記憶している。それももう15年以上前の事だった。
左=つい先日までのボトル・勿論 alc 47.3%
右=1990年代流通と思われるボトル 小生も若い頃から慣れ親しんだパッケージの alc 47.3%
21世紀に入って15年以上経った現在、ジンには数え切れないほどの銘柄があって、度数もまちまちである。低いものなら37度辺りから高ければ60度に達する物もある。又、同じ銘柄でも度数の異なる複数のエディションが存在する事も珍しくは無い。ヨーロッパでは45度を超える様なハイプルーフは必ずしも主流ではない様である。(ここには EU の法律の絡みもある様であるが)
そう考えれば、47.3度という度数に何の意味があるかと言うかも知れないが、その度数が約100年に渡り維持されて世界各国に出回ってきたのが伊達や酔狂だとは思えない。
今回その伝統の度数を捨てて、大幅にダウンさせた事自体、どうしても看過出来ない問題である。度数と同時に彼方此方微妙にケチって基本的な味までダウンさせて来るのも想像が付く話。
この新型をベースにしてカクテルを作るとすると、殊にマティーニ、カジノと云ったシンプルでジンの割合の高いカクテルの場合、呆れる様な事態になる事は容易に想像が付く。ジンでも所謂ロンドンドライタイプの奴に関して、カクテルベースとして使う事を考えれば45度は欲しいのである。
今回の規格変更のニュースが広まってから 旧ボトルの47.3度 が各酒販店等で売切れるまでのスピードは予想より遥かに速く、小生も何とか2本買うのが精一杯だった。プロの御仁達はおろか、愛好家達も困った事は容易に想像が付く。
メーカーとしては「世界的に広がる健康志向、ライト嗜好に合せて」といった名目を理由として掲げる気でいるのであろうが、度数を落として薄くして、その分本数を稼ぎたいというのがゴードン及びこれを支配するディアジオ(Diageo)の本音だとしか思えない。薄くして値段は殆ど変えないのだから実質的には値上げでもある。
更には「世界仕様」をやめ、ラインナップを減らす事でのコストダウンも期待した可能性がある。
ブランドの名前だけで消費者が無条件に付いて来ると思ったら大間違いである。ドライジンに限らず、ウィスキー・ブランデー、シャンパーニュ、その他諸々のメジャーブランドは何回もレベルダウンという背信行為を繰り返して来ているのは確かである。
Tanqueray やBeefeater の様な他の老舗メジャーから度数変更という話は無いが、何れ追随しまうのかという心配は尽きない。47.3度に慣れた Gordon's のユーザーが、今回の一件でTanqueray に流れる可能性は考えられるが、仮にそうなっても会社としてはTanquerray Gordon and Co. (註)なので全然OK という事かも知れない。
小生にとって Gordon's はオワコンで、取敢えずTanqueray にでも流れておこうかと思う次第である。
(註)1769年にGordon and Co. として創業、1898年にTanqueray と合併しTanqueray Gordon and Co. を結成した。
1922年にDCL (Distillers Company Ltd.)に買収されて、現在はディアジオ(Diageo)の一員
当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村
写真 ブログランキングへ
ゴードンといえばそれこそTanqueray(タンカレー) ・Beefeater(ビフィーター)・Bombay(ボンベイ) 等と並ぶ老舗一大ブランドで、小生の若かりし頃、それこそ20~30年前なんてジンといえばこれだった。
今回大幅に刷新されたパッケージは既に彼方此方の店頭で見掛けられてご存知だろうが、変わったのはパッケージだけではない。パッケージデザインが変更になると中身も微妙に変わる事は多い(悪い方に)
ただ、今回のモデルチェンジはそんな生易しいものではなく、ブランドの存在価値そのものすら揺るがしかねない一大事である。
これまでスタンダードだった47.3度が廃止になったのである
ここで改めて Gordon's Dry Gin の事を調べると…、
19世紀末までは 低度数の緑瓶・白ラベル のみだったのが、1907年、オーストラリアへの輸出用に透明瓶・黄ラベル・47.3度という御馴染みのパッケージが登場し、世界的にはこちらが主力となった。
