このHavens(ヘイヴンズ)というワイナリーは、カリフォルニアの中でもMerlot の名手の一つとして知られた。 かの有名なSin Qua Non も設立当初はこのワイナリーの設備を借りてワインを作っていたのである。
大学教授だったMichael Havens は1970年代から趣味としてワインと作っていた。 1984年になって彼は妻Catherine と共にCarneros にて己の名を冠したこのワイナリーを設立する。
この小規模ワイナリーがMerlot の名手に伸上るのに年月は掛らず、以来毎年の様に高評価を連発し名を馳せる。しかも良心的な価格を維持していたのは特筆に値する。
2006年からはBlington Import 社の経営になって、翌年にMichael はこのワイナリーを去ったらしい。 そして、2008年の金融不況等により経営が悪化し、2009年に破産。その後経営者が変った。
ここで取り上げるのはこのワイナリーが輝いていた時代の美酒である。テイスティングしたのは去年末。
このワイン の名前であるBourriquot はフランス語でじゃじゃ馬という意味。
Havens が目標としていたChâteau Cheval Blanc に対抗したと思われる。白馬に対抗してじゃじゃ馬ときたわけである。
その証拠に、このワインはCabernet Franc 67%+ Merlot 33%という比率である。
そして、ワインの内容はというと…
色はやや深めの美しいガーネット。
感じられる要素を挙げて行くと…、 ブランデー漬けブラックチェリー、プルーン、ブルーベリー、苺、ラズベリー、干し柿、乾燥黒無花果、カカオ、スミレ、Buton、微かにエスプレッソ、なめし皮等というあたり.。
総体的にややスローな展開を見せるものの、時間とともに確実に広がりと膨らみを増す。
驚く様な感じこそないが、明瞭感、透明感、ピュアで綺麗な旨味感+梅酒の様なタッチを持っている。
更には充分に凝縮されながらも非常に清楚で飾らないしっとりとした果実味はなかなかの感動モノ。非常に流麗なシルエットに加えて、勿論の事、アフターテイストの長さも充分に確保されている。
何と云っても、カリフォルニアでありながら、近年のフランスワインでもなかなか見られない様な誠実さを十分に見せている、この事自体十分にリスペクトに値すると言える。
ただ、輝いていた時のHavens を再び味わう事はほぼ不可能である、嘆かわしい損失とはこの事である!
Les Meilleurs Vins de France 的な形で点を付けるなら…、18 or 18.5/20
<良識的ワインファンへの悲報>
Havens のワインは、静岡に本店を置く有名ワインショップで扱っているが、嘗てのこのワイナリーとは全く違う物と理解した方が良いであろう。
2009年の経営者交代以降、ワインのスタイルも180度変ってしまい、現在は如何にもカリフォルニアというワインを作っているという反吐が出る状況。現行ラインナップにBourriquot は存在しない。
※ この記事は旧ブログからの移転記事につき、旧ブログにてアップされた時点(Aug. 2014)での事実関係に基いて書かれているので、現在の事実関係とは大きく異なる場合があっても何卒ご了承賜りたい。
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