Château La Nerthe、
CNDP 最古且つ最大の生産者の一つと云われ、クオリティ的にもトップクラスなのは間違いない。その歴史について書面上は1560年まで遡れる事となっているが、13世紀には既に存在していたとされる。
イタリアはピエモンテ(Piedmont)に起源を持つTulle de Villefranche 一族が初代オーナーで、この蔵の旧名はGrange de Beauvenir というらしい。18世紀中盤の時点で50haの畑を有し、1784年にはワインの自社元詰も始めている。 800年ともいわれる歴史の中で数回の所有者交替を経験し、フィロキセラ被害も第2次世界大戦の戦禍もくぐり抜けて現在に至っている。
今や赤ワインでは完全除梗での醸造が世界的に主流だが、19世紀の時点で試験的にとはいえ、この方法を取り入れたとされる。(何から何まで完全除梗というのには小生は反対である!)
1941年から " Nerthe " ではなく、" Nerte " と名乗っていたが、1985年に現オーナーのRichard 一族の手に渡って " Nerthe " の表記に戻った。2008年、醸造責任者がAlain Dugas からChistian Voeux に交替。
又、CNDP で許される13品種全てを栽培する数少ない生産者でもあり、CNDP だけで紅白合せて5種類のワインを出している。更に、その畑での葡萄栽培は有機農法である。
現在ではローヌ南部地域に90haの畑を有し、傘下のDomaine des Renjarde ではCôtes du Rhône villages、Prieuré de Montézargues ではTavel も作っている。
Cuvée des Cadettes はこの蔵の赤の最上級品で、19世紀にはデビューしていたらしい。当時はGrenache 100% で、20世紀初頭に複数種のブレンドに変ったらしい。現在はGrenache 40%・ Syrah 30%・Mourvèdre 30% 位の割合で、新樽の使用率が80%にもなる。平均生産量は1700ケース程度。
先ず、色合いは、中程度からやや深めのガーネット シナモン、クローブ、黒胡椒、五香粉、リコリス、ビターチョコ、葉巻、Kirsch、苺、ラズベリー、 ブラックチェリー、ブラックベリー、Cognac、 Maraschino、Buton…、という辺りの要素達が出て来る。
かなり高いレベルの凝縮感、持続力、広がりを感じる。剛直さで押してくる場面もあるが、それだけのつまらないワインではない。 酸もタンニンもまだまだしっかりして明瞭であるが、収斂性は全く感じない。
高い凝縮感がそれらをいい具合にカヴァーしてかなり良いバランスを保ち続ける。総体的に、モダンともクラシックの何れとも言い難い微妙な所を突いている様に見えるが、梅酒の様な喉越し&旨味感と共に、結構な迫力と伸び、膨らみのある長いアフターは評価出来る。
崩れずぶれない躯体、スケールもかなり大きく、階調感も豊か。この時点でも実力は見せてくれたと思うが、まだまだ「育てられた」可能性がある。
Les Meilleurs Vins de France 的な感じで点を付けるとするなら…、18~18.5 / 20
※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(2015年6月)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。
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