Alexander Gordon(アレクサンダー・ゴードン)というシェリーでも優良な生産者がいた
日本では名古屋市にある会社がエージェントになっていて、必ずしも入手困難な銘柄ではなかった。(決して容易でもなかったが)
小生も、6年程前のアンダルシア製品展示会で出会ってからここのシェリーは結構好きだった。何と言っても品質と価格のバランスが優れていたと思う。
しかし、そのエージェントの会社の人間から、この蔵が事実上抹殺されてしまったという情報を手に入れたのである。
つまり、この優良なシェリーを二度と手にする事は出来ないという事なのである。

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このAlexander Gordon という名に対しある大手ブランドからクレームがついて、差止請求が認められてしまったのである。その大手とは、Gordon Tanqueray(ゴードン・タンカレー)、言うまでも無くジンのトップブランドであり、酒造業界世界最大手である彼のDiageo(ディアジオ)のコングロマリットの中核をなす会社の一つである。
差止を認めた判決の詳しい内容は判らないが、これによりアレクサンダー・ゴードンは販売不可能となった。操業も差し止められ、巨額の賠償金も課された可能性もある。

このボデガとしての名称はMarqués de Irún(マルケス・デ・イルン 註1)、現在の経営者はLuis G. Gordon(ルイス・G・
ゴードン)氏なのだが、近年ではEmilio Rustau(エミリオ・ルスタウ)の手に渡り、現在はLuis Caballero(ルイス・カバジェロ 註2)の傘下。
更にシェリーのみならず、Rueda(ルエダ 註3)で白ワインの生産も手がけている。

シェリーでも最古のボデガであり(1770年頃スタート)、生産量は多くないものの超名門の一つであった。
そして、この創業者であるゴードン一家が現在の様なシェリーの生産販売のシステムを最初に構築したとされている。
しかも、Gordon=ゴードンという名は英語圏でもポピュラーな姓である。


一方、ジンで有名な Gordon's の創業者もAlexander Gordon という人物で創業は1769年である
(昔のボトルにはAlexander Gordon and company としっかり書いてある)。
要は創業者の名前と創業年代がモロ被りしてしまった事の不幸といえる。


ただどうしても大手資本の極めてヤクザ的な横暴が透けて見えてしまう、その司法の判断が又圧力にいとも簡単に屈した酷いものの様にも見えてしまう。

この蔵及びそのストックの原酒については、親会社であるCaballero が引き取るなりするのかも知れないが、この佳酒が絶滅するのは忍びない。同グループのウェブサイト上で、シェリーの項目からこのA. ゴードンの名は既に削除されている。
このボデガを抹殺しようとしているのがDiageo の一員。Diageo は無論スコッチウィスキーの最大手である。これが余計にクソな話に聞えるのである。
何せスコッチの業界はシェリー樽の確保に常々奔走しているのであるから。



25年以上前だが、当時カリフォルニアに存在したKenwood(ケンウッド)というワイナリー(当時それなりに高評価を得ていた)に対し、オーディオ機器のケンウッドがカリフォルニアの裁判所に差止請求を起したが、結局返り討ちにあった事を思い出した。
因みにそのワイナリーの場所の名がKenwood だったのであるが、L.O.L. の大草原としか言いようのない話である。


参照記事=そうだ、Sherry を飲むべし Part 1  Part 2  Part 3




註1)Marqués de Irún(マルケス・デ・イルン)はゴードン家の爵位
註2)シェリーでは最大手のグループで、スペインを代表する酒造大手でもある。E. ルスタウもここの傘下
註3)スペインを代表する白ワイン産地はマドリードの北西にあるこのRueda と、ガリシア地方のRias Baixas(リアス・バイシャス)




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