これまで47.3度・40度・37.5度(欧州仕様緑瓶)の3本立てみたいな形だったが、新しいパッケージでは47.3度が43度に落とされてしまった。ほんの数度違うというのが何だと言うかも知れないが、この違いを侮ってはならない。これは大きな差を生み出すのは目に見えている。
こういうメジャー銘柄の場合、世界の彼方此方に工場があって一種のパテント生産の様な形で大量生産されて世界中に出回っている。そういう中で43度のボトルも以前確かに存在した。
その時小生が見た43度は南アフリカでパテント生産された奴で、試しに買って飲んでみたら47.3度の物に比べてパッとしなかった様に記憶している。それももう15年以上前の事だった。
左=つい先日までのボトル・勿論 alc 47.3%
右=1990年代流通と思われるボトル 小生も若い頃から慣れ親しんだパッケージの alc 47.3%
21世紀に入って15年以上経った現在、ジンには数え切れないほどの銘柄があって、度数もまちまちである。低いものなら37度辺りから高ければ60度に達する物もある。又、同じ銘柄でも度数の異なる複数のエディションが存在する事も珍しくは無い。ヨーロッパでは45度を超える様なハイプルーフは必ずしも主流ではない様である。(ここには EU の法律の絡みもある様であるが)
そう考えれば、47.3度という度数に何の意味があるかと言うかも知れないが、その度数が約100年に渡り維持されて世界各国に出回ってきたのが伊達や酔狂だとは思えない。
今回その伝統の度数を捨てて、大幅にダウンさせた事自体、どうしても看過出来ない問題である。度数と同時に彼方此方微妙にケチって基本的な味までダウンさせて来るのも想像が付く話。
この新型をベースにしてカクテルを作るとすると、殊にマティーニ、カジノと云ったシンプルでジンの割合の高いカクテルの場合、呆れる様な事態になる事は容易に想像が付く。ジンでも所謂ロンドンドライタイプの奴に関して、カクテルベースとして使う事を考えれば45度は欲しいのである。
今回の規格変更のニュースが広まってから 旧ボトルの47.3度 が各酒販店等で売切れるまでのスピードは予想より遥かに速く、小生も何とか2本買うのが精一杯だった。プロの御仁達はおろか、愛好家達も困った事は容易に想像が付く。
メーカーとしては「世界的に広がる健康志向、ライト嗜好に合せて」といった名目を理由として掲げる気でいるのであろうが、度数を落として薄くして、その分本数を稼ぎたいというのがゴードン及びこれを支配するディアジオ(Diageo)の本音だとしか思えない。薄くして値段は殆ど変えないのだから実質的には値上げでもある。
更には「世界仕様」をやめ、ラインナップを減らす事でのコストダウンも期待した可能性がある。
ブランドの名前だけで消費者が無条件に付いて来ると思ったら大間違いである。ドライジンに限らず、ウィスキー・ブランデー、シャンパーニュ、その他諸々のメジャーブランドは何回もレベルダウンという背信行為を繰り返して来ているのは確かである。
Tanqueray やBeefeater の様な他の老舗メジャーから度数変更という話は無いが、何れ追随しまうのかという心配は尽きない。47.3度に慣れた Gordon's のユーザーが、今回の一件でTanqueray に流れる可能性は考えられるが、仮にそうなっても会社としてはTanquerray Gordon and Co. (註)なので全然OK という事かも知れない。
小生にとって Gordon's はオワコンで、取敢えずTanqueray にでも流れておこうかと思う次第である。
(註)1769年にGordon and Co. として創業、1898年にTanqueray と合併しTanqueray Gordon and Co. を結成した。
1922年にDCL (Distillers Company Ltd.)に買収されて、現在はディアジオ(Diageo)の一員
当サイトは各種ランキングに参加しておりますので、画面右側若しくは記事内のバナーをクリック下さい。
御訪問の序でにその中のどれか1つでもクリックを頂ければ幸いです。
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村
写真 ブログランキングへ