ここ2~3年程、Irish Whiskey(アイリッシュウィスキー)の話題が色々出て来る様になった。その人気アップはかなりのもので、ここ数年はアメリカでの消費量もスコッチに対して逆転している。

「アイリッシュなんて糞」とどこかで思っていた御仁も多かろう。5年前なんて殆ど話題にならなかった訳で、スコッチの原酒の需給逼迫、価格高騰とレベルダウンで、他のネタを探している内に潜伏していた様なアイリッシュが陽の目を見たというのは穿ち過ぎだろうか?
日本でも高級品も出せば、それこそ2万円超えのボトルでもあっという間に完売したりする。アイリッシュにこんな金出す奴おるんか?と訝しんだものだが、長熟アイリッシュにはトロピカルフレーバーが顕著な物も多く、そこが人気の一端を形成しているのかも知れない。(ウィスキーにトロピカルフルーティーをやたら求める連中が多いと言うのが小生には解せないが)

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アイリッシュウィスキーはウィスキーの元祖みたいな存在であり、それこそウィスキーの代名詞だった時代も長かった。しかしながら20世紀以降は虐げられた歴史を歩んで来たとも言える。

先ず1920~30年代に掛けてアメリカで禁酒法が施行されると、そこで最大のマーケットを失う形となった。同時にアイルランド内戦も勃発して経済も疲弊、更に独立の報復として同国のウィスキーはイングランド等から締め出されて、蒸留所は一気に減少。
第2次世界大戦中はアイルランドは中立だったため、米軍が駐留する事もなく、当時国内供給を優先したので輸出も殆どされず、その結果スコッチウィスキーにドンドン押されまくって陽の目を見るチャンスが殆どない状態になってしまった。80年代に入ってはハードリカー市場の世界的不振の煽りも当然の様に食ってしまい、踏んだり蹴ったりという状態が続いていた。


嘗ては首都ダブリンの街中でさえ蒸留所があったのに、蒸留所の統廃合や閉鎖が相次ぎ、1980年代初頭にはMiddleton(ミドルトン)並びBushmills(ブッシュミルズ)の2つだけと言う超お寒い状況にまでなった。そこにCooley(クーリー=1987年創業)、Kilbeggan(キルベガン=2007年復活)が加わったもの、つい数年前までたった4ヶ所だけだったのである。

(画像はBushmill's malt 10yo 1liter、43度時代の物 恐らくは90年代のボトル)

そこからここ数年での盛り返しは結構なもので、今日は建設中の物も含めて34ヶ所に増えてきている。これは19世紀終盤の28より多いという事になる。
この辺りのファクターを見ると、最近のアイリッシュの盛り返し方は信じられないとすら思う小生である。


最近の人気沸騰の立役者の一人が、Teeling(ティーリング)というボトラーであるといえる。ここから出されたヴィンテージ物のウィスキーは評判になるが、アイリッシュ如きでこの値段かよと思うほど高価な物が多い。25年クラスでも3万近くになる物すらある。
ウィスキーの相場がこれだけ高騰しているというのもあるが、殊にアイリッシュの場合は上述した様な歩みで、90年代半ばまでは生産量も非常に低かった筈である。よって20年クラスの原酒の残存数も極めて少ないのは目に見えていて、スコッチより更に高価になり易いと考えられる。



今日はこんな所で…、Part 2 へと続く!


